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2005.12.10

いつの時代も

Amazon.co.jp:虚無への供物講談社文庫: 本

 通勤時間の読書本が長らく積ん読だった「虚無への供物」になっています。だいぶ前に積んだので(確かNHKでドラマ化したとき)、今の講談社文庫に比べると断然字が詰まっていてうれしい。がっつり「読んでる感」があります。
 昭和29年を舞台にしたオールドミステリファンには有名らしいこの作品、いきなり場面がゲイバアです。(すでにゲイという表現が!)そして、ワトスン役っぽいキャラが亜利夫さんで、愛称アリョーシャと呼ばれています。探偵役を気取るヒロイン?の性格がずけずけしてて(いきなりいろんなことを決めつけモード!)スゴいです。もうすでに、女は強いよ。
 猥雑さとかモダンさとか退廃っぽさとかいろんなものが混在してて、小説として以前に時代を感じておもしろい。タイトルから想像してた難解さはあんまりなくて、さらさら読めます。書かれたのは昭和39年で、舞台になった年より十年後。でも、まだ「戦後」の空気が濃厚だった29年と高度経済成長の40年代を目前にした39年では、今の感覚の十年よりもずっと開きを感じたんじゃないかって気がします。

 この話にちょっと粋なじいちゃんが出てきて(自分を「ミイ」相手を「ユウ」なんて呼ぶんだよ…)、最近の新聞を読んでいるとこの国がつくづく情けなくなる、飲み屋のけんかでカっとなって殺した、別れ話で逆上して殺した、自転車を盗んでついでに殺したなんて事件ばかりだ、と嘆くのです。
 …なんか、今とあんまり違わないような気がするのですが。このところ、立て続けに気分がどんよりするような事件続きで、日本ってどんどん精神的に荒れてるのかしら?などと柄にもなく憂えたりしたんですが、何年かおきに世の中が荒れる時期が来るのかもしれません。敗戦後の混迷がまだ続いていた時期と今を同等に扱っていいのか?って問題はありますけども。この小説によれば、昭和29年は人目を引く事件の多い年だったそうだし。

 ドラマ版の奈々村久生って深津絵里だったのかー。<見たのに憶えてない。すみれさん系のキャラと言えばそうかもしれないけど。蒼司が仲村トオルだったのは憶えてたんだが。ああいう役をやるとは思わなかったから。
 ここまですっかり忘れてると、読み終わったら見たくなりそうだなあ>ドラマ。チャンスなさそうだけど。

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