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2006.06.26

「月の記憶」、読了

Amazon.co.jp:月の記憶―アポロ宇宙飛行士たちの「その後」〈上〉ヴィレッジブックス: 本
 翻訳文は苦手。だからどうしても読むのは国産ものにシフトしがちな私の読書傾向ですが、相方がおもしろかったというので読み終わったのを右から左に借りてみた。
 ぐわー、おもしろいっ、これはすんごくおもしろい本です。
 月面を歩いた12人の宇宙飛行士のうち、今も生存しているのは9人だけ。
 著者はその事実に気づき、子どものころに感じた思いに急かされるようにして9人のムーンウォーカー達に会いに行きます。この地球を離れ、重力のくびきから解かれ、完全なる宇宙という環境に身を置いたことがあるのは人類の歴史の中でたった12人だけ。全ての地球生命から切り離され、別の天体に立ったのは両手の指の数より少し多いだけの人数。しかも、昨今の宇宙を取り巻く状況を思えば、その数は当面増える予定はないのです。
 この圧倒的な事実。ここに出てくる宇宙飛行士達はけして人格者ではなく(ミッションの達成に人格者か否かは関係ないわけだし)、中にはくせの強い人もいる。地球帰還後、世捨て人のようになってしまった人もいる。それでも彼らの語ること、あれから彼らの歩んできた人生にはうならせられることがたくさんあります。ある人が語る月での体験には、なんとも説明のしようのない心の奥底が強く喚起されるような不思議な感動を覚えました。いや、感動というのでもない、本当に言葉にできない泣きたくなるような気持ち。ああこんな体験をした人がこの世にいるなんて。
 アポロ計画に関する科学的なレポートというより、著者自身の体験を足がかりにした社会的文化的政治的な当時の動きと今日に至る宇宙事業についてをまとめるというアプローチになっているので、科学弱ーいという方でも十分楽しめると思う。アメリカにとって、その時代にとって、アポロ計画とはなんだったのかということもよくわかる。訳文がちとこなれてないっぽいとこがあって、最初は読むのに少し難儀する人もいるかもしれないけど。
 「アポロってほんとは月に行ってないんじゃなーい?」なんて言うたわけは、この本を読んでから言えって気分。(彼らって「古代の人間にすき間なく石を積み上げる技術なんかあるはずがない」から宇宙人がその技術を伝えたのだ!と主張する人たちみたいだ。人間って、やろうと思えばその時ある技術でなんとかしてしまう力があるんだよ)
Amazon.co.jp:月の記憶―アポロ宇宙飛行士たちの「その後」〈下〉ヴィレッジブックス: 本
 「『トイ・ストーリー』のバズ・ライトイヤーって、宇宙飛行士のバズ・オルドリンからきてたのかー」と相方に言うと、「当然だろ?バズと言えばオルドリン。ニールといえばアームストロング。ヤングじゃなくてね」と強く拳を握られました。ここにも宇宙飛行士が心のヒーローだったやつが一人。

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