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2007.01.09

「悪魔が来りて笛を吹く」を見る

 先週の金曜日にあった、稲垣金田一を録画しておいたので今さら見ました。
 横溝正史は、ご多分に漏れずかつて角川が映画化したときにだだっと読んで、原作がごっちゃになったまま放置していたので、この稲垣金田一を見るたびに新鮮に楽しめます。トリックも犯人もものの見事に忘れ果ててます。おおっ、そう言えばそんな話だったな、と思い出すものもあれば、まるっきり初読のような気持ちで楽しめるものもあります。「悪魔が来りて」は後者でした。
 で、ネタバレばりばりで書きますけど。
 こういうドラマって、配役見るとだいたい犯人の目星がつくのがつらいとこ。さっぱり話を知らなくても、候補を二人くらいに絞り込めてしまうじゃないですか。今回もその予想の範囲で決着がつきました。しかたがないとこですが。
 どろどろの血縁が、過去の因習が、連続殺人事件を引き起こす系の話は、見てて「いや、しかし。それにしてもなあ…」と思うことがあるのですが(「犬神家の一族」なんて、どう考えても死んだ爺さんの嫌がらせ)、「悪魔が来りて」は純粋に犯人がかわいそうだよ…。駒子さん? 殺しについてはちょっとやり過ぎだったかもしれないけど、他の二人はそりゃ殺したくなるよなあ。(一人目は予定外かもしらんが、こやつがしっかり家庭経営していればこんなことにはらなかったわけで)特に実の父のあの言いっぷり、「お前なんかこの世に生まれることなど誰も望んではいなかった」(意訳)を耳にして、逆上するなというのが無理。役者がまた好青年な役どころに合っているんで、哀れさがいや増します。そういう効果を見込んでのキャラ作りなのでしょうが。
 美禰子さんが父思いの心優しい、しかし気丈な娘さんなのが、犯人にとっての救いだったかも。
 調べてみたら原作とは微妙に話を変えてあるようですが、今どきのTV向きに全体に軽めの印象になるように仕上げてあるのかなあと。稲垣金田一と小日向横溝だと、どろどろ暗さ一直線に突っ走る作りにはできないだろうし。
 原作を意識しなければ、これはこれでまとまった話になってたんじゃないかと。シリーズとしてのテイストはぶれてないんで、今までのをよしとする人には許容範囲の出来なんじゃないでしょうか。

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