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2005.03.05

「ローレライ」、見てきました

 号泣する準備はできまくり!って感じで。(映画公式サイト)
 原作読み終わったのが前夜の二時くらいですから気持ちはできあがりきってまして、今なら「椰子の実」聞くだけでナンボでも泣ける状態です。映画では「モーツァルトの子守歌」に変えられてるなのがちと不満でしたが、むしろ助かるかも。「椰子の実」は危険スイッチと化してるんで。
 もちろん、期待に胸ふくらませて出かけたわけじゃありません。膨大な長さの元ネタを二時間に納めるのは無理無理なのは分かり切ってたし、制作費は、邦画としては多いものの同じ土俵に立つハリウッドなんかに比べたら微々たるものです。いろんな意味で「傑作!」になるのは難しかろうと、その辺は覚悟の上で見に行きました。
 で。本音で書くと「惜しいが人にはお勧めしにくいなあ」というところ。ただし、前日深夜に原作読み終わって号泣したばかりの人の意見として割り引いて聞いてください。どうしたって登場人物の書き込みや状況描写で分が悪いわけだから>映画。
 一番「ううーん」と思ったのはシナリオ。元ネタがボリュームあり過ぎなんだから、もっと思い切って整理してもよかったんじゃないかと。極端に言えば、朝倉の下りはなしで、始めっから東京に原爆が落とされる計画を阻止するためにテニアンに行くってくらいシンプルにする手もあったと思う。話のテーマが変わっちゃうという意見もあるだろうけど、すでにいろんなとこをいじってるんだし、二時間で語りきれる内容量とテンポのよさを重視する割り切りがあってもよかった。
 それとダイアログ。えーと。アニメな人は戦場でかっこよく深遠なやりとりをするシーンに慣れてます。そういう目から見ると、「ここでならもっといいこと言わせるだろう!」ってシーンが多すぎ。絹見艦長なんて名ゼリフ吐かせまくれるのに惜しいったらない。アクション映画だから人間描写に割り割ける時間が限られるのはわかるんだけど、それぞれにシーンにつき二人ずつくらいしかキャラを印象づけられてないのももったいない。人物描写をもっとパラでやれなかったんだろうか?これがうまくいってたら、後半のイ507の孤軍奮闘ぶりがもっと胸に迫ったのに。
 とか考えると、すまんが伊藤和典のガメラ脚本がいかによくできてたかがわかる。話を進行させつつ、怪獣を暴れさせつつ、人間側もそこそこ印象に残しつつ、ほどよく説明もしつつ、とバランスがいい。日本の映画って人情ものとか日常ものとかはそこそこのレベルのシナリオを上げる脚本家がいるけど、アクション書ける人はまだまだなんでしょうねえ。脚本家個人の感性にゆだねるんじゃなくて、テクニックとしての脚本の書き方が職人技として確立しててもいいような気がするんだが。

 文句は垂れましたがいいとこもあるのです。音楽はかっこいいです。これ大事。画面がどんなにかっこよくても音楽がヘボいと気持ちが萎える。逆に多少画面的にアレでも音楽がうまく乗せてくれると気分が高揚して乗り切れるものです。その点では、私的には好みの仕上がりの曲が多くてよかった。
 あと、香椎由宇!これはうまかったと私は思う。この人、数少ないしゃべるシーンからするにたぶんへたな役者さんだと思うのね。(経験値が低いからってのもあるだろうけど)でも、しゃべらないで「いる」シーンの雰囲気は非常によい。へたさが際だたない。しゃべりがぎこちないのはクォーターのドイツ人だからです、と脳内補完して見過ごせるレベルになってます。新人女優さんを抜擢した結果、見るも無惨なダイコンぶりが痛々しい映画があったりするけど、樋口さんは香椎由宇の持つ雰囲気のよさだけをうまく抽出して使ってます。役者さんは監督次第なのだと改めて思いました。
 すっげーかっこで日光浴してるのはどうかと思いましたが(笑)。あの時代の日本男児には露出過多で刺激的すぎたのでは?

 結構冷淡な感想書いてますが、個人的にはあたって欲しい映画です。CGも予算いっぱいがんばってるし、潜水艦の艦内描写は一見の価値があります。「キャシャーン」があれだけ稼いだんだから、ぜひそれ以上は行って欲しい。(「キャシャーン」よりは全然まともな出来なわけだし)日本では女性が映画の主要マーケットになっちゃってるから、こういう男祭りな映画ってなかなか企画通りにくそうだし。今年は男祭り系の邦画が多めなので、それぞれにほどほど当たってくれて今後とも男祭り映画が作られていく素地になって欲しいのです。(もちろん、傑作になって大当たりしてくれるに越したことはないです)だって、作る場がなきゃいいものもできないから。
 もちろん、出来が「デビルマン」な映画は除く(笑)。何でもひいきってわけにはいかん。

 なんだかんだ言って、私どもももう一回くらい見に行きそうですよ>「ローレライ」。今度は原作がほどよく頭から抜けた時期に。

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