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2004.10.17

お客様は神様。なんだろうか

 ある方のご好意で、さるマンガ家さんがファンに描いてあげた走り書きのイラストを見せていただきました。(あいまいすぎる表現ですいませんが、明らかにすると角が立ちそうなので。とゆーか、以下に書くことが既に角立ちまくりな感じ)ほんとに走り書きなんですが、その方らしい描線で「ええもん見せてもらったな」と思いました。こういうものを描きたいのだろうな、という書き手の愛情を感じました。
 でも、そのイラスト的な作品を、さるマンガ家さんは描いてません。なんでかというと、一部のファンの方の不評を買いそうだからというのです。SF畑と縁が深かった頃、作家の先生方のところに「はあ?」と常識を疑うようなドリーミーな、あるいは脅迫寸前のようなファンレターが届く話を直接伺ったことがあり、大半の良識的なお手紙よりもごく一部のそれらが、受け取った側にとって精神的にかなりの負担になるのだとも聞きました。こんなとこで引き合いに出すのもどうよ?ですが、自分でサイトをやってると辺境のアレなサイトでもいろいろと感想をいただく機会もあり、極稀ながらマイナスの感情で書かれたものを受け取ることもあり、その時のぐったり感・ヘコみ感を考えれば、プロならではの試練かもしれませんが相当きついのだろうなあと思うのです。プロの方のところに届く変わったファンレター(?)は、凡人の想像の域を越えていたりしますから。
 ですから、そのマンガ家さんがファンの反応を鑑みて、そういうテーマの作品を描かない、その配慮はわからないでもありません。それは一部の方の反発を恐れただけではなく、全てのファンを大事にする気持ちからの行動でしょうから。
 でも、そのイラストの豊かな表現を思うと、描かれないことが惜しくてしょうがない。その人の、その人しか書き得ない感覚で、このテーマはどう料理されるのだろう。この世にどれほどたくさんのマンガ家が居ても、似たテーマを扱った作品がどれだけあっても、その人の作品はその人でなければ描けない、出せない味わいというものがある。他の誰も代わりの作品なんか描けやしないのです。
 正直、「こういう作品は描かないでほしい」とそのマンガ家さんに言った人たちが恨めしくなりました。私たちはもしかしたら、とても豊かな作品を読む機会を奪われているのかもしれません。

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