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2005.12.02

これは成果と言えるかも

 このところすっかり笑いどころもなくスカスカした内容にヲチャーも飽きが来ていた「愛ルケ」ですが、今週は主人公が行きつけだったバーのママからいきなり「女は絶頂のまっただ中に死にたいと望むものであり、それを体験し、かつ実現された冬香さん(最中にうっかりシメられて死んだヒロイン)を私はうらやましく思います」(思いっきり内容要約)などと主人公マンセーが書かれた手紙が届く展開で、話を読むことで「おのずと浮かび上がって」(作中主人公談)こなければならない主題を登場人物に語らせる禁じ手を堂々と使って悪びれるところのないズン先生の面の皮の厚さに呆然とさせられました。
 さすが、JRのグリーン車料金をケチった作家。そして、普通車に移ってくださいと言った車掌を「了見狭い」などと言う男。その顛末を、柔軟さのないJRの姿勢なんてブログに書く爺さん。
 しかもその主張が思いっきりげろーん。えっちでいい目に合うたびに死にたがるのが女というものですか、そうですか。ただでも最近、自分に都合のいい主義主張を盾にエラいことをしでかす人々が増えているのに、「女が最中に『ころしてぇ』と言ったからそうしてやったのだ、俺は悪くない」と女殺して開き直るアホが出てきたらどーすんだよ?(この辺のイライラ感が故に、今週の所感のあちこちに「愛ルケ」のにほひが orz)
 先日は講演会で自説の「歴史小説や推理小説は、資料さえ揃えれば書ける安易なもの、だから書きたくない」を披露されていたとのこと。おんどれ、主人公が逮捕されてからの「愛ルケ」のくだくだぶりを棚に上げてよう言うな。ミステリ作家の皆さんに土下座しても足りないすざんな書きっぷりでございますよ?
 ほんと、ろくな人生経験してないなあ>ズン先生。仲代達矢の、妻との二人三脚の役者人生にはしみじみとした味わいがあって、本当によかったです。(11月の「私の履歴書」だった)

 まー、本編は笑えない度アップ・腹立ち度急上昇のまま年を越しそうな勢いですが、そんなイラついたヲチャーの皆さんが笑って新年を迎えられそうな企画を「にっけいしんぶん新聞」さんが立ち上げておられます。
 「あなたがえらぶ!2005『愛ルケ』新語・流行語大賞」です。
 このエントリ内容をご覧いただければ、本編を知らない人でも「愛ルケ」のあり得なさを感じ取っていただけるかも。
 私は「いく、いくわよう」や「ごわっ」も捨てがたいけど、「なのかっ…」という「っ」と「…」が同居する煮え切らない主人公の叫びっぷりを押したいです。
 こんなの、台本に書かれたら、役者はどうしたらええんじゃ。もっとも、主人公は四六時中「なのか」「なのか」と脳内主張を繰り返すだけで口には出しては何もしないんだから、たいした芝居になりようもないが。

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Comments

そうなんですよ! 今頃になって、あの脱力フレーズの数々を余すところなくとっておきたいと思うようになったのですが(一種の記録として)、ただ、フレーズを抜書きするためだけに、あらためて本文を読み直す気力は出ないですね……愛ルケ語録集が出版されたらうっかり買ってしまいそうです。毎回、少しずつ書き留めておくのだったなあ。

Posted by: Troika | 2005.12.03 at 07:05 PM

こんばんは

自分は「すごおい」を推しました。これだけ世間で猟奇的な犯罪が起こって、性犯罪者に対する世論が厳しくなっているというのに、性行為のためなら殺人マンセーな小説を執筆し続けるズン氏はすごおい人なんだなと思ったものでっ・・・・・。

愛ルケ出版の暁には、にっけいさんのコメント集と2冊セットにすれば売れそうですね。もちろん印税はズン:にっけいさん=2:8で・・・・。さらに奇跡的に映像化された日にゃ、DVDのオーディオコメンタリーはにっけいさんがズンに延々突込み質問を入れ続けるものにすれば売れそうで。

Posted by: tate | 2005.12.04 at 08:04 PM

「愛ルケ」新語・流行語大賞、すごい投票の伸びですね。今見に行ったら、600間近でした。この分だとブログ史上最高数のコメントになるかもー。(コメント欄で改ページなんて初めて見た)

>Troikaさん
 お帰りのころには集計結果が出ているかもですね。
 思い返せば珍表現・珍セリフに事欠かない「愛ルケ」。一作中の笑いどころの多さという点では、他に類を見ない珍書として一部の人の記憶に残るかもしれません。
 でも、そのために読み返すなんて私もヤです。ズン先生に一円たりとも印税渡すのもヤです。
 笑うのと同じくらい、不愉快になりそうだから⋯。
 今回の投票でも拾い漏れる迷言がたくさん出るのだろうな。拾い漏れるくらいあるということを、少しは反省していただきたい>ズン。

>teteさん
 teteさんは「すごおい」を押されましたか。
 確かに、このところの猟奇的と見える犯罪の多さにはただ新聞で事件を知るだけの身でもへこみます。特にこの一週間ときたら⋯。
 ズン先生は、幼女とか猟奇とかに行ってしまうのは「をたく」で性に肯定的でない屈折した人々だとでも思ってるんじゃないでしょうか?自分の主張は全く正反対の、性的開放を目指しているものだから関係ないよーん、とでも。
 だとしたら、感性摩耗しすぎですが。

 にっけいさんのコメントセット売りはむずかしいでしょうねえ⋯。なんたって、自分のブログにコメント欄もトラバも許さない、心の狭いズン先生とその周囲です。(祭りとか炎上を恐れてでしょうが、そういう事態になるようなモノを書いてるのが問題なのだし、そもそもブログという形式を取る意味ないじゃん)自作をおちょくるような出版物なんて許すはずがないでしょう。
 以前流行った「磯野家の謎」みたいな謎本として出せないかなあ。
 でも、そんなのが売れたら、元ネタの「愛ルケ」も売れるだろうから、ひっそり素直に駄作として世に忘れられていって欲しいです。ズン先生の近作「幻覚」のように。

Posted by: きいろ | 2005.12.05 at 09:57 PM

こんばんは。

「奇跡的に映像化」とか書いたら、本当に映画化だそうで、滅多なことを書くものではありませんね。一体誰を脱がせて話題づくりをするつもりなのでしょうか?にっけいさんのとこにも書いたのですが、自分の冬香イメージはオリエント工業の娘さんたちですのでっ・・・(男の都合と妄想を具現化したら、あれしかないでしょう)

残念ながら映画化の時点で、ひっそりと忘れ去られる可能性はかなり低くなってしまいましたね。あとは脚本家の良心に賭けるしかないのでしょうか。

Posted by: tate | 2005.12.05 at 11:39 PM

 「なのかっ⋯」なんてどうやって発音するんだよ?などと突っ込んだせいではないと思いたいのですが、ついに日経夕刊紙上で「愛ルケ」の映画化が発表されたそうですね。げろぉおおーん。
 シナリオライター、かわいそー。監督もかわいそー。
 しかし、こんな汚れキャラを演じる役者さんが最もかわいそうです。脚本家がいかにブロウアップして映画では別キャラ化したとしても、後々言われるのは「ああ、あの空気嫁役ね」とか「人絞め殺しといて、呑気に留置所で自慰してたおっさん役ね」という原作イメージでしょうから。

>tateさん
 と、私も思っていた矢先のことでした⋯。
 本当にめったなことを言うものではありませんね。来年もそこそこ見たい邦画がありますが、その中にドン引きの一本が入ろうとは。
 やるからには東宝も、おそらく単行本出す幻灯舎もそれなりに宣伝するでしょうから、露出かかって売れるんだろうなー。やだなー。幻灯舎、「嫌われ松子の一生」に全力投球で「愛ルケ」はそこそこにしときませんか?

 ごく稀に原作ずたずただけど映画はよかったのよね、という作品もあるので、そんな奇跡が起こるかもしれませんが、それでも原作料がズン先生に入るというのは納得できんなー。そうでもなってくれないと、キャストされた役者さんはたまらんでしょうけど。

Posted by: きいろ | 2005.12.06 at 12:53 AM

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