一番納得。かも
まだ読んでます>森博嗣。「詩的私的ジャック」、読了。
私的にはこの話がミステリとして一番納得できたかもなあ。犯人の動機も腑に落ちたし。密室トリック三つ連打で豪華です。
ミステリとしては、謎解きとは全く関係ない、やたら探偵サイドの心的状況に言及するシーンが多いですが(笑)。(犀川先生の中国出張絡みのシークェンスとか)
後、書き手がヒロインを個人的に「このキャラはいい!」と思ってないことがわかって安心しました。クラスメートが浮いてる、とか、変わってるとか思ってるというくだりがあるので。
最近のアニメに時々いるんですが「こんな人が身近にいたらメーワク」としか思えないような、電波系というかイタい系というか、不思議ちゃんな女の子が出てきて、しかも作り手側が「この子ってカワイイでしょう!!!」と信じきってる、どころか、主張しまくってることがあります。(と、私は思います)そういうのを感知すると、私は「ああ、この人(作り手)とは価値観が合わないわ」と見る気が限りなく低になってお別れしてしまいます。作り手が「こういうことを言ったりやったりする子ってかわいい!」と信じてる以上、そのキャラはずっとそういう言動のままのはずだし、それを見て「なんでこんなこと、言ったりやったりできるの!しーんじられない!」と思いながら番組を見るのって苦痛じゃないですか。
書き手が「こういうキャラが人格的に『いい』とは思ってはいないが、作品の構成パーツとしていてもらわないと困る」と判断して書いてるなら、それはそれで読めるのです。わたくし。
犀川せんせはなかなか魅力的なんだけどねえ。人死にを惚れた男と対等に渡り合える手段として(無意識ながら)利用するって感覚、しかも現場を結構引っ掻き回しといてそれに気がつくと「殺人事件なんかどうでもよくなっていた」などと考える人にはとても親近感を感じようがないです。(まー、スーパーお嬢様に親近感を感じるには、私はあまりに地べたを這う庶民過ぎですけども)
後一冊でシリーズ前期は終わるらしいんですが。シリーズ通した仕掛けがあるそうなんですが。気になるけど、どうしようかなあ。
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