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2005.02.20

話したい人たち

 果てしない迷走を続ける「愛の流刑地」です。このグダグダっぷりは当初から予想されていたものの、ここまでひどいとは。筋立て、キャラ造形、文章、すべてが素人目にもダメすぎて痛々しい。じさまの妄想花盛り。その上恐ろしく時代錯誤な女性観が炸裂してて、もはや社会悪としか思えん。でも、冴えない中年男が楚々とした(ここがポイント)人妻にはっきりした理由もなくとにかく好かれてえっちし放題という展開がおじさま方には大人気らしい。先日何気に検索かけてたら、「愛ルケ」みたいなおつき合いをしたい五十代男性という出会い系書き込みが引っかかってきて頭を抱えましたが、その後似たような手合いが増殖しているらしい。
 自分磨きもせず安易な妄想を広げて暴挙に出る中年以上男性のセクハラ事件が増加したら、あおった責任取れよ>ナベ爺。女性は昔みたいに黙って耐えたりしなくなってんだから。

 「愛ルケ」に踊る男性は、実利を求めて我が身を振り返らない行動に出てるわけですが、女性にも「なんだかなー」な傾向が出てきました。某所のコメントに「私の不倫体験」を書きつづる人が出現中。いや、そんな他人様の赤裸々な体験談を聞かされてもなー。そういうのは当事者以外には「はあ?」でしかない話なのです。
 昔から自分の不倫体験を語りたがる女性って結構いました。古くは「婦人公論」の読者投稿、レディースコミックの体験談特集もなかなか盛況だったし、匿名OKで募集かけたらなんぼでも集まる感じ。青春出版社という冗談のような会社の「SAY」という女性月刊誌があるけど、これが全編読者投稿をちりばめた告白本みたいな内容だった。(ちなみに男性版みたいな「ビッグトゥモロウ」って雑誌もあって、こっちには男の会社や恋愛面での体験談が満載。あー男女を問わず語りたがりっているんだなと思った)
 この手の本の体験談が本当に投稿によるかは疑わしいってことも知ってます。数が足りなくて、「何本かでっちあげといて」と頼まれるライターさんも多いようですから。でも、誰でもお気軽にblogに手を出せる今日この頃、不倫語りのblogがあちこちにあるそうで、実体験か脳内妄想かわかりませんがとにかく「私は不倫している」「こんなに悩んでる」「でも心は満たされてる」と誰かに訴えたい女性がいるのは間違いないでしょう。子育ての悩みと違って顔見知りには話せないから、匿名基本のネットは語りやすい場ではあります。
 これは私の極めて個人的な感覚だけど、人様の不倫語りとか恋愛語りとかって聞くのすげー恥ずかしいです。なんでかっていうと。こー。こういうのの語り手って、びみょーになるしーな状態になってるじゃないですか。よく見るまでもなく、一般人の恋愛なんだからお互い目の覚めるような容姿でも夢のような出来事ばかりでもないはずなんだが、なぜか状況は常にドラマチック。周囲をピンク色に染めるオーラ出しまくり。当事者にとっては容貌がどうだろうと悩みの質に変わりはないと言いたいところでしょうが、シリアスになられるほど外部の人間には痛々しさが増すばかりなんです。
 一番端的にそれを感じたのが、ローカル番組「ドォーモ」で見た「私の彼は日本一」だったかってコーナー。これは不倫じゃなくてふつーの若者カップルを扱ったものなんですが、「私の彼は芸能人なんかより全然カッコいい!」って公言する女の子に彼氏を連れてきてもらうって企画。当然ですが、全くの他人から見れば九割九分九厘、出てくるのはどーってことない男です。「なぜこれがそう見える」とTVの前で愕然とすることが多いです。
 で、自戒。一般人の恋愛は、当人にはどう見えていようと外目にはかなりかっちょわるいものである。これを「日常のちょっといい話」「ささやかなしあわせ話」に昇華するには、作家並みの筆がないと無理である、と。
 ですから、語るのはいいけど視点を五歩ぐらい下げないと、同じ電波の受信者以外は引いちゃう内容になってしまう。で、残念ながら、多くの語りは「すみません、間違えました!」と真っ赤になりながら逃げ出したくなるものがほとんどです。
 その辺、留意していただけませんか?とお願いしたいとこですが、それができれば恋愛告白blogなんかやりませんよねえ。
 かく言う私がここで「自分語り」をやってるわけだから、説得力ZEROだし。

 後、不思議なのは不倫告白する方で「彼とつきあうことで心にも身体にもゆとりができて、夫や家族にやさしくできる。お互い家庭は壊さないつもりだし、夫と彼はどちらも必要な存在です」みたいなことをおっしゃる方が多いんですが。もし、この方、ダンナさんが自分にとってのカレみたいな存在を持ってて、「彼女がいることで君にも家族にもやさしくできるんだよ。家庭は壊さないしいいだろう?」と言ったら笑ってOK出せるんでしょうか?
 それできないと、おかしいような気がするんだが。(しかし、できちゃった場合、この二人にとって「夫婦」って形式はなんなんだろう?)
 青木雨彦さんも言ってたのね。「自分が家庭に満足できず他の異性に気を取られてるときは、相手もそうだ」って。男と女はお互い様なんですよ。たぶん。

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Comments

にっけいさんのところで時々お名前拝見してます。
あそこで不倫語りをされる方々を「ちょっと痛いなぁ…」と私も感じておりました。
勿論不倫をされる奥様方が、若しくは不倫予備軍の奥様方が結構いらっしゃる現実も認識してはいます。そういう方々には、「愛ルケ」の冬馬香のような、人間としての肉付けが何もなされていない嘘っぽい女性にも感情移入できるのかもしれません。
でも、
同じような状況の人間にしか理解して貰えない時点で、「読み物」としては終わってます。そんなオナニー小説は、不倫愛好家たちの同人誌にでも掲載して頂きたいです。
世間の愛ルケにはまっているらしいおじさま方も、ギャグ若しくはファンタジーとして楽しんでらっしゃる分には構わないのですが、これをまともに取られたら困りますよ…。ただでさえ、女性に対して勘違いしたまま生きていらっしゃった世代の方々。なべ爺に煽られて、さらなる迷惑を私たち女性にかけるのは止めて頂きたいですね。

Posted by: ギャランドゥ | 2005.02.22 at 07:55 AM

こちらこそ、ギャランドゥさんのコメントを楽しく拝見させていただいてます。
題材が題材だけに不倫な方々が出てきてしまう可能性はあるかな?と思ってましたが、よもや自分のセキララ話を披露されてしまうとは思いませんで(^_^;)>某所。
あの三文小説に自己投影できるとは、自分たちをそんな安っぽいものにしてええんかい?って気もしますが、小説になっちゃうほどドラマチックな類似シチュエーション!ってあたりが先にぴぴっと来てしまうのでしょうか。その心情も不思議なんですよー。
まー、青春の一時期、ユーミンの歌に自己投影していた私に言えた義理ではありませんが。(でも、ユーミンの歌の方がナベ爺の散文の何百倍も出来はいいと思う)

「愛ルケ」に関しては、本編はどうしようもないのでほっとくとしても、その影響で勘違いなおっさんが出てきそうな方が問題だと思ってます。職場のパワーバランスの中で、へんなやる気を出されちゃ大迷惑。
マスコミは今後のメディア展開で儲ける可能性があるから、当面叩きに回ることはないでしょう>「愛ルケ」。婦人向きの人権団体にでも訴えるしかないのかしら。

Posted by: きいろ | 2005.02.23 at 01:20 AM

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