« 久しぶりにがんばってみました | Main | 調子わりー »

2004.05.16

「ラストサムライ」、見ました

 発売前日に相方がレンタルビデオで確保してきた「ラストサムライ」を見ました。
 去年の始め頃、劇場で予告を見たときは「はー?トム・クルーズでサムライーー?」と、またもやおかしさ満載の日本が出てくる映画と覚悟を固めてたんですが、ごっつマトモな出来だったんですね。公開のとき知ってたんですが、結局劇場までは行きませんでした。そういう吸引力をイマイチ感じなかったので。<じゃあ、「キャシャーン」や「APPLE SEED」には感じたのかよ。<いや、それはほれ、ヲの血というもので。
 以下、ネタ割りまくりなのでどうぞよろしく。
 なんとなく予想してたとおり、大筋は「ダンス・ウィズ・ウルブス」の同工異曲みたいな話なんですが、舞台が自分の国だと受け取り方が変わるもんですね。まず、出てくる日本がマトモなだけでもがーんと評価が上がります。(「ダンス・ウィズ・ウルブス」を見たスー族の方々はどう感じられたんでしょうか?)比較的近作の「パール・ハーバー」の謎の国っぷりに悶絶した後だと、南方系の植生の中に鎧武者が現れようと、丸い田んぼに田植えしてようと、そんなのは瑣末なことです。(なんで軍が作戦会議をしてる周囲をふんどし姿の男たちが取り巻いてるんだか「?」。ほんとに時代考証してんのか?>「パール・ハーバー」)私も時代考証をうんぬん言えるほど明治時代に詳しいわけもなく、着物の正しい着方すらおぼつかない人ですが、そういう知識レベルであれば納得できる日本の村のたたずまいや日本人のありようでした。家の中にヘンテコな掛け軸とか下がってないし。いよいよ別れのときか?って晩に、未亡人が主役といきなりベッドインとかしないし。細かいことを言い出すと切りがないだろうけど、私には「映画ってことで一つ」と目をつぶれる範囲です。
 歴史の流れの中で失われていく古きよきものに異国や異文化に属するものが心引かれて、本来立つはずもない戦場に立つ、という物語は、万国共通に気持ち引っ張られるんでしょうか。渡辺謙の演じる勝元さんは、もう始めっからサムライ魂に殉じて死んでいくしかないのがありありです。わかってますがな、と思いつつ、クライマックスで死に戦に馬を走らせるシーンは泣けてくるし、勝元の形見の刀をオールグレンさんが天皇に献上するくだりも滂沱の涙です。日本で作った映画でこのシーンの天皇が言うセリフを言わせると、何かと角が立ちそうなんだけど、なにせ外国の映画だからスルーで素直に聞けたり。
 普段時代劇に対して(他の人はわからないけど)、無意識の中で「私たちは今の生活を得るために、歴史の中で実態のあるもの・ないものを問わず、なくしてはいけないものをなくしてきたはずだ」みたいな思い込みのもとに見てるとこがありまして、ドラマや小説にその確認を仮託してるんだと思う瞬間が私にはあります。「ラストサムライ」は、そういう意味では国産時代劇と同じような感覚で見られた映画でした。
「ダンス・ウィズ・ウルブス」でも「ラストサムライ」でも触れているんで、アメリカ人にとって南北戦争とベトナム戦争は国家としての心の傷なんだなあと思いました。
 最後にオールグレンさんが生きてたのには、正直びっくらしたけど。あの通訳の太ったおっちゃんが回想として語ってる話だと思ったのよ。日記も受け取ってたしさ。

 しかし「失われゆく武士道、美しきかな」みたいな「ラストサムライ」と、「侍なんて不条理な宮仕え」感のある「たそがれ清兵衛」byごんす真田が、ジャンル違えど同じ回のアカデミーにノミネートされてるのも、日本人的には不思議な気がしますね。見てるときはどっちにも「そうそう」なんて思ってる自分の玉虫っぷりが情けないです。

|

« 久しぶりにがんばってみました | Main | 調子わりー »

「映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7367/613760

Listed below are links to weblogs that reference 「ラストサムライ」、見ました:

« 久しぶりにがんばってみました | Main | 調子わりー »