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2009.12.27

男なら見ろ

 今年ももう数日で終わりだそうで、何か振り返ることがあればいいけども、年半ばは暑さで終わりの方は貧血だかなんだかで不調を被って特に何もできないうちに過ぎたというていたらく。来年どうにかなるあてもないのが困ったとこだけど、とりあえず当面仕事があるだけでも今のご時世ありがたいことなのでがんばっていくしか。生産性については、そんなわけで様子見の日々です、すみません。
 いかんともしがたいヲタのはずだった私もすっかりTVのアニメを見ず、というか、そもそも民放をむちゃくちゃ見なくなり、つけてるTVのおそらく八割近くがNHKです。NHKけっ、という人はたぶんそもそもTV見てない人じゃないかと思われ。だって、それで他に民放の何を見るのかと思うくらいこー。予算削減のあおりなんだか、一部の良心的な番組と冴えたバラエティ以外はこれってものはないですよねえ…。<と、見てないやつが言うな。

 そんなわけで来年も引き続きNHKの回し者化していく所存のわたくしが年末に見て燃え燃えになったのがハイビジョン特集「出動 空飛ぶ消防士」。11月に「Wonder×Wonder」でやったものの長尺版と言いましょうか。シベリアのタイガで起こる森林火災の消火に挑む消防士さんたちの特集です。
 これがもー! ザ・男の仕事!!! って感じで見てて燃えるし頭が下がる。
 森林火災は昔からあったものの、温暖化の影響か最近は全世界で発生件数が増え気味。夏のシベリアでは乾燥のために積乱雲の雨は地上に届かず、雷だけが森に落ちる「ドライライトニング」が多発して、これが森林火災を引き起こす。放っておけば莫大な面積が焼け野原になり、近隣の集落の暮らしに被害が及ぶ(延焼に巻き込まれるというだけでなく、森からの収穫が得られなくなる)。地球に酸素を供給する貴重な森林が失われることにも繋がり、これを鎮火するための消防隊がロシア各地に配置されているんだそう。
 初期消火に向かうチームは五人編成で、道路もなくヘリの着地スペースも確保できないことが多い場所だけに隊員たちはパラシュート降下で現場に向かう。わずかな平地は夏場にできた沼などのケースもあり、ぬかるみの中に着地して泥だらけになることも。大量の水や消火剤を運ぶのは不可能な火災現場での彼らの武器はチェンソーやスコップ。風向きや木々の生え具合から延焼の方向を見極め、地面に幅30cmの溝を掘っていく。初期消火であればこれで規模の拡大が防げるんだそう。でも、たった五人でひたすら溝を掘り続けるんですよ…。完全鎮火を見届けるまで仕事は続くので、いったん出動したら十日近く森の中で暮らすことも少なくなく、水を探し池で身体を洗い缶詰と乾燥食材などで食事を作る生活はなんだかサバイバル。
 しかも火災は増える一方で、一カ所の初期消火にめどが立ったとたんにまた別の現場に飛ばされることも多々。もちろん初期消火では間に合わないこともある。乾燥したタイガでは積もった落ち葉が腐って堆肥になりきれず、落ち葉の層になっていることもあり、ここと木の根を伝って火が地面を這い進んでいく。これもひたすら地面を掘り、見つけたわき水で一つ一つ鎮火。途方もなく気の長い肉体労働が続く。だから、出動の無い日には身体作りが欠かせません。
 ソ連時代はそれなりに厚遇で装備も賃金も仕事に見合っていたようだけど、ソ連崩壊後は予算の削減が続き、ヘリも機材も老朽化が進み、薄給に耐えかねて職場を去る人が増えたとのこと。でも、現場に残った人々は過酷な仕事にやり甲斐を見つけて、日々出動して行くのです。
 取材した部隊の無線係は精鋭パラシュート部隊隊長の奥さん。夫は隊配属間もない隊員時代に着地に失敗して大ケガをし、一年近くも病院で過ごしたことがあるのだとか。出動の多い夏の三ヶ月は家にもほとんど帰らないため、2人の子どもと家を守る。危険な仕事だし、本当は早く辞めてほしいと思うけれど、とおっしゃっていたけど、隊長の働きぶりからしてそれは叶わぬ望みのような…。

 とにかく「男ならこれを見て燃えろ!」と言いたくなる、すごい番組です。再放送を見かけたらぜひ。地上波のみの方は「Wonder×Wonder」版でも。
 ちなみに長い仕事から帰ってきた隊長と奥さんは固く抱擁。最後に垣間見えた夫婦のらぶらぶぶりも、過酷な仕事に立ち向かう夫への信頼と尊敬の成せる技でしょう(笑)。

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