つまり「小説」ではないんだな
年寄りと言われてもいい、おそらく生涯いわゆるケータイ小説なるものにお金を払うことはないであろう私です。子どものころからがっちがちに活字になじんできた身なんで、今さらあの文章になじむのは無理があります。
これでも純文学なんかはびみょーによけ、えせーふとかすいりしょーせつとかでんきしょーせつとか、親からマンガと同一視されるようなジャンルしか読んでこなかった私ですが、それでもあれを小説と呼ぶのはちょっと…。お金を払ってまで買うかなあ? って気がしてしまうのです。ええ、年寄りですから。
ちゅーか、あの系の「小説」と呼ばれるものってなぜだか恋愛テーマばっかじゃないですか。(少なくとも売れ筋は)で、えんこーとか相手が死んだりとか、やたらとドラマチックな展開になってるみたいで、おばさんみたいに血わき肉躍る活劇スキー、恋愛で泣くより男泣きの方がいいって人種はこちらから出向くまでもなく門前払いされること間違いなしって感じ。
そういうド偏見持ちの私ですから、「デジタルARENA」の「ケータイ小説がヒットするワケ【前編】」って記事を読んでも駆け出しライターの平山さんに感情移入しまくりです。みんなそんなにドラマな恋愛してるんだ、へーってなもんで。
しかし、思ったんですが、やっぱあれはいわゆる「小説」じゃないんじゃないでしょうか。どっちかというと、女の子たちが仲間内で回し読み&回し書きしている交換日記の感覚に近いもののような気がする。やたらと「共感できる」「私にもこんなことあった」(そんなに誰にも彼にもじさつ・にんしん・れいぷが起きてたら、この日本はどうなってんだ?とも思いますが)と体験に引き寄せて評価してるあたりとか、小説というより読者体験談投稿コーナーっぽい。
昔々から女性は体験を語るのも読むのも好き。未だに婦人公論が定期的に読者の投稿特集を組んでるし。その場がネット&ケータイに移った、それだけのことかもしれん。
それだけのことかもしれんが、ふつーの小説がますます出てきにくくなったら年寄りの本読みはいたく困るのであった。
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