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2004.05.28

きっとありふれてるんだろうけど

 夜中にBSハイビジョンで「王立宇宙軍」をやってるのを見る。
 ビデオとかLDとか持ってて、もう何度見たかわからんくらいなのに、「今日BSで『オネアミス』あるよ」と言うと、相方が勝手にチャンネルを合わせてしまってるのだった。
 今見ても気が狂ったような画面密度だのう。美術や小道具の設定と作りこみの細かさ。若くて時間と体力だけはあったお年頃のなせる技。動画のハイレベルなこと。(改めてスタッフロールを見てびっくり)
 話は、物語というものにたくさん触れてる人には目新しさも何もない、いわゆる青春ものだと思う。望んだことをやるにはフツーの能力しかなく、しょーがねえやと選んだ就職先(?)はぱっとせず、流されるままに日々をだらっと過ごしていた青年が、ちょっとしたきっかけでうっかり奮起して、やる気になったとたんに世界が回り始めて、いつの間にか仲間たちのトップを走り抜けていたというビルドゥンス・ロマン。主人公シロツグのやる気のなさっぷりと、本気であることを知られることへのテレみたいなものがすごくリアル。
 ええっと。ベタだと思いますが好きですわ。私どもの青春期の思考がここに残ってるって気がします。自己愛っぽくていやんですか。アポロ世代の尻尾にぶら下がるものとしては、ロケット打ち上げにかける情熱ってものにもめっちゃ惹かれます。
 昔、宮崎駿が、軍部に打ち上げ基地の撤収を指示されてロケット開発に人生をかけてきた将軍があっさりと基地の放棄を飲み、それをシロツグが説得するというシークエンスを、「逆だろう。今まで人生の全てをささげてきたものを、簡単にあきらめるはずがない。おっさん世代はもっとしぶとい」みたいな評をしてたんだけど。(うろ覚えですまん)そんな物語を、若くしてなんで作らなあかんの。若い世代が体力と知力に無理を重ねて作ったんだから、自分たちが主役の話でええやないの。話の組み立てとして真っ当なものは、年食って人間練れてから作ればええやん。
 なんちゅーか、すげー静かな映画です。(サウンドは普通についてるのですが)私の頭の中では、これを見ると真空で作業する宇宙飛行士の「はー、はー」という呼吸音だけが聞こえてきます。(そんな音は本編では出てこないのに)
 見た当時、私はリイクニがそんなに嫌いじゃなかったです。ようわからん娘だとは思ったけど。世間はそんなものじゃないとうすうす気づいていながら、それでも意固地にしがみつくものがないと彼女はやっていけなかったのでしょう。それは思春期の私にもあった、なぜ正かつ清なるものがすんなりと世に認められないのか、踏みにじられるのか、それどころかバカにされるのか、といういらだちと絶望めいたものと同質な気もしたり。今は昔の、私が私なりにかわいらしかったころのお話ですけども。
 とかまあ、今回もいろんなことを思い出しつつ見たのでした。
 相方が「あ、このSEが違う、この音もなんだか安っぽいなあ」と隣りで文句垂れてるのがナニでした。DVD化のときに音の差し替えをしてるらしいんです。終わってから、LD取り出して確認してるのがなんともアレ。

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