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2008.02.09

「神は沈黙せず」、読了

神は沈黙せず〈上〉 (角川文庫)
 正月休みの終わりにGETした「神は沈黙せず」をやっと読了。
 幼少時に事故により両親を失った和久優歌は、何の落ち度もない人間に理不尽な死を与える神という存在に不審を抱いて生きてきた。同様に神の存在と真意に疑問を持ちその謎を解き明かしたいと願う優歌の兄は、仕事としたコンピューターの技術を駆使することでついに神の真実に到達する。しかし、自分が知った神の実像と人間存在の有り様にショックを受けた優歌の兄は、失踪してしまう。

 神とはどんな存在であるのか? というネタは特に目新しい物ではなく、SF好きには「ああ、あれね」と早い時期に想像がついてしまうのだけど(実際、上巻の早い段階でネタバレしている)、この話のメインはたぶんその部分ではなくて、そういう神の元にある世界でなお生きる落としどころにたどり着く過程なのかなーと思いました。しかも、その落としどころがちょー前向き。
 こういう前向きなオチは、キリスト教とかちゃんとした宗教をきちんと信仰している人にはどう感じるんだろうか。具体的に明確な「神」への信仰がない日本人だから、こういうオチにたどり着くしこれでまあいいんじゃないの? と思えるんだけど、それなりに敬虔な信者の方々には受け入れがたいというか、納得いかないんじゃないかなーと。でも、こういう神様だとこうとでも思わないとやってけないよね。
 さすがト学会会長だけあって、神の真実を追究する過程で出てくる超常現象の事例とその検証の量たるや膨大な物。ちょっとくどくないか? と言いたくなるほど。でも、超能力研究の実情ってそんなものなの? とあきれちゃう話もあって勉強にもなりました。いや、まあ、人間って信じたい物しか見えなくなる傾向はあるもんだけど、「研究」と銘打った場でまでそれじゃいかんでしょ。
 科学と人の心情の落としどころの食い違いって点では、こないだNHK教育でやっていた「知るを楽しむ 明治サイエンス事件帳」を思い出しました。

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