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2005.01.14

今週の流刑地

 三連休!明けてのらくら出勤したら、「愛の流刑地」が三日分溜まってました。ああ、そうだったわ。すっかり忘れてたわ、ガックリ。しかも何がイイのかさっぱりわからないえろシーンが延々継続中。考えてみれば、せっかく休み明けからサービスシーンに突入したのにすぐ三連休で、家族のいる場所では続きを読みにくくて悶々としてたおじさま方もおられたことでしょう。…もっとマシなえろが、この世には他にたくさんある気がするが。
(以下、本編のあらすじは当方にはございませんので、よその優秀なまとめblogなどをご参照くださいませ)

 そんなこんなでやる気なくスタートした今週の流刑地。きくぢは相変わらずやる気満々です。(そういえば、昔スポーツ新聞にそんなタイトルのマンガが連載してたような)なんたって七日のうち五日はそのシーンです。てーか、先週すでに突入済でしたから、実質九日間はソレだけです。一ヶ月は約30日。9/30回がソレ、しかも月は始まったばかり。予断を許さないというか事態は進行中というか。今後の割合変化に注目が集まります。
 私的にはもうええって感じですが。
 だってさー。たいくつだもん、きくぢのウンチク。前回「呼ぶなら味わい深く(?)『ふゆか』とひらがなで呼びたい」とか、真っ最中にわけわかんないコダワリを見せたきくぢが、今回まぢで二回もひらがな呼びしてるのにも萎えー。渡辺センセに鼻で笑われそうなくらい経験値低の私だけど、「なんで冬香はこの程度の技で燃え燃えになってしまうのだろうか?」と不思議でなりません。むしろもちょっと手間暇をかけろよ、と憤然としてきます。
 この話は、渡辺せんせの大好きな(と言っても、わたくし、「化身」と「失楽園」くらいしか知らんのだが)「経験値の高い男性が経験値の低い女性を導いて、性の奥深さを教える」というやつなんでしょうが、それにしちゃー、冬香はあんまり経験値が低く見えません。合体前にあの程度の手数しか費やさないで、慣れてない女性をその気にさせられると思ってるきくぢもきくぢですが、実際そうなってる冬香は
 1.俗に言う感度のいい身体の持ち主
 2.すでにイロンナ人と深い体験済みできくぢに導かれるまでもない
 3.策士できくぢを翻弄中
のどれかではないかと。1か2だったらキャラ立てがテーマに合致してませんし、3だったら話のテーマが変わってしまいますが、私には第四の可能性がさっぱり見い出せません。いっそ3で新境地を開くのもよろしいのでは?これから謎の冬香の夫が三人の子どもを切り札にきくぢに強請たかりの数々、しかし冬香は巧みにきくぢをたぶらかし、リスクを負っているのはわかっていても別れられないきくぢ。という展開なら、ありがちながらなるほどね、です。
 もっとも、恐喝のカモにするにはあまりにビンボなきくぢです。今回もまたまた、ことの最中に「せっかくホテルをとってまで京都に来たんだから、さくっと終わっちゃもったいない」とか考え出して、あんたねー、甲斐性もないのに不倫とかすんなよ!と飽ききったツッコミをしなければなりません。これが読者層を意識してきくぢに与えられたリアリティというなら、冬香にも人格的肉付けが欲しいところです。こちらも最中にふと、「ああ、そういえばマヨネーズ切れてたから帰りに買っとかないと」と考えたり、「今日キャンセルしたトールペイント教室、いつに振り替えようかしら」と思案したり、って描写を入れるのはどうでしょうか?きくぢの優越感のために、冬香は忘我の境地でないとだめですか、そうですか。
 数回おきにちょっとだけ正気に返る渡辺せんせ、今回はめずらしくきくぢが「二人一緒でないとむなしい」と初めて(初めてですよ、どーゆー男だ。こいつは!)思ったり、高まる二人をオーケストラとピアノにたとえる格調を見せたりと、終盤になって描写が工夫されてますが、今さらそんなことをされてもねえ。身体はともかく感情が通い合っているとは思えない二人が、拍手喝采浴びるような何をやり遂げたというのか。頼むから、心も「しかと」密着したり寄り添ったりしてると読者を納得させてくださいよ、よくある「たとえ」をやる暇があったら。
 しかし、「ホテルまでとって」がんばったきくぢには、心を「しかと」通わせるお金と時間に回す余裕がありません。すでに延長料金のメータが頭の中で回り始めてます。こっちはそれ読んで、払えよ、そのくらい!とまたもや決まり切ったツッコミを。
 そう、最早ツッコミすらもマンネリと化してきたこの連載。付き合うのもしんどくなってきました。絡みのシーンの出来不出来は私には判断できないんですが、それ以外の場面にははっきり言って読むべきものがなんもない。二人の身辺に新展開があるとか、深い心理的葛藤があるとか、そういうのが全然ないしさー。きくぢは一応由紀ちゃんと別れるってイベントが発生したけど、それも特に波風も深みもなかったしねえ。これならギャルゲのシナリオの方が何倍も凝ってるんじゃないでしょうか。あり得ない感もさして変わらない気がするし。
 ああ、これ、きっと、きくぢの盆の窪に穴が空いてて、電脳世界にジャックイン!煩わしい日常とは縁を切り、好みの女とめんどうな段取りなしでエエトコ取りして回る中年の欲望ワールド体験記なんだ。こんなお寒い世界を追体験することに何の意味があるのかわかんないけど。
 ことが終わってしまうとセンセの筆は一気に情熱ダウン。「何か飲む?」「じゃあ水でも」って冷蔵庫のペットボトルを出す、二人の会話の無味乾燥さと言ったら。投げやり度100%です。で、次はいつ会う、会いたいんだって(もとい、渡辺世界では「逢いたい」でした)、他に言うことないのかよ…。子どもの休み明けまできくぢに逢うのは難しいと冬香が言えば、じゃあ休みに入る前にまた来るとやる気出しまくりのきくぢ。自分から「来る」言うてるんだから、もうホテル代が、とか、延長料金がとか愚痴るなよ、と内心ツッコミ入れてると、なんと冬香が子どもを連れての帰省中に「子どもを親に預けて」きくぢに会いに東京に出てくると申し出る。
 な。なぜそこまでする>冬香。こいつ、えっちを早めに切り上げてせめてお茶でも、という気遣いすらない男ですぞ。これが実存する女なら全く持って理解不能ですが、きくぢのご都合バーチャルワールドに住む想像の産物となればさもありなん。
 これで次回、冬香がいかな「秘策」(とセンセが書いてる)をもって親元を抜け出てくるかというスリルで読者の興味を引っ張る算段でしょうか。どーせ苦もなく逢いそうだが。

 このように男性側の欲望あふれる性愛小説をお書きの渡辺先生が、「失楽園」で高額納税者になった折のコメントを発見。
 「いろんな女性との様々な体験から作」ってるんだそうですよ!いったいどういう女性たちがせんせを増長させ、もとい、誤った認識に導いたのか。「愛の流刑地」の品質に果たした責任は大きいと思われ。
 わたくしとしては、男性の赤裸々な本能を知るなら、先生の御本より「正しい保険体育」byみうらじゅんの方が勉強になる気がしてなりません。

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