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2007.07.13

「天竺熱風録」、読了

天竺熱風録

 田中先生には申し訳ないが、藤田和日郎先生の挿し絵に引かれて読みました(爆)。
 玄奘三蔵と同世代に天竺への旅を三度も成功させた男がいた。しかも彼はたどり着いた天竺で訪ねるべき王が亡くなっていたことから、王位簒奪者との戦いを余儀なくされる。しかも、他国に兵を頼んで。
 という奇想天外な中国の実話を伝承風に再話したもので、こういうタイプの話は田中先生の得意分野だけあってさくさくさくっと読めます。普段は使わない「伝承を物語る」文体に最初は「えっ? これ田中さん?」ととまどいますが、そのうち馴れました。キャラ配置も田中さんの伝統芸というか、全体に安心感あふれる出来。話のボリュームに比べるとページ数が控え目で全体にエピソードが駆け足な感じもしますが、史実に乗っ取りつつ、でもその残っている史実の量が少ないとなると、ねつ造し放題というわけにもいかないでしょう。
 一つ残念なのは、読者である私が当時の中国の事情、特に天竺への道のりがいかに大変かがわからないので、王玄策がどれほど希有な人物かが実感をもって感じ取れないのです。日本ではなじみがないものの、中国にこんなすごい男がいた! ということを紹介したいという田中先生の熱意が届ききらなかったようで申し訳ない。

 この前の通勤の友が「銀色の恋人」だったんだけど、あきらかにこっちの方が私好みの「物語」で困ったもんだな…。

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