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2004.11.05

「千年女優」、見ました。

 得意のNHKBShiでやってくれました。
 わー、音楽が平沢進!べったり平沢進!他の誰でもない曲ばっかです。なつかしい。(「ベルセルク」見てないもんで)ひさしぶりに、また聞きたくなりました。
 じゃなくて。
 これって、テーマ的には実写でも全然かまわない話だけど、アニメだから楽しく見られる作りになってる、アニメでなくてもというか、アニメだからこそというか、不思議な魅力のある映画です。ハリウッドなら実写+特撮でそれらしく撮ったかもしれないけど、日本じゃ制作費的に無理でしょう。
 話は要約するとめっちゃ陳腐。ストーリーを見る映画じゃない。ってゆーか、話陳腐でも物は見せようなんだ、映画って、という映像・演出・構成の力技を思い知る作品。だから、読み込みをしたい人にはつまんないかもと思う。勢いに乗ってばかばかしさや切なさを駆け抜けながら見るのが楽しい。90分という尺もこの内容にはちょうどいい感じ。

 「千年女優」を見ながら、私はずっと思い出していた別の映画がありました。それは「時をかける少女」by原田知世。「タイムトラベラー」でも他の人が演じた「時をかける少女」でもなく、大林宣彦監督のあの映画です。
 「千年女優」って、「時をかける少女」だよね。いや、ベタな意味じゃなく物語の構造というか、見終わって残るコアな部分が私にとって同じ手触りだったんです。
 往年の名女優、藤原千代子は、少女のときに会った画家の青年と再会することを夢見て映画の世界を駆ける。芳山和子は循環する時から開放されるための旅の途中で深町一夫に出会う。そして、記憶を失っても二度と会えなくても、彼を追うと決める。
 彼女たちの隣りには、ひっそりと彼女たちのしあわせのために手をつくす不器用な男がいる。彼女たちはその存在に気づくことはない。気づいても省みない。自分が見つめた恋だけをまっすぐに追って行く。
 わーん、ごろちゃんの心遣いに気づいてやれよ、芳山和子!彼のお醤油の匂いがするハンカチの暖かさがいかにありがたいか、わかってやれ!
 と、私は「時をかける少女」を見ながら歯軋りした。「千年女優」では立花源也が藤原千代子の影にいつもいる。「姫、ここは私に任せて殿の下へ」なんて言ってる場合ですか!千代子もまた、「私ったら命の恩人のことを忘れているなんて」と無邪気に微笑む。
 大林宣彦はロマンチストだから、最後に成長した芳山和子がそれと知らず深町一夫とすれ違う未来を用意した。今敏監督はリアリストなんだろう、死に赴く千代子はご無体にも少女の真実を口にする。
 女の子は本当に純粋なロマンチストです。自分の構築したロマンに酔い痴れながら殉じていく。

 しかし、たった一度言葉を交わしただけの鍵の君を追い続ける千代子の恋は、あの当時の少女小説なんかを見れば問題なくリアルなんだけど、↓みたいなマンガに胸をときめかせている娘さんたちにはどうなんだろうかと。信じられなーい、でしょうか?

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