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2009.12.22

あきたなあ

 その人は20代後半。ちょっときつめの顔立ちながら、たぶん誰もが美人にカテゴライズすると思う。グラマーではないけどスレンダーで、かわいい服もかっこいい系の服もほどよく着こなします。そして、見た目に反して気さく。ざっくばらんな物言いも取っつきやすさを感じさせます。
 何より既婚(笑)。転勤族ながら固めの職に就くダンナは、ツーショットの写真を見た誰もが「かっこいーじゃん」「美男美女のカップルよねー」と言います。ってことは、世間的には婚活女子がうらやむいわゆる勝ち組。人生には憂うことはない、ってのは人間である以上無理だけど、日々そこそこ安定した気持ちで過ごしていけるはずの人。
 その彼女とたまたま帰宅時間が同じで、職場の出口で一緒になったときのこと。彼女は何気なくこう言ったのです。
「あー、あきたなあ」
 何に飽きたのか、実はすぐにわかってしまいました。その人は重々しく言うと、生きることってゆーか人生に飽きたと言ってたんです。
 女子ロッカーでの会話でそれを感じさせることをちょこちょこ口にしてはいました。「特にこれってやることないんだよねー」「ダンナに何が楽しくて生きてるの? って言われちゃってさ。確かに何もないなと思って。でも、それってお互いさまっていうか」
 別に、だから死んじゃいたいとか、毎日がつらいとか、そんなことはない。日々はそれなりのちょっとした楽しみとともに過ぎてはいるんだと思います。でも、たぶんこっぱずかしい言い方をするとはっきりとした生き甲斐、みたいなものがないんだろうな、と。
 これがあるから人生楽しいよね、っていう趣味がないのかもなあ…。
 いや、私も人様に胸張って言える趣味とかないけどさ。とりあえず老後に読まなきゃならない本とか、見逃したままになってる映画とか、ぼんやりしに行きたい場所とかいろいろあるんだよ。ささやかだけども。

 「年取るとどんどん時間過ぎるの早くなるから。20代より30代はびっくりするほど早く過ぎるから」と彼女に言ったら、「そうですねー、小学生のときとか今考えると六年間ものすごく長かったですしねー」と笑ってました。「あきたなあ」は別に思い詰めてではなくなんとなく言った言葉で、深刻さは欠片もない。
 でも、何気なく人生に飽きることができるってなんだかすごいなあと思いました。<物欲にあふれる命根性の汚い世代のわたくし。

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