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2004.02.05

どうにもこうにも救いがない

 ドキュメンタリースキーと言ってもなんでもかんでも見るわけではなく、あんまり気分がどんよりするものや現実のつらさをむりやり直視させられるようなのは遠慮気味。特に平日は。ただでも体力がでんでろな明日も仕事ですよって日に、精神的な重さまで背負い込む気にはなれんのです。
 だから、なんでこんな番組を見ちゃったのか、自分でもわかりませんのです。昨日までの放送ですが。NHK−BSでやってた「スターリングラード攻防戦・60年目の証言」。最初の一回は避けて通ったのに、二回目三回目はつい見てしまった…。
 私は第二次世界大戦史は詳しくないけど、スターリングラードの戦闘が筆舌に尽くしがたいほど悲惨なものだったと聞いたことはある。だから、ひどさは覚悟してたつもりだったけど。全然甘かったです。
 帰らなかったドイツ軍人の妻、奇跡的に生還したドイツ軍人、スターリングラード市民、旧ソ連兵、戦いに関わった人々のインタビューに、当時のフィルム。半世紀以上経っても泣く人、口篭もる人、言葉を見つけられない人、攻められた方はあえて当時の辛らつな憎しみを語ることもある。悲惨を極める戦場の状況。飛行機と戦車とミサイルの火花。白黒のフィルムの固まりのような木々と雪原。痩せこけ傷ついた死体が折り重なって山になる。降伏した後も、疲れきった体で収容所まで延々と歩くドイツ兵。ソ連人も戦禍であらゆる物資が足りず、まず自分たちが生き残ることを考えなければならない。
 30万を越えるドイツ兵が、降伏時には10万人に。寒さと飢え、蔓延する疫病でさらに死者は増え、戦後無事に帰国したのはわずか六千人。ヒトラーの戦況把握の甘さと前線将校のプライドや上部組織に対する恐怖の、これが結果。ソ連にも、軍人・民間人双方にたくさんの死者が出ている。
 当時の事情を知らない私が「なんでこんなばかなことを」と言うのはたやすい。でも、きっとその場にいたら、流されるだけの一般市民でしかいられなかっただろう。
 何度繰り返したら、こんな出来事が止むのかなあ。一人ひとりまでがひどい人ってわけじゃないのに。後からみんな、「どうしてあんなことを」って後悔してるのに。もう何百年も何千年も、同じ失敗をしてるのに。
 モノクロだから見続けられた番組です。あれがカラーだったら、生々しすぎて耐えられない。

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