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2009.08.31

金額じゃないのよ、おいしさは

 コンビニスイーツが男性を狙い始めた今日この頃。昔に比べれば「オレ、ケーキセット」という男性を見ても驚かなくなりました。以前東京で仕事をしていた頃、コージーコーナーで千円のイチゴパフェを食べている壮年の男性を見て「うわー、男の人がパフェ」とちら見してしまいましたが、今はさして気にもとめないような。
 そんな時代だからか、@Niftyには「男子スイーツ部」ってのがある。ぶっちゃければ企業とタイアップしての男性向き菓子の開発経緯を記事化する、みたいな企画ページなだけに、Niftyにある本体のコーナーよりもBusiness Media 誠での記事の方がおもしろい。中でも「千円で甘いモノ何軒食べ歩けるか?」シリーズは東京在住ではないから実用性はないけど、楽しんでるお菓子がとても身近な感じがいい。
 なんたって千円。東京なら大金払えば(あと、並ぶなどの手間と時間を惜しまなければ)、日本で一番おいしいお菓子がなんぼでも食べられるはずなんである。しかし、敢えて千円。それなら記事読んで「私もっ」て思えるし、地元民なら「このあたりだったらあれって選択肢もあったのに」などと好みのツッコミを入れることもできるし。
 ちゅーか、今度上京する機会があったら、どこか一地区食べ歩いてみようかと思った。

 コンビニでもファミマは男のスイーツに力を入れてるけど、「男の」とつくとどれもこれもメガ的なサイズになるのは、あれは男性的には望むところなんでしょうか。例えばランチでも、女性は懐石風にいろんなものを少しずつが好きで、男性はチャーハンと餃子みたいな、まずボリュームに満足できれば種類の少なさは気にならないという違いがあるけど、お菓子の分野でもこの傾向は同じなんでしょうか。
 男のレアチーズとか男のモンブランとか男のティラミスを見るたびに、「…食べてみたい気もする。でも、途中で飽きる気もする」と結局見送る私としては謎です。

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2009.08.29

いつかわかること

 そんなこんなで接待ドラクエを終えて天神から帰宅すると、入れ食いのようにすれ違いの人が来て、私には当分いかんともし難いレベルの宝の地図をくださるのでした。こんなに少人数としかすれ違ってないのに、まさゆきも川崎ロッカーも来たよ…。日本の通津浦々をどれだけのデータが巡り歩いているのだろうとそら恐ろしくさえなってきますわ。さすが、出荷本数350万本。もはやゲームとしての出来うんぬんを置いて、プレイヤーの多さそのものが遊びとしての力を底上げしています。
 Wiiを初めてプレイしたとき、年寄りなりに長らくゲームをやってきて初めて感じた不思議なプレイ感覚に驚いたものだけど、DSの通信機能とプレイヤー数の多さがもたらすプレイ感覚にもびっくりしています。
 ゲームに興味のない人にはそれがどうした、でしょうけど、おそらく技術的には極めて初歩的なものの組み合わせでないものを感じさせるバーチャル感とか、ゆるいゆるいつながり感とか、体感した人にしかわからないし、それを知ってる人と知らない人の間にはなんとも伝えようのない距離ができてる気がします。
 大人は趣味の世界だからと割り切れることなんだけど。親と子の間で子どものやってることがさっぱりわからないというのはどうなんだかなあ…。世代が進むに連れて、共有できない分野がどんどん増えていくような。

 とか言いつつも。
 ドラクエはRPGなのでストーリー性のあるゲームなんですが、先日あるイベントをクリアして思ったことがあります。(以下、ドラクエ9のストーリーの一部をネタばれ)
 かつて恋人を置いて故郷の村を離れ、彫刻の修行に出た芸術家がいました。若い彼はいろんな土地を見、その体験を作品にして技術と感性を磨くのが楽しくて夢中で、すぐに帰るからと言いおいた恋人のことも忘れて諸国を旅して回りました。いつの間にか月日は流れ、故郷の村では彼を待つのに疲れ果てた恋人が別の男の愛情にほだされて結婚したことを彫刻家は風の噂に知ることになります。帰る場所を失った彼は石材の取れるある山にこもり、生涯をかけた作品を作りました。それは故郷の姿をそのまま引き写した彫刻の村。住民までもが再現されたその村には、あり得たはずの彼と恋人の住む家が作られていました。
 やがて彫刻家は老い、死のときを迎えます。彼は偶然手に入れた神の力を持つ果実に願いをかけます。この石の村が荒らされることがないように。自分の最高傑作が、故郷と恋人への思いが詰まった作品が死後も無事に残るようにと。けれども、人の手に余る果実の力は山を訪れる者全てを排除するモンスターを生み出してしまうのでした…。
 というわけで、プレイヤーは今は亡き彫刻家の願いが生んだ怪物を退治することになるんだけど。この彫刻家の故郷の村というのが、プレイヤーが以前訪ねたことがある場所なんです。プレイヤーと共に旅する性悪のギャル妖精が残された石の村を見て、「人間って不思議だよね。なんだか悲しくてバカみたい」みたいなことを言うのです。そして、改めてその村を訪れ、おそらく彫刻家の恋人だったおばあさんに会うと「あの人が生きてて、そんなものを残したなんて…。今さらそんなことを聞かされてもどうしようもないわ」というようなことを言うのです。
 おばあさんの言い分もわかる。でも切ない。
 と思ったとき、ヲタ宴会で一緒にマルチプレイをした小学校低学年の友だちの娘さんはこのエピソードをどう感じたんだろうなー、なんてことも思ったり。
 たぶん、まだレベル上げとかアイテムや装備の収拾とか、そういうのが楽しくて、人生のどうしようもなさなんてのはわかんないだろうけど。
 でも、いつか、も少し年をとって、もしかしてドラクエ9のリメイクとか見たときに「ああ、こういうので遊んだわー。そう言えばこんなエピソードあったなあ。そうかあ…」と懐かしんでほしいものです。(実際、ドラクエ5がリメイクされるたび、男プレイヤーたちは誰を嫁にしたかを話題にする。5における嫁選びのエピソードは世代を超えた記憶になってるなーと思う)
 子どもも大人もやってるゲームというのは、不思議な共有感と思い出を作ってくれる気がします。
 今はわからなくても、いつかわかる大人の味をさりげに味わっておいてくれ。

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2009.08.28

接待ドラクエ

 今の職場の派遣の同僚の娘さん達はどなたもヲタではないはずなのに、半数以上がドラクエ9をやっているという恐ろしさ。帰りのロッカールームで、バーゲンやデパ地下グルメと同じレベルですれ違い通信や転職の話題が出るとは。本当に国民的ゲームなんだな、と驚く私です。350万本は伊達じゃない。
 しかし、DSならではのマルチプレイを皆さんしたことがないと言う。私も先日のヲタ友だちとの夏宴会でやらせてもらったきり。そこで、マクドナルドで限定アイテムのダウンロードをしつつみんなでマルチプレイをしましょう、ということになり、天神の無線LAN対応マックに派遣四人でなだれ込みました。(ちなみに、ゲーム全く興味ない方へ。マルチプレイとはニンテンドーDSの通信機能で最大四人が一緒にゲームを遊ぶこと。簡易版のオンラインゲームみたいな感じ)
 しかし、週末の夕方のマックって今こんなに混んでるのか…。最近足が遠のいていたから知らんかった。そりゃ、このド不況下でも前月比増! とかってなるよなー。その上、一緒に行った娘さんたちはケータイやチラシのクーポンをみなさん事前準備済み。聡い…。どんくさいおばさんはクーポンをわけていただきました。
 何分誰もマルチプレイやったことがないので、席でポテトをつまみながらあーでもないこーでもないと手探りしつつ、今一番進んでる某さんのDSをみんなで訪問。「何する? どこ行く?」「うーん。地図かなあ」「安全そうなのある?(プレイヤーにレベル差があるから。特に私が激低)」「これなら大丈夫かも。でも、入り口がどこだったかなあ」「あ。それ憶えてる。確か船着き場の近所だよ」などなどやってない人にはイミフなやりとりをして、やっとみんなで宝の地図に潜る。「ついてきてるー?」「階段、どっちだっけ?」「ごめーん、ザコに捕まった」「ちょっと待っててー」と、会話だけ聞いたら町中に遊びに出た高校生か何かのようだけど、実際にはオーバー20の娘さんたち&おばさんの一団なのである。
 それにしても、みんなすんごい強いし、いろんな装備持ってるし、称号も違うし、いいなあ。私も早くいろんな通称を名乗りたいよ。
 自分ではまだ入ると瞬殺状態の宝の地図に潜らせてもらい、先日のヲタ宴会で教えてもらったはぐれメタルの湧く高台でみんなでレベル上げに勤しみ、残りのポテトが冷えきった頃、「堪能したー」と解散になりました。いいトシした大人の女性たちが金曜の夜にマックでゲームして健全に帰宅(笑)。すごい時代になったものだ。

 それにしても、わたくし、一人で図抜けた低レベルだったので、地図での戦闘は何の戦力にもなれずほとんど「ぼうぎょ」一点張り。唯一、ザオラルが使えるキャラというのがウリという情けなさ。でも、皆さん暖かく守ってくださり、一人がしがしレベルを上げてしまいました。ほんと、接待ドラクエです。
 みなさん、一緒に遊んでくれてありがとうございました。

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2009.08.16

Twitterはじめました

 冷やし中華じゃなく。
 夏バテでしんどく、長文がひねれないカラダになってるもんで、当面はつぶやいておこうかというくらいのノリで始めました。右の柱の四角内でつぶやき中。

 ところでTwitterはフォローしてナンボとか言いますが、とりあえず100人くらいフォローしてみましょうと言われてもね…。そんな度胸のない私が一人目にフォローしたのはガチャピン(爆)。

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2009.08.07

阿修羅を見に行きましたよ

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九州に夏が来ました... orz。

 このところ日記も書けない日々が続いていて、と言うのも、例によって例のごとく夏バテ絶好調で脳みそが文章を作れないからなのですが、しかしどうしても阿修羅像を見に行きたかったもんですから、盆休みの代わりに一日有給を取り出かけてきました。
 何しろ休日の来館者数一万人、最長で待ち行列が二時間と聞きまして。
 この身体で二時間待ちは無理! それに、平日の朝イチで出かけたら午後死ねるし、土日も死ねるし。<どれだけ身体に対して弱気。
 社会人としてどうか? ではありますが、特別休暇もリフレッシュ休暇もない派遣なので、勘弁してください。

 去年フェルメールを見に行ったときにいただいたアドバイスに従い、今回も朝イチの開館時間を狙って出かけました。出勤時と同じ時間に起きて準備すれば、だいたいその時間に着くはずという目算です。先日までの明けない梅雨空から一転、急激に夏が本気出してきた空模様でニュースでは猛暑と言い張っており、早くも心が折れそうになりますが、今日の決心を翻すともう二度と腰が上がらないのがわかっているので無理無理に家を出ます。会場に向かう電車は通勤ラッシュを過ぎているので年配の方や学生、家族連れが多くのんきな雰囲気。でも、この中には阿修羅狙いの人もそれなりに含まれているはずで、なんとなく心が競争モードに。会場である九州国立博物館がある太宰府駅からはフェルメールの時の上野駅→上野公園のような人の流れで、デジャビュを見ているような気分。そして、エスカレーターを登りきり会場正面に出た瞬間にどーんと目に入ってきたのはすでにとぐろを巻いている行列でした。
 そんなバカな。だって、平日で今開館したばかりの時間でしょ!?
 目論見が外れて思わず膝をつきそうになった時(<おおげさ)、「フィギュア購入の方はこちらにお並びください」の札。ああ、例の大人気海洋堂製の阿修羅フィギュア、今日は売ってるんだ、それ目的の人用の行列なんだ、とほっとしました。フィギュアを買わない人はすぐに会場に入れました。ずんずん進んでエスカレーターを上がり、三階にある「国宝阿修羅展」会場へ。フロアには行列用のロープは張ってあるもののさして並んでいる人もおらず(フィギュアトラップに行列が吸収されたせいかも)、すらっと中に入りますと。
 すでに人がぎっしり。動けないほどではないけども、開場直後とは思えない入り。がつがつ歩いてきた身には、それなりに冷房が効いていても風のない室内、かつ人の多さが発する熱が最初はつらく、どっと汗まみれに。ハンカチを握りしめ、興福寺の所蔵品を眺めつつ奥へ進むとそこに今回の主役、阿修羅像が暗がりの中にピンスポで浮いていたのでした。
 夏バテでへばっていて目がおかしかったのかもしれませんが、妙に現実感がありませんでした>阿修羅像。ライティングの加減なのか、ホログラフィみたいに見えた。質感が薄いというか。
 そして、予想通り阿修羅の周りは人だかり。ライブハウスのかぶりつきの様だ。<どんなたとえ。東京の展示は片面に高低差があるスロープを配していたので後ろからも全体が見えやすかったみたいだけど、福岡はフラットな台座の上に乗せてあるだけだからちびっこが後ろにいると足下がまるで見えない…。しかも人は見たいものの前ではどうしても立ち止まってしまうため、阿修羅正面に分厚い人の壁ができてしまう。
 これを動かすために係員の方がしばらく置きに「後の方のためにあと五歩動きましょう、はいっ」と声をかけて観客を誘導してるんですが。あの人だかりに取り巻かれて大声出してたら一日で相当痩せると思う…。<痩せる前にバテます。たぶん、一時間交代くらいでやってらっしゃるんでしょうけど。
 でも、阿修羅のみならず全展示品、50cmくらいまでの至近距離で見られて、残ってる柄や作りをしみじみ観察できるチャンスは、私の人生ではこれが最初で最後だろうなと思いました。阿修羅を含む八部衆も見応えがありますが、四天王立像もデカい分迫力があっていい感じ。八部衆が静ならこちらは動。木彫りだから出せるダイナミックさが圧巻でした。
 阿修羅ってなんであんなに頭身バランスいいんだろうって不思議でしたが、あれはきっと頭部が三面だからじゃないかと。他の六部衆はみんなちょっと頭が大きいのです。他のと同じくらいの頭の大きさだけど顔が三つあるから一つあたりが小さくなって、結果八頭身の仏像なんてものに仕上がったのではないかと素人心に思ったり。
 
百億の昼と千億の夜 (ハヤカワ文庫 JA (6))

 私がバテきった身体を押して阿修羅を見に行ったのは、SF者として当然のように「百億の昼と千億の夜」の影響あってのことです。他の何に書かれた阿修羅であってもあの話の阿修羅にはなり得ない、唯一の起源である「あしゅらおう」にやっぱ一目会っておかなきゃって思ってしまったのです。
 帝釈天に永遠の負け戦を挑む戦神を、なぜこんな憂いのある少年のような造形にしたのか、現物を見ても不思議でなりません。あの表情の、深い意味を仮託できる仕上がりも不思議。「モナリザ」の笑みを神秘の笑みと言うけれど、青年の苦悩と浄化みたいなものが読み取れる阿修羅の顔立ちの方が日本人の情緒的には好みのような気がする。
 私ごときには結局なんにも読み取れなかったんですが、でも会ってよかったです。「百億」読み直そうかな。

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入場行列と物販の人だかり。みうらじゅんの仏像著作が並んでいるのはどうかと...。

 二時間ほど中をうろうろ堪能して出てくると、外の様子が一変しておりました。一階に行列整理のロープが貼ってある。会場へのエレベーターにも進むには制限がかかってる。それどころか、行列は外まではみ出してました。ええー、こんな暑い日に外に行列!?(ちゃんとテント張って日よけは作ってある)熱中症対策用にテントの周りには水気を供給するミストが散布されているのですが、その湿気がむしろもわもわと不快指数を上げてる面もあり、どうしたものかという感じです。
 まだ昼前なのに…。やはり朝イチ攻撃は正しかった。平日でこれじゃあ、週末はどうなってるんだろうと恐ろしくなりました。

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一階の行列 エスカレーターに乗る前

 行く予定の方は、とにかく朝早く、です。県外の人が到達しづらい時間に会場にたどり着く。行列の中には日本語じゃない会話も多々含まれていたので、遅い時間になると競争相手は国外にまで及ぶようです。(団体さんが何組もエスカレーターを上ってきてた)フィギュアの販売がどのような間隔で、一回あたり何個入荷しているのかわかりませんが、私が行った日には一通り見て出てきてからもまだ在庫があった模様。「絶対買いたい!」という方以外は、行列の長さによってはバクチ打って先に入場してしまった方がいいかも…。
 人気もんだ、阿修羅像。

 さて、その後ですが、家に着いたら当然のようにヘバりましたとさ orz。

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これだけVQ1015で撮ったものです。他のは見切れてる写真が多くて...。

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