そぼくなぎもん

 「せめてこれだけ」で疑問を提示しましたので、@nifty投票を使ってアンケートを募ってみる。期間は一か月くらい?
 読んだのはオリジナル翻訳でも子ども向き短縮版でもおっけーです。

 一度に六設問しか作れないんだとか。ぶーぶー。
 二作組み合わせ用をもう一つ作りました。

 が、いったん削除。

 回答しないと集計状態が見られない模様。こっちに選択肢がない人はつまらないと思うので、新たに「上記アンケートで回答済み」を追加しました↓。すみませんが、二作読みましたで回答してくださった方はもう一回ぽちっていただけますか?

 しばらく記事の一番上に置いてみます。

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2010.02.02

わかってる人々

 久々に古い日記を投下して表示テストをした際に検索フレーズランキングが目にとまる。爆笑。
 「狭い脳内 鉄人」「狭い脳内 ショタコン」「狭い脳内 マクロス」で検索してくださった皆さん、ありがとうございます(笑)。確実に見つかるワードをセレクトしてくださったのだと思います。<自覚。
 往時に比べたらすっかりと落ち着いた感のある私のショタ趣味ですが、「乙嫁語り」の紹介で『美貌の娘・アミル(20歳)が嫁いだ相手は、若干12歳の少年・カルルク。』とあるだけで「なにー、読んでみようかしら!」と食いつくくらいの邪念は残っております。<それもどうかと。
 あと二十歳ずつお互いに年取ったら、それほど「なにー!?」感がないのにねえ。不思議だねえ。

 「出動 空飛ぶ消防士」で検索が増えてるのは、日曜にBShiで再放送があったからかな。「タイガ」の「森林火災」を「パラシュート」降下で消しにいく消防士さんの番組ですから、このキーワードでたどり着かれるのもなるほど。

 でマンガ好きはとうにご存知でしょうが、「なにー?」な「乙嫁語り」はこれ↓

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)

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2010.01.17

ちょっといい、せつない話

 今朝の新聞の読者の投稿欄「ひととき」の記事。
 73才の女性。冬になると乾燥で背中がかゆくなり、毎年病院に薬をもらいに通われているよう。「背中に薬を塗ってくださる家族はおられますか?」という先生の質問に「はい」と答え続けてきたのが今年はついに「先生、いなくなりました」と答えることに。

 夜、風呂から上がって、夫のそばで上着をまくし上げ、背中を丸めて座ると夫は「何も出来ていないきれいな肌が何でかゆいのかのう」と言いながら、こたつで暖めた大きな手のひらに薬をつけて、隅々まで丁寧に塗ってくれた。

 終わると「ハイ、塗り賃千円頂きます」と冗談を言い、2人で笑った。

 先に夫に先立たれた友だちが背中かきを使って薬を塗ると聞いていたのでそれをまねしたら、背中かきの冷たさがしみて、夫のいない寂しさ悲しさに一人泣いた。

 という内容を読んで、50年の夫婦生活はもしかしたら恋愛で始まったのでもなく楽しいことばかりだったのでもなく、ケンカや行き違いや生活の苦しさなんかもたぶんあったのだろうけど、でもよい歳月を重ねられたのだなあとしみじみした。伴侶を亡くした悲しみはそれは深いものだろう。でも、今時の周囲の若い女性たちから聞く恋愛とか結婚の難儀さはかなさを思うと、伴侶とそれだけ情にあふれた関係を築き上げられた人生の豊かさがしあわせなものと見えてしまうんである。
 一時ネットで話題になった、googleの検索欄に「夫」その後にスペースを打ったときに何が出るかってのを考えるとなおさら。(あれは何であんな候補が出るんですかねえ。ほんとにあんな言葉で検索する人が多いの?)

 ネットでよく見かける男性の女性評も殺伐としたものが多いし、恋愛結婚主流になってから恋愛と結婚がどんどん夢見がちになり、その分実地でのガッカリ感が増し、男女が互いに相手のことを「高望みし過ぎ」みたいに言いあうようになってる気がするですよ。おばさん、最近そういう愚痴半分相談半分みたいな話を聞き過ぎなんでしょうか。
 昔の結婚のあり方がいいものばかりだとは思わないけど、悪いばっかりでもなかったんじゃないかと思う今日この頃。

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2010.01.09

私が読みたい二次創作

 ってこういうタイプだったんだなあ、と改めて思い知らされた。
 梶尾先生の「時の風に吹かれて」に収録された「鉄腕アトム メルモ因子の巻」なんである。
 これは以前、徳間のデュアル文庫で企画された手塚作品のトリビュート本に参加した作品で、他の参加作家の皆さんはそれぞれのアプローチで作品を仕上げてらっしゃる中、梶尾さんは敢えて原作のラインナップにはまるような、原作のワンエピソードっぽい話を書いた。そういう方針にしたのにはご本人なりの判断あってのことだろうけど、梶尾さん世代のあまりキャラ周りにべったりしない文体とアトムのころのマンガのさっぱりとした作風がよくマッチしていて、より原作っぽさが出ている。ゲストの女性ロボットの設定やキャラクタ、アトムの中性的な雰囲気も手塚作品っぽい気がする。(気がする、というのは、私があまり手塚のよい読者じゃないからだ)
 で、ネタはなかなかSF作家らしいもの。いや、アトムがそもそもSFマンガなんだけども。
 さすが手塚マンガ好きの梶尾さん。原作をちゃんと消化して自分のフィールドも盛り込んで、作品を仕上げてらっしゃる。<だから、プロになんという上から目線。

手塚治虫COVER エロス篇 (徳間デュアル文庫)
 元々収録のアンソロジー本。後からたまたまBOOK OFFでチェックした。

 実はわたくし、二次創作なるものを読み始めたとき、こういうタイプのものが主流だと思い込んでました。
 もう書かれることのない原作を、しかしもっと読みたいじゃないの。梶尾さんみたいなプロ作家のレベルの出来なんてのはむろん無理なんだけども、でも素人のファンならではの視点でだって結構いけるのが書けるはず。私はそういうのが読みたいなーと思ってて、だから一般にも同意見の人が多いんだろうと考えたのでした。バカだった。私はだいたいいつも、どこに行っても少数派だってのに。
 そもそもこー。801とか、そういうのが隆盛してる時点で、原作の間にはまってありそげなエピソード書こう派が大多数のはずがないわけで。
 あれからだいぶ経ちまして、私も現実の二次創作界の傾向というものをよくよくわかってはいるのだけども、今でもやっぱり夢を見てるのです。原作のこの世界観を消化して、贋作みたいな方向性の二次を書こうという人がもっともっと出てこないかなあ…って。
 原作では絶対なさげな、でもあればいいのに的な妄想を充足してこそ二次だってのは、もうほんとわかってんですけども。

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2010.01.08

「時の"風"に吹かれて」、読了

時の“風”に吹かれて (光文社文庫)

 いろんなアンソロジーに発表した短編を再度まとめた本。
 なので、一冊の本としてのまとまりはよくない。想定読者層もばらばらだし。奇妙な味の物語多目? なので、理屈っぽい背景がほしい向きには食い足りない作品が多いと思う。
 そういう意味では、ある程度梶尾さんの作品を読みつけた人の本とも言える。初心者はハヤカワあたりの作品のトーンのそろったアンソロジーから手にとっていただきたい。でなかったら、短編集としてまとまりのいい、梶尾さんの十八番でもあるタイムトラベルロマンスものの「クロノスジョウンターの伝説」とか。

クロノス・ジョウンターの伝説∞インフィニティ (ソノラマノベルス)

 しかし、しょっぱなが「時の風に吹かれて」なのはずるい。全編こういうトーンでいくのかと思っちゃうじゃないか。

 こういう書き方をするということは、実は一冊の本としてはあんまり評価が高くないってことなのね。梶尾さんの本なら、もっと読むべきいい本がたくさんあります。
 ただ、個人的には「鉄腕アトム メルモ因子の巻」が読めたのは収穫でした。これについては別項。

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2010.01.05

冬効率のいい身体

 年末から九州なりにぐっと冷え込み、気の迷いで買ったユニクロの子供用ダウンが大活躍しています。元々寒さには強い方なんで暖かさという点で問題はなく、薄手なところがむしろ満員の通勤電車には向いている。
 しかし、暖冬じゃなかったのかよ>今年。去年より寒い気がするが。長期予報ってほんとにむずかしいのだな。
 それにしても、この寒さの中改めて感じるのは、自分の身体の熱効率の良さ。布団に入ればそれほど立たないうちにつま先までちゃんと暖かくなるし、ちょっと厚着すれば体温がまるっと行き渡ります。手袋忘れて冷え冷えした手でも部屋に戻ればかーっと血が巡りだすし、ダウン着てがんがん歩けば職場に着くころにはうっすら汗をかくことすら。九州程度の寒さなら、耐えられんって気にはなりません。ヒートテックに欠片の魅力も感じないわたくし。
 九州程度って言っても、福岡は日本海側なんで東京とそんなに変わらないけども。(と以前住んでた感覚で思う)
 わたくし、貧血なのだが。血が足りないのと血の巡りは関係ないのか。
 そんなわけで、心の底から冬がつらいと思うことなく過ごしておりますが、こんだけ熱効率がいいというか発熱する身体だと、そりゃあ夏つらいよね。と、自分に納得。冬でもがんがん歩いたらそれなりにあったかくなるんだから、夏にちょっと歩いたら全身熱だるまです。もしかしたら、じっとしてても発熱です。ハンカチ二枚、下手すりゃ三枚欲しいくらい。太ってると汗をかきやすくなると言いますが、昔より体重増えたのは確かだけども「デブっ!」ってほどでは、まだないと思うんだがなあ…。<希望ですか?
 春先から初夏にかけては、気候的には大好きなんだけど、近々夏が来ると思うと全開でよろこべない…。
 夏も冬も快適ってわけには、人間いかんのだなあ。片方だけでも楽に過ごせるのをありがたく思わねば、なのだろう。<自分に言い聞かせ中。

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2009.12.29

納得いかないお悩み相談

 リビング新聞というフリーペーパーがある。全国で地域ごとに発行されているんで、別内容ながら「リビング○○」とか「シティリビング」とかってぺらっとしたフリペを読んだことがあるという女性は多いと思う。
 女性、というのは基本的に女性をターゲットにしたフリーペーパーだからで。福岡でもオフィス用とご家庭用と二種類出てて、私も職場でOLさん用、家に投函されてるので家庭用の両方を目にする。特に娯楽もののないオフィスで休憩時間に読む活字はそれなりに貴重だったりするんで。
 何分「フリー」なんで広告だらけなのは仕方ないし、飲食店のクーポンが役に立つこともあるから、細々したことは言うのもヤボなんだけど。それでも最近、目にするたびもにゃーっとした気分になるのが「カウンターにいらっしゃい」という悩み相談。中州のママさんが読者のお悩みに答えるというコーナーなんだけども、その悩みの解答がこー。読んで釈然としないのです。単に私の価値観と合わないだけなんだろうけども。
 先日もにゃーっとなったのが「ダンナが送ってきたデートのお誘いメールが明らかに自分宛でなかった。ジョークメールだと言い訳されたもののすっきりせず、思い切ってケータイを覗いたら浮気っぽい内容のメールを発見。だまって様子を見ているけれど、事態は進行しているようでちゃんと釘を刺した方がいいでしょうか?」みたいな相談。答えは「殿方にはそういう気持ちがあるもの。夫婦というのは長い人生片目をつむってやっていくものです。はっきりさせたところで、それで別れようとなったらどうしますか? そもそも彼の携帯を見たのが間違いだったのです」みたいなお返事に思わずはあ? 片目をつむるのは互いの欠点に対してで、浮気はどうなのよー。女好きも欠点といえばそうかもだけど。それに、ケータイだって闇雲に見たんじゃなくてウラがあるから見たんだし。紳介の言うとおり「ケータイの中には妻のしあわせはない」としても、こいつ浮気してるなーと思いながら平気な顔して一緒に暮らしていけるかというと、今時価値観としては無理じゃないですか。

 目にするたびにもにゃるのでなるべくスルーしていたお悩み相談、またもやウッカリ読んでしまったのがこれ。(解答のテイストを紹介したく、以下まるっと引用)

 「付き合っている人の、大阪への転勤の話が出ました。姉は東京で旦那さんの両親と同居。私も結婚を考えていますが、住み慣れた土地にいたいと言う母を残して、大阪に行くか悩んでいます。31歳」
「チャンスは逃したらいけませんよ。31歳、結婚の一番の別れ目、このままではオールドミスになるかもしれません。いろんな女性が『あの時、結婚していたら今頃は子どももいて、少しは楽しく過ごせたのに』…なんて言っている話をよく聞きます。それはあなたが悪い。人間は決心をする時には決めないといつもズルズルと人生を生きなければいけなくなるよ。
 子どもの産めない年になって『あの頃…』なんて言われても、その時私がそばにいたのなら「今よ」と背中を押せるけど、今となっては「人生は出会いだから知り合った時期が遅かったのね」と言うしかありません。あなただって、そうたくさん恋愛したとは思えません。初めてのプロポーズだとも思いませんが、今が年齢的に最後のチャンスだと思います。親は子どもの幸せを望んでいるはずです。
 相手の方の経済的なことはわかりませんが、二人で母親を説得してみてはいかがですか。それでも母親が断ったら、まだ一人で暮らしていける、と体に自信があるのだと思います。そうやってあなたが結婚して大阪に行き、本当に一人になった時に寂しくなったり、食事の用意すらすることができなくなったら住み慣れたところを離れたくないなんて言えなくなるでしょう。
 友人や近所の人が何かしてくれるわけがないんだからと悟ると、やはり娘のところに行こうと必ず思われるでしょう。あなたが親に対する心を鬼にして、何が何でも結婚することが第一だということです。
 親孝行なあなただから、気持ちに負けてここで結婚しなかったら、十年先にはオールドミス、お母さんは他界されたあと、一人で後悔しても誰も助けてくれませんよ。「さあ、早く」と肩を押してあげたいです。お願いだから」

 …オールドミスって久しぶりに聞いた。まだ死語じゃなかったのか。
 親御さんも心配でしょうけど、今はご自分の幸せを第一に考えましょう、という結論に対しては、特に異を唱えはしませんけども、読み終わると「なんかこー。びみょーにもやっと感が…」と思うのはなぜなんだろう。結論は同じでも、そこに至る価値観が昭和っぽいというか…。
 オフィス版は私より遥かに若い世代がメイン読者だと思うんだが、この解答に「そうよね!」と納得しているのだろうか。なぞ。

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2009.12.27

男なら見ろ

 今年ももう数日で終わりだそうで、何か振り返ることがあればいいけども、年半ばは暑さで終わりの方は貧血だかなんだかで不調を被って特に何もできないうちに過ぎたというていたらく。来年どうにかなるあてもないのが困ったとこだけど、とりあえず当面仕事があるだけでも今のご時世ありがたいことなのでがんばっていくしか。生産性については、そんなわけで様子見の日々です、すみません。
 いかんともしがたいヲタのはずだった私もすっかりTVのアニメを見ず、というか、そもそも民放をむちゃくちゃ見なくなり、つけてるTVのおそらく八割近くがNHKです。NHKけっ、という人はたぶんそもそもTV見てない人じゃないかと思われ。だって、それで他に民放の何を見るのかと思うくらいこー。予算削減のあおりなんだか、一部の良心的な番組と冴えたバラエティ以外はこれってものはないですよねえ…。<と、見てないやつが言うな。

 そんなわけで来年も引き続きNHKの回し者化していく所存のわたくしが年末に見て燃え燃えになったのがハイビジョン特集「出動 空飛ぶ消防士」。11月に「Wonder×Wonder」でやったものの長尺版と言いましょうか。シベリアのタイガで起こる森林火災の消火に挑む消防士さんたちの特集です。
 これがもー! ザ・男の仕事!!! って感じで見てて燃えるし頭が下がる。
 森林火災は昔からあったものの、温暖化の影響か最近は全世界で発生件数が増え気味。夏のシベリアでは乾燥のために積乱雲の雨は地上に届かず、雷だけが森に落ちる「ドライライトニング」が多発して、これが森林火災を引き起こす。放っておけば莫大な面積が焼け野原になり、近隣の集落の暮らしに被害が及ぶ(延焼に巻き込まれるというだけでなく、森からの収穫が得られなくなる)。地球に酸素を供給する貴重な森林が失われることにも繋がり、これを鎮火するための消防隊がロシア各地に配置されているんだそう。
 初期消火に向かうチームは五人編成で、道路もなくヘリの着地スペースも確保できないことが多い場所だけに隊員たちはパラシュート降下で現場に向かう。わずかな平地は夏場にできた沼などのケースもあり、ぬかるみの中に着地して泥だらけになることも。大量の水や消火剤を運ぶのは不可能な火災現場での彼らの武器はチェンソーやスコップ。風向きや木々の生え具合から延焼の方向を見極め、地面に幅30cmの溝を掘っていく。初期消火であればこれで規模の拡大が防げるんだそう。でも、たった五人でひたすら溝を掘り続けるんですよ…。完全鎮火を見届けるまで仕事は続くので、いったん出動したら十日近く森の中で暮らすことも少なくなく、水を探し池で身体を洗い缶詰と乾燥食材などで食事を作る生活はなんだかサバイバル。
 しかも火災は増える一方で、一カ所の初期消火にめどが立ったとたんにまた別の現場に飛ばされることも多々。もちろん初期消火では間に合わないこともある。乾燥したタイガでは積もった落ち葉が腐って堆肥になりきれず、落ち葉の層になっていることもあり、ここと木の根を伝って火が地面を這い進んでいく。これもひたすら地面を掘り、見つけたわき水で一つ一つ鎮火。途方もなく気の長い肉体労働が続く。だから、出動の無い日には身体作りが欠かせません。
 ソ連時代はそれなりに厚遇で装備も賃金も仕事に見合っていたようだけど、ソ連崩壊後は予算の削減が続き、ヘリも機材も老朽化が進み、薄給に耐えかねて職場を去る人が増えたとのこと。でも、現場に残った人々は過酷な仕事にやり甲斐を見つけて、日々出動して行くのです。
 取材した部隊の無線係は精鋭パラシュート部隊隊長の奥さん。夫は隊配属間もない隊員時代に着地に失敗して大ケガをし、一年近くも病院で過ごしたことがあるのだとか。出動の多い夏の三ヶ月は家にもほとんど帰らないため、2人の子どもと家を守る。危険な仕事だし、本当は早く辞めてほしいと思うけれど、とおっしゃっていたけど、隊長の働きぶりからしてそれは叶わぬ望みのような…。

 とにかく「男ならこれを見て燃えろ!」と言いたくなる、すごい番組です。再放送を見かけたらぜひ。地上波のみの方は「Wonder×Wonder」版でも。
 ちなみに長い仕事から帰ってきた隊長と奥さんは固く抱擁。最後に垣間見えた夫婦のらぶらぶぶりも、過酷な仕事に立ち向かう夫への信頼と尊敬の成せる技でしょう(笑)。

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2009.12.25

みんな違ってみんないい

 子どもの頃からケーキ好き。
 小学生のときに台所に立つ気になったのは、ひたすらホットケーキが食べたいからでした。(ホットケーキが「ケーキ」かを追求しないように)
 おかんが作ってくれるのを待っていたら、次がいつかがわからない! だったら自分で作ればいいのだ、というのが私の発想。それをきっかけにクッキーだ、シュークリームだ、なんだかんだとお菓子を作るようになり、しかしスポンジケーキだけはことごとく負けの出来が続き、15cm型のへしゃげたスポンジを泣く泣く一人で食べたこと数えきれず。子どもが泡立て器で共立ての卵のちょうどいい頃合いを判断するのはむずかしいのであった。
 スポンジケーキだけはその後も全く上達することなく、今日に至るまでも鬼門なのである。
 それにしても、食い意地は料理に対する何よりの推進力であるな。

 ケーキブッフェと聞けば駆けつけてとりあえず味見、がポリシーであったのは、しかし、今は昔。ここのところすっかり食の量が落ち、それとともにケーキに対する貪欲さが急激に薄れて自分でも愕然としています。なんか、生きてる実感が失われていく感じ。老いをしみじみ実感する瞬間です。こんなの私じゃない! とすら思う。思うけれど、身体がついていかないのであった。こうして老後の楽しみが失われていく…。
 何より腹が立つのは、昔ほど食べられなくなってるってのに、それでもやせないどころか太ることだね!(笑)

 ケーキが好きと言っても、私の場合パティシェなる人が作ってるようなちゃんとしたケーキじゃなきゃイヤ! というわけではありません。むしろ凝りまくったケーキよりは素朴系が好みだったり。そして、いわゆるパン屋のケーキでも、あれはあれで好きだったりします。カップケーキに投げやりにデコレーションされた、生クリームではない謎のクリームが使われてるようなのも、それはそれでおっけーです。
 それらはみんなカテゴリが違うケーキなので。デパ地下に入ってる一個400円以上のケーキが目白押し系と二個入りで400円くらいのスーパーで売ってるケーキは、あれは別物としてそれぞれ存在してていただきたい。
 みんな違って、みんないい。勝負の舞台が違うんです。
 でも、最近のケーキはどのカテゴリもレベルが上がってるけども。コンビニのケーキでもそこそこおいしいし。

 なんてことを思ったのは、別にクリスマスだからではなく、職場でとってるお弁当にデサートのケーキがついてきたからなんですね。(クリスマスだから、だけども)これがまた、今時の「甘くなくておいしい」を真逆で行くようなやつで。食べた瞬間、子どもの頃に地域の子供会でもらったカップケーキになげやりデコレーション系の味がしました。ノスタルジックな駄菓子っぽいケーキ。昔々よくあった、バタークリームの白いケーキ、表面がロウみたいな固いナニカでコーティングされていたアレの味です。(ネットで調べたら、昔のバタークリームケーキは、実はショートニングやマーガリンが代用されたクリームでできていたらしい。なので、本当のバタークリームは「あんな味じゃない!」そうです)
「うん、これはこれで、存在に見合ったおいしさである」なんて思っていた矢先、若い同僚が「これはひどいですね…」と苦笑い。なんと彼女はバタークリームのケーキを食べたことがなく、甘さといいべたっと科学的な食感のクリームといい、受けつけないおいしくなさなんだと言う。
 いや、これはこれでこういうものなんでしてね…。
 ってゆーか、バタクリのケーキを知りませんか、あなたは!<驚愕。<大げさとお思いでしょうが、私的にはかなり本気で。
 おばさんはまた、新たなジェネレーションギャップを噛みしめてしまいましたよ…。

 ふと懐かしくなって、あの固いコーティングの量産型白いバターケーキがないものかネットで検索してみましたが、おいしい「本物の」バターケーキしか見つからず、子ども心にも舌触りがちょっと悲しかったロウみたいな食感のケーキは今やすっかり絶滅の気配です。懐かしさのあまり似たようなものを買って帰ったら、子どもにまずーいとしかめっ面をされたというパパの日記など見つかってみたり。
 ホールケーキといえば、基本は生クリームのデコレーション。いつの間にか日本は豊かになったのだった。(今は岐路にあるにせよ)

 おばさんは悲しかったので、件の同僚に「タヌキのケーキって知ってる?」と尋ねたところ、やっぱりこれも知りませんでした…。
 タヌキのケーキ、街の小さなケーキ屋さんによく売られていたものだが。今は使われているクリームも「本物」なんだろうな。

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2009.12.24

ミーハー再び

 サザンメイドってミスドのリッチドーナツとどう違うの? などと暴言を吐いた以上、確かめなければならないでしょう!
 と自分に言い訳し、仕事帰りにミスドへ。考えてみるまでもなくクリスマスイブの夜にドーナツ買って他に何もなしというのもなんとなく物悲しいですが、ドーナツ買わなくても何もないからいいのだ。
 比較用に買うので、リッチドーナツのハニーデッィプとチョコエンゼルをセレクト。当然のように割引クーポンを持っていきまして、二つで200円です。チョコエンゼルは普段の100円セールの対象外になることが多いので、安く買うにはクーポンが無難。
 こないだと同じようにブラックのコーヒーを準備して、一口ぱくり。
 おおおお、さすが日本初上陸を謳うだけはあるぞ>サザンメイドドーナツ。
 ミスドのハニーディップは生地が重くて油っぽい。よく言えばどっしり。一個食べた後の充実感たっぷり。悪く言うと、続けて二個は食べられない(^^;)。蜂蜜のせいか、甘みもはっきりしたくせがある。サザンメイドドーナツのあっさりした食べ口とは明らかに違います。
 チョコエンゼルは、別に似たものがサザンメイドにあるとかではなく、単に食べたくて買った(爆)。こちらは最近流行りの「あんまり甘くなくておいしい」系の味で、生地も油っぽさが遠いです。チョコもぎっとりとした甘さがない。二個食べろと言われたらハニーディップよりもチョコエンゼルかなあ…。

 というわけで、私の舌を信じていただけるなら味的にはサザンメイドドーナツの勝ちです。
 ただ、サザンメイドは予想通りクリスピークリームと同価格帯、つまりプレーンドーナツが160円なのでした。ハニーディップの約1.5倍のお値段なので、そりゃそのくらいおいしくないとなんとなく納得できない。関東より物価の安い九州ですから、関東価格で勝負するのは味だけでは結構厳しいかと。特に出店した場所が天神に比べるとぐっと庶民の街だからなあ…。「100円セール中だし、無理しないでミスドにしとこっ」てことにならないかしら。
 てゆーか、あの場所、私が初めて見た閉店したスタバのあったとこなのよね…。
 先行きにやや不安を感じるので、目新しいうちに人様へのお土産などに活用しつつ味見していこうっと。

 さて、ドーナツ二個、合わせて400kカロリーを食べたからには、どっかり重い夕食はなんだかね、と思い、焼き魚とみそ汁ともやしと茸のソテーを作りました。しみじみとクリスマスイブと遠い食卓だのう…。

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2009.12.22

あきたなあ

 その人は20代後半。ちょっときつめの顔立ちながら、たぶん誰もが美人にカテゴライズすると思う。グラマーではないけどスレンダーで、かわいい服もかっこいい系の服もほどよく着こなします。そして、見た目に反して気さく。ざっくばらんな物言いも取っつきやすさを感じさせます。
 何より既婚(笑)。転勤族ながら固めの職に就くダンナは、ツーショットの写真を見た誰もが「かっこいーじゃん」「美男美女のカップルよねー」と言います。ってことは、世間的には婚活女子がうらやむいわゆる勝ち組。人生には憂うことはない、ってのは人間である以上無理だけど、日々そこそこ安定した気持ちで過ごしていけるはずの人。
 その彼女とたまたま帰宅時間が同じで、職場の出口で一緒になったときのこと。彼女は何気なくこう言ったのです。
「あー、あきたなあ」
 何に飽きたのか、実はすぐにわかってしまいました。その人は重々しく言うと、生きることってゆーか人生に飽きたと言ってたんです。
 女子ロッカーでの会話でそれを感じさせることをちょこちょこ口にしてはいました。「特にこれってやることないんだよねー」「ダンナに何が楽しくて生きてるの? って言われちゃってさ。確かに何もないなと思って。でも、それってお互いさまっていうか」
 別に、だから死んじゃいたいとか、毎日がつらいとか、そんなことはない。日々はそれなりのちょっとした楽しみとともに過ぎてはいるんだと思います。でも、たぶんこっぱずかしい言い方をするとはっきりとした生き甲斐、みたいなものがないんだろうな、と。
 これがあるから人生楽しいよね、っていう趣味がないのかもなあ…。
 いや、私も人様に胸張って言える趣味とかないけどさ。とりあえず老後に読まなきゃならない本とか、見逃したままになってる映画とか、ぼんやりしに行きたい場所とかいろいろあるんだよ。ささやかだけども。

 「年取るとどんどん時間過ぎるの早くなるから。20代より30代はびっくりするほど早く過ぎるから」と彼女に言ったら、「そうですねー、小学生のときとか今考えると六年間ものすごく長かったですしねー」と笑ってました。「あきたなあ」は別に思い詰めてではなくなんとなく言った言葉で、深刻さは欠片もない。
 でも、何気なく人生に飽きることができるってなんだかすごいなあと思いました。<物欲にあふれる命根性の汚い世代のわたくし。

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