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2005.08.06

「からくりからくさ」、読了

Amazon.co.jp: 本: からくりからくさ
 しばらくSF系ばかり読んでいたので、目先を変えて梨木香歩の「からくりからくさ」に手を出す。「西の魔女が死んだ」の方をずいぶん早くに買ってたんだけど、これが地下鉄では読めない。どうしたって泣きそうな予感。なので、安全パイっぽいこちらから手を出してみまして。

 わー、日本の女の人が書いた話だー。「歌う船」の著者は女性だけど、やっぱ外国の女の人が書いた話です。繊細さとか情感の方向が日本人とはまるっきり違う。(それ以前に一応SF)
 ダイナミックさとは対極にある話。そもそもこれ、何か起こる話なんだろうか、もしかしたら四人の女性の生活ぶりが淡々と書かれてるだけなんじゃないかしらん、と思ったくらいで。こういう日常の細やかな描写って女性の独壇場って感じです。
 実際には四人の女性にはなかなか深い因果の事件が起きるのですが、文章で読んだ印象はけして「ドラマティック!!!」ではない。意外と生臭かったり生死が絡んだりする出来事が含まれてるのにどろどろしない。不思議な読後感です。
 祖母の住んだ古い家で、若い娘四人住まいとは思えないほど伝統的な知恵を生活に取り入れて暮らす様が描かれている反面、一方的に家や役割にとらわれる生き方にははっきりと違和感を述べたりして、なかなか一筋縄ではいかないヒロインたち。二十才くらいってこんなに深く豊かで感性が鋭かっただろうか?と思うほど、みんな大人です。正確には、本来的な意味で「大人」としての深みを増すことができる素養の持ち主ばかりです。
 むー。私ってペラい人生。

 骨太!熱血!を好む傾向にある私には、京料理のような品のよさで好きのど真ん中にはいかない本なんですけど、味濃い料理に疲れたときに素材にはそもそも味があるってことを思い出させてくれる、そんな作品でした。

 先行作「りかさん」を先に読んでおくべきだったらしい…。失敗。

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