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2007.02.26

本を読むという無駄な楽しみ

 NHKBShiの「“虞美人草”殺人事件-漱石-百年の恋物語」を見る。
 イロモノなタイトルに引かれてチャンネルを合わせたのだけど、これがめっちゃおもしろい。番組の紹介サイトには「漱石が三角関係を通じて描こうとしたものは何だったのか。そして、漱石の描いた恋物語は、現代社会に何をアピールするのか」なんて書いてあるけど、そんなことはどうでもよく。
 この番組は「虞美人草」のヒロイン藤尾を殺した(直接手を下した、という意味でなく、追い詰めたものという意味でもよい)のは誰か? を切り口に、参加者が温泉旅館に集ってうだうだと作品に関する議論をするというもの。メンバーは、最近漱石論で注目を集めている小森陽一氏、フェミな本読みならご存知の小倉千加子氏、小説家の島田雅彦氏と岩井志麻子氏、精神医の斉藤環氏、などなど、顔触れを見るだけでこここ、この番組要チェック!って気分にさせる(私的には)お歴々。朗読劇仕立てで「虞美人草」のあらすじが紹介され、同時にその時期に漱石が家族や知人に書き送った手紙も披露される。で、小説の本文そのものと作者の真情をつづったと思われる手紙から、漱石が「虞美人草」でやろうとしたことを解き明かそうという趣向なんだけど。
 半日以上も温泉宿の一室に集まって、小説題材にあーでもないこーでもないとゆるい議論を重ねる。途中でご飯食べたり風呂入ったりしながら夜中まで。
 これってSFのコンベンションやろ?(笑)半分酒入ってできあがった状態になりつつ、けっこうまぢで作品論戦わせたりするあの空気にそっくりなんですわ。そして、時折、すぱっと切れ味鋭い感想や視点を提示されたときのスリリングな気分。懐かしくもなじみ深い空気。
 むろん、番組に集っているのは素人には及びもつかない知性の持ち主ばかりで、ゆるいと言いながらも深い議論も展開されるわけで。そこがすごく興味深い。特に小倉先生! 鋭くもきっちりと作品を読みこなした意見にはうなるばかり。ほんと、いい議論は見ているだけでコーフンさせられます。(漱石、ろくに読んだことないけどな!(爆)女性は議論苦手とかいやーとかいう人が多いですが、多少きっつい思いをしながらも意見を戦わせ交換することで得る「な、なるほど!」や「そういう見方もありか!」という発見や驚きはたまらなくおもしろかったりするんです。…抑制の効いた議論のできる人は日本にはなかなかいないものですが。(含む、私)
 というような番組なので、Yさん1とかYさん2とか、あっち方面の知人の方々は漱石興味なくても再放送とか地上波放送とかがあったらぜひ見るよろし。

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