「終戦のローレライ」、読了
読み出して四ヶ月(爆)。金曜の夜というか、深夜まで費やしてなんとか終章まで持ち込みました>「終戦のローレライ」。やはりハードカヴァー上下巻を通勤電車の中のみで読み終わろうというのは、大幅に無理がありました。(途中、美容院に持ち込んだ以外は電車のみで読み進んだ)映画公開までのタイムリミットが迫ってきたんで、残り150Pほどは家で読む。もっとも、福井ものは終盤号泣の可能性が高いんで、とても電車では読めません。(ここに至るまでもすでに何度か泣きかかっている)
感想に関しては、あちこちに出ているものと重複するんで軽めに。
でも、ネタ割りになると思うんで、未読の人は待避。
この話って登場人物に感情移入すればするほど、物語世界を離れて日常に返ったとき、やるせない気分になります。あの人たちが命を掛けて守った日本がそれに値するものと胸を張れない状況にあると、私たちは知っているから。彼らは現実の存在ではないけど、近しい感情を持って戦場に立った方もおられたことでしょう。戦後60年、その時間は彼らが夢見た未来を実現するためには使われなかったのだと改めて実感すると、所詮個人なんか無力だと思いつつ、なんだかやるせなくも情けない気分になるわけで。
終章の折笠征人が背負う重荷は、つまり戦後に生きて今をもたらしている私たちの重荷でもある。
でも、政治家にもなれす、クーデターも起こせず、ただ家族の日常を守ることしかできなかったと征人は悔やむけど、それだけでも十分偉かったと思うのです。できることをできる限りやり抜くことすらしない人も多いんだから。少なくともパウラは、あの後笑って生きることができたんですよ。あなたのおかげで。
とか、書いてるだけで泣けてくるのだよ。ある意味ワンパタとも言える物語構成なのに>福井作。涙絞り器のようだ。
自分の今立っている場所を見直せ、と突きつけてくるような福井作品に号泣してると、某紙の色ボケじいさんの妄想エロ日記なんか読んでる場合じゃないと改めて思います。
まあ、あれはもはやギャグ(でも質は低い)ですけど。
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