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2006.09.14

「敵は海賊 不敵な休暇」、読了

 ここに不まじめな神林読者がいます。「あなたま」とか「膚の下」とかハード系はろくに読んでないのに「敵は海賊」とか「今宵銀河を杯にして」とかライト系ばっかり手を出してる。
 そんな私に神林の何が語れるはずもないとわかっていて、しかし、「不敵な休暇」を読み終って「あー、ライトでもやっぱりテーマは神林だわー」などと不敵な感想をもらしてしまうのだった。世界の認識とか意識の変容とかってあたり。
 今回の読みどころはアプロがまじめにヨウ冥(PCで変換が出ない漢字を含むキャラ名はキライだああっ(涙)と戦ったりしてるとこでしょうか。しかもサシで。そりゃラテルが怒ったり落ち込んだりもしよう。
 アプロがただののんきで食いしん坊な黒猫じゃないことはシリーズ当初からちらちら書かれてきたけど、今回が一番凶悪というか本性丸だしだった気がする。まあ、ヨウ冥が本気で恐れている存在は当座アプロ一人というあたりで彼の恐ろしさは保証されているんだけど。

 ライト神林とは言ったものの、「敵は海賊」はラノベとは言えないんだろうなあ。まず女の子が出ない! 圧倒的に出ない! そもそも女の登場人物が少ないし。一番若い娘であろうマーシャ・Mは今回二行しか出てこない。次に若くて出番がそこそこあるアリシアですら30代だ。いわゆる萌えどころがほとんどない。猫萌えの人ならかろうじてアプロに萌えられるのかもしれんが…。<あまり期待して言ってない。
 自分の顔を人に記憶してもらえない男が、ただひたすら「世界の観客」にしかなり得ない、主役にはなれない自分の能力を利用して、他者に世界を物語る能力を与えて間接的に世界を操ろうとする、という、簡単には説明しにくいこの話の事件も、ラノベと地続きにするには観念的すぎる気もするし。
 「敵は海賊 海賊版」が出たころは「うわー、ハヤカワでもこんなキャラもの小説を出すんだねえ」と思ったものだったが。今は昔。

 「敵は海賊」の未読はあと二冊ばっかりあるのだけど、月末に京極の新刊が出るんで次は軽めで途中で止められるタイプのやつを読みます。

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