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2010.01.17

ちょっといい、せつない話

 今朝の新聞の読者の投稿欄「ひととき」の記事。
 73才の女性。冬になると乾燥で背中がかゆくなり、毎年病院に薬をもらいに通われているよう。「背中に薬を塗ってくださる家族はおられますか?」という先生の質問に「はい」と答え続けてきたのが今年はついに「先生、いなくなりました」と答えることに。

 夜、風呂から上がって、夫のそばで上着をまくし上げ、背中を丸めて座ると夫は「何も出来ていないきれいな肌が何でかゆいのかのう」と言いながら、こたつで暖めた大きな手のひらに薬をつけて、隅々まで丁寧に塗ってくれた。

 終わると「ハイ、塗り賃千円頂きます」と冗談を言い、2人で笑った。

 先に夫に先立たれた友だちが背中かきを使って薬を塗ると聞いていたのでそれをまねしたら、背中かきの冷たさがしみて、夫のいない寂しさ悲しさに一人泣いた。

 という内容を読んで、50年の夫婦生活はもしかしたら恋愛で始まったのでもなく楽しいことばかりだったのでもなく、ケンカや行き違いや生活の苦しさなんかもたぶんあったのだろうけど、でもよい歳月を重ねられたのだなあとしみじみした。伴侶を亡くした悲しみはそれは深いものだろう。でも、今時の周囲の若い女性たちから聞く恋愛とか結婚の難儀さはかなさを思うと、伴侶とそれだけ情にあふれた関係を築き上げられた人生の豊かさがしあわせなものと見えてしまうんである。
 一時ネットで話題になった、googleの検索欄に「夫」その後にスペースを打ったときに何が出るかってのを考えるとなおさら。(あれは何であんな候補が出るんですかねえ。ほんとにあんな言葉で検索する人が多いの?)

 ネットでよく見かける男性の女性評も殺伐としたものが多いし、恋愛結婚主流になってから恋愛と結婚がどんどん夢見がちになり、その分実地でのガッカリ感が増し、男女が互いに相手のことを「高望みし過ぎ」みたいに言いあうようになってる気がするですよ。おばさん、最近そういう愚痴半分相談半分みたいな話を聞き過ぎなんでしょうか。
 昔の結婚のあり方がいいものばかりだとは思わないけど、悪いばっかりでもなかったんじゃないかと思う今日この頃。

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2010.01.09

私が読みたい二次創作

 ってこういうタイプだったんだなあ、と改めて思い知らされた。
 梶尾先生の「時の風に吹かれて」に収録された「鉄腕アトム メルモ因子の巻」なんである。
 これは以前、徳間のデュアル文庫で企画された手塚作品のトリビュート本に参加した作品で、他の参加作家の皆さんはそれぞれのアプローチで作品を仕上げてらっしゃる中、梶尾さんは敢えて原作のラインナップにはまるような、原作のワンエピソードっぽい話を書いた。そういう方針にしたのにはご本人なりの判断あってのことだろうけど、梶尾さん世代のあまりキャラ周りにべったりしない文体とアトムのころのマンガのさっぱりとした作風がよくマッチしていて、より原作っぽさが出ている。ゲストの女性ロボットの設定やキャラクタ、アトムの中性的な雰囲気も手塚作品っぽい気がする。(気がする、というのは、私があまり手塚のよい読者じゃないからだ)
 で、ネタはなかなかSF作家らしいもの。いや、アトムがそもそもSFマンガなんだけども。
 さすが手塚マンガ好きの梶尾さん。原作をちゃんと消化して自分のフィールドも盛り込んで、作品を仕上げてらっしゃる。<だから、プロになんという上から目線。

手塚治虫COVER エロス篇 (徳間デュアル文庫)
 元々収録のアンソロジー本。後からたまたまBOOK OFFでチェックした。

 実はわたくし、二次創作なるものを読み始めたとき、こういうタイプのものが主流だと思い込んでました。
 もう書かれることのない原作を、しかしもっと読みたいじゃないの。梶尾さんみたいなプロ作家のレベルの出来なんてのはむろん無理なんだけども、でも素人のファンならではの視点でだって結構いけるのが書けるはず。私はそういうのが読みたいなーと思ってて、だから一般にも同意見の人が多いんだろうと考えたのでした。バカだった。私はだいたいいつも、どこに行っても少数派だってのに。
 そもそもこー。801とか、そういうのが隆盛してる時点で、原作の間にはまってありそげなエピソード書こう派が大多数のはずがないわけで。
 あれからだいぶ経ちまして、私も現実の二次創作界の傾向というものをよくよくわかってはいるのだけども、今でもやっぱり夢を見てるのです。原作のこの世界観を消化して、贋作みたいな方向性の二次を書こうという人がもっともっと出てこないかなあ…って。
 原作では絶対なさげな、でもあればいいのに的な妄想を充足してこそ二次だってのは、もうほんとわかってんですけども。

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2010.01.08

「時の"風"に吹かれて」、読了

時の“風”に吹かれて (光文社文庫)

 いろんなアンソロジーに発表した短編を再度まとめた本。
 なので、一冊の本としてのまとまりはよくない。想定読者層もばらばらだし。奇妙な味の物語多目? なので、理屈っぽい背景がほしい向きには食い足りない作品が多いと思う。
 そういう意味では、ある程度梶尾さんの作品を読みつけた人の本とも言える。初心者はハヤカワあたりの作品のトーンのそろったアンソロジーから手にとっていただきたい。でなかったら、短編集としてまとまりのいい、梶尾さんの十八番でもあるタイムトラベルロマンスものの「クロノスジョウンターの伝説」とか。

クロノス・ジョウンターの伝説∞インフィニティ (ソノラマノベルス)

 しかし、しょっぱなが「時の風に吹かれて」なのはずるい。全編こういうトーンでいくのかと思っちゃうじゃないか。

 こういう書き方をするということは、実は一冊の本としてはあんまり評価が高くないってことなのね。梶尾さんの本なら、もっと読むべきいい本がたくさんあります。
 ただ、個人的には「鉄腕アトム メルモ因子の巻」が読めたのは収穫でした。これについては別項。

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2010.01.05

冬効率のいい身体

 年末から九州なりにぐっと冷え込み、気の迷いで買ったユニクロの子供用ダウンが大活躍しています。元々寒さには強い方なんで暖かさという点で問題はなく、薄手なところがむしろ満員の通勤電車には向いている。
 しかし、暖冬じゃなかったのかよ>今年。去年より寒い気がするが。長期予報ってほんとにむずかしいのだな。
 それにしても、この寒さの中改めて感じるのは、自分の身体の熱効率の良さ。布団に入ればそれほど立たないうちにつま先までちゃんと暖かくなるし、ちょっと厚着すれば体温がまるっと行き渡ります。手袋忘れて冷え冷えした手でも部屋に戻ればかーっと血が巡りだすし、ダウン着てがんがん歩けば職場に着くころにはうっすら汗をかくことすら。九州程度の寒さなら、耐えられんって気にはなりません。ヒートテックに欠片の魅力も感じないわたくし。
 九州程度って言っても、福岡は日本海側なんで東京とそんなに変わらないけども。(と以前住んでた感覚で思う)
 わたくし、貧血なのだが。血が足りないのと血の巡りは関係ないのか。
 そんなわけで、心の底から冬がつらいと思うことなく過ごしておりますが、こんだけ熱効率がいいというか発熱する身体だと、そりゃあ夏つらいよね。と、自分に納得。冬でもがんがん歩いたらそれなりにあったかくなるんだから、夏にちょっと歩いたら全身熱だるまです。もしかしたら、じっとしてても発熱です。ハンカチ二枚、下手すりゃ三枚欲しいくらい。太ってると汗をかきやすくなると言いますが、昔より体重増えたのは確かだけども「デブっ!」ってほどでは、まだないと思うんだがなあ…。<希望ですか?
 春先から初夏にかけては、気候的には大好きなんだけど、近々夏が来ると思うと全開でよろこべない…。
 夏も冬も快適ってわけには、人間いかんのだなあ。片方だけでも楽に過ごせるのをありがたく思わねば、なのだろう。<自分に言い聞かせ中。

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