2010.02.02

わかってる人々

 久々に古い日記を投下して表示テストをした際に検索フレーズランキングが目にとまる。爆笑。
 「狭い脳内 鉄人」「狭い脳内 ショタコン」「狭い脳内 マクロス」で検索してくださった皆さん、ありがとうございます(笑)。確実に見つかるワードをセレクトしてくださったのだと思います。<自覚。
 往時に比べたらすっかりと落ち着いた感のある私のショタ趣味ですが、「乙嫁語り」の紹介で『美貌の娘・アミル(20歳)が嫁いだ相手は、若干12歳の少年・カルルク。』とあるだけで「なにー、読んでみようかしら!」と食いつくくらいの邪念は残っております。<それもどうかと。
 あと二十歳ずつお互いに年取ったら、それほど「なにー!?」感がないのにねえ。不思議だねえ。

 「出動 空飛ぶ消防士」で検索が増えてるのは、日曜にBShiで再放送があったからかな。「タイガ」の「森林火災」を「パラシュート」降下で消しにいく消防士さんの番組ですから、このキーワードでたどり着かれるのもなるほど。

 でマンガ好きはとうにご存知でしょうが、「なにー?」な「乙嫁語り」はこれ↓

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)

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2010.01.17

ちょっといい、せつない話

 今朝の新聞の読者の投稿欄「ひととき」の記事。
 73才の女性。冬になると乾燥で背中がかゆくなり、毎年病院に薬をもらいに通われているよう。「背中に薬を塗ってくださる家族はおられますか?」という先生の質問に「はい」と答え続けてきたのが今年はついに「先生、いなくなりました」と答えることに。

 夜、風呂から上がって、夫のそばで上着をまくし上げ、背中を丸めて座ると夫は「何も出来ていないきれいな肌が何でかゆいのかのう」と言いながら、こたつで暖めた大きな手のひらに薬をつけて、隅々まで丁寧に塗ってくれた。

 終わると「ハイ、塗り賃千円頂きます」と冗談を言い、2人で笑った。

 先に夫に先立たれた友だちが背中かきを使って薬を塗ると聞いていたのでそれをまねしたら、背中かきの冷たさがしみて、夫のいない寂しさ悲しさに一人泣いた。

 という内容を読んで、50年の夫婦生活はもしかしたら恋愛で始まったのでもなく楽しいことばかりだったのでもなく、ケンカや行き違いや生活の苦しさなんかもたぶんあったのだろうけど、でもよい歳月を重ねられたのだなあとしみじみした。伴侶を亡くした悲しみはそれは深いものだろう。でも、今時の周囲の若い女性たちから聞く恋愛とか結婚の難儀さはかなさを思うと、伴侶とそれだけ情にあふれた関係を築き上げられた人生の豊かさがしあわせなものと見えてしまうんである。
 一時ネットで話題になった、googleの検索欄に「夫」その後にスペースを打ったときに何が出るかってのを考えるとなおさら。(あれは何であんな候補が出るんですかねえ。ほんとにあんな言葉で検索する人が多いの?)

 ネットでよく見かける男性の女性評も殺伐としたものが多いし、恋愛結婚主流になってから恋愛と結婚がどんどん夢見がちになり、その分実地でのガッカリ感が増し、男女が互いに相手のことを「高望みし過ぎ」みたいに言いあうようになってる気がするですよ。おばさん、最近そういう愚痴半分相談半分みたいな話を聞き過ぎなんでしょうか。
 昔の結婚のあり方がいいものばかりだとは思わないけど、悪いばっかりでもなかったんじゃないかと思う今日この頃。

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2010.01.09

私が読みたい二次創作

 ってこういうタイプだったんだなあ、と改めて思い知らされた。
 梶尾先生の「時の風に吹かれて」に収録された「鉄腕アトム メルモ因子の巻」なんである。
 これは以前、徳間のデュアル文庫で企画された手塚作品のトリビュート本に参加した作品で、他の参加作家の皆さんはそれぞれのアプローチで作品を仕上げてらっしゃる中、梶尾さんは敢えて原作のラインナップにはまるような、原作のワンエピソードっぽい話を書いた。そういう方針にしたのにはご本人なりの判断あってのことだろうけど、梶尾さん世代のあまりキャラ周りにべったりしない文体とアトムのころのマンガのさっぱりとした作風がよくマッチしていて、より原作っぽさが出ている。ゲストの女性ロボットの設定やキャラクタ、アトムの中性的な雰囲気も手塚作品っぽい気がする。(気がする、というのは、私があまり手塚のよい読者じゃないからだ)
 で、ネタはなかなかSF作家らしいもの。いや、アトムがそもそもSFマンガなんだけども。
 さすが手塚マンガ好きの梶尾さん。原作をちゃんと消化して自分のフィールドも盛り込んで、作品を仕上げてらっしゃる。<だから、プロになんという上から目線。

手塚治虫COVER エロス篇 (徳間デュアル文庫)
 元々収録のアンソロジー本。後からたまたまBOOK OFFでチェックした。

 実はわたくし、二次創作なるものを読み始めたとき、こういうタイプのものが主流だと思い込んでました。
 もう書かれることのない原作を、しかしもっと読みたいじゃないの。梶尾さんみたいなプロ作家のレベルの出来なんてのはむろん無理なんだけども、でも素人のファンならではの視点でだって結構いけるのが書けるはず。私はそういうのが読みたいなーと思ってて、だから一般にも同意見の人が多いんだろうと考えたのでした。バカだった。私はだいたいいつも、どこに行っても少数派だってのに。
 そもそもこー。801とか、そういうのが隆盛してる時点で、原作の間にはまってありそげなエピソード書こう派が大多数のはずがないわけで。
 あれからだいぶ経ちまして、私も現実の二次創作界の傾向というものをよくよくわかってはいるのだけども、今でもやっぱり夢を見てるのです。原作のこの世界観を消化して、贋作みたいな方向性の二次を書こうという人がもっともっと出てこないかなあ…って。
 原作では絶対なさげな、でもあればいいのに的な妄想を充足してこそ二次だってのは、もうほんとわかってんですけども。

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2010.01.05

冬効率のいい身体

 年末から九州なりにぐっと冷え込み、気の迷いで買ったユニクロの子供用ダウンが大活躍しています。元々寒さには強い方なんで暖かさという点で問題はなく、薄手なところがむしろ満員の通勤電車には向いている。
 しかし、暖冬じゃなかったのかよ>今年。去年より寒い気がするが。長期予報ってほんとにむずかしいのだな。
 それにしても、この寒さの中改めて感じるのは、自分の身体の熱効率の良さ。布団に入ればそれほど立たないうちにつま先までちゃんと暖かくなるし、ちょっと厚着すれば体温がまるっと行き渡ります。手袋忘れて冷え冷えした手でも部屋に戻ればかーっと血が巡りだすし、ダウン着てがんがん歩けば職場に着くころにはうっすら汗をかくことすら。九州程度の寒さなら、耐えられんって気にはなりません。ヒートテックに欠片の魅力も感じないわたくし。
 九州程度って言っても、福岡は日本海側なんで東京とそんなに変わらないけども。(と以前住んでた感覚で思う)
 わたくし、貧血なのだが。血が足りないのと血の巡りは関係ないのか。
 そんなわけで、心の底から冬がつらいと思うことなく過ごしておりますが、こんだけ熱効率がいいというか発熱する身体だと、そりゃあ夏つらいよね。と、自分に納得。冬でもがんがん歩いたらそれなりにあったかくなるんだから、夏にちょっと歩いたら全身熱だるまです。もしかしたら、じっとしてても発熱です。ハンカチ二枚、下手すりゃ三枚欲しいくらい。太ってると汗をかきやすくなると言いますが、昔より体重増えたのは確かだけども「デブっ!」ってほどでは、まだないと思うんだがなあ…。<希望ですか?
 春先から初夏にかけては、気候的には大好きなんだけど、近々夏が来ると思うと全開でよろこべない…。
 夏も冬も快適ってわけには、人間いかんのだなあ。片方だけでも楽に過ごせるのをありがたく思わねば、なのだろう。<自分に言い聞かせ中。

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2009.12.29

納得いかないお悩み相談

 リビング新聞というフリーペーパーがある。全国で地域ごとに発行されているんで、別内容ながら「リビング○○」とか「シティリビング」とかってぺらっとしたフリペを読んだことがあるという女性は多いと思う。
 女性、というのは基本的に女性をターゲットにしたフリーペーパーだからで。福岡でもオフィス用とご家庭用と二種類出てて、私も職場でOLさん用、家に投函されてるので家庭用の両方を目にする。特に娯楽もののないオフィスで休憩時間に読む活字はそれなりに貴重だったりするんで。
 何分「フリー」なんで広告だらけなのは仕方ないし、飲食店のクーポンが役に立つこともあるから、細々したことは言うのもヤボなんだけど。それでも最近、目にするたびもにゃーっとした気分になるのが「カウンターにいらっしゃい」という悩み相談。中州のママさんが読者のお悩みに答えるというコーナーなんだけども、その悩みの解答がこー。読んで釈然としないのです。単に私の価値観と合わないだけなんだろうけども。
 先日もにゃーっとなったのが「ダンナが送ってきたデートのお誘いメールが明らかに自分宛でなかった。ジョークメールだと言い訳されたもののすっきりせず、思い切ってケータイを覗いたら浮気っぽい内容のメールを発見。だまって様子を見ているけれど、事態は進行しているようでちゃんと釘を刺した方がいいでしょうか?」みたいな相談。答えは「殿方にはそういう気持ちがあるもの。夫婦というのは長い人生片目をつむってやっていくものです。はっきりさせたところで、それで別れようとなったらどうしますか? そもそも彼の携帯を見たのが間違いだったのです」みたいなお返事に思わずはあ? 片目をつむるのは互いの欠点に対してで、浮気はどうなのよー。女好きも欠点といえばそうかもだけど。それに、ケータイだって闇雲に見たんじゃなくてウラがあるから見たんだし。紳介の言うとおり「ケータイの中には妻のしあわせはない」としても、こいつ浮気してるなーと思いながら平気な顔して一緒に暮らしていけるかというと、今時価値観としては無理じゃないですか。

 目にするたびにもにゃるのでなるべくスルーしていたお悩み相談、またもやウッカリ読んでしまったのがこれ。(解答のテイストを紹介したく、以下まるっと引用)

 「付き合っている人の、大阪への転勤の話が出ました。姉は東京で旦那さんの両親と同居。私も結婚を考えていますが、住み慣れた土地にいたいと言う母を残して、大阪に行くか悩んでいます。31歳」
「チャンスは逃したらいけませんよ。31歳、結婚の一番の別れ目、このままではオールドミスになるかもしれません。いろんな女性が『あの時、結婚していたら今頃は子どももいて、少しは楽しく過ごせたのに』…なんて言っている話をよく聞きます。それはあなたが悪い。人間は決心をする時には決めないといつもズルズルと人生を生きなければいけなくなるよ。
 子どもの産めない年になって『あの頃…』なんて言われても、その時私がそばにいたのなら「今よ」と背中を押せるけど、今となっては「人生は出会いだから知り合った時期が遅かったのね」と言うしかありません。あなただって、そうたくさん恋愛したとは思えません。初めてのプロポーズだとも思いませんが、今が年齢的に最後のチャンスだと思います。親は子どもの幸せを望んでいるはずです。
 相手の方の経済的なことはわかりませんが、二人で母親を説得してみてはいかがですか。それでも母親が断ったら、まだ一人で暮らしていける、と体に自信があるのだと思います。そうやってあなたが結婚して大阪に行き、本当に一人になった時に寂しくなったり、食事の用意すらすることができなくなったら住み慣れたところを離れたくないなんて言えなくなるでしょう。
 友人や近所の人が何かしてくれるわけがないんだからと悟ると、やはり娘のところに行こうと必ず思われるでしょう。あなたが親に対する心を鬼にして、何が何でも結婚することが第一だということです。
 親孝行なあなただから、気持ちに負けてここで結婚しなかったら、十年先にはオールドミス、お母さんは他界されたあと、一人で後悔しても誰も助けてくれませんよ。「さあ、早く」と肩を押してあげたいです。お願いだから」

 …オールドミスって久しぶりに聞いた。まだ死語じゃなかったのか。
 親御さんも心配でしょうけど、今はご自分の幸せを第一に考えましょう、という結論に対しては、特に異を唱えはしませんけども、読み終わると「なんかこー。びみょーにもやっと感が…」と思うのはなぜなんだろう。結論は同じでも、そこに至る価値観が昭和っぽいというか…。
 オフィス版は私より遥かに若い世代がメイン読者だと思うんだが、この解答に「そうよね!」と納得しているのだろうか。なぞ。

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2009.12.25

みんな違ってみんないい

 子どもの頃からケーキ好き。
 小学生のときに台所に立つ気になったのは、ひたすらホットケーキが食べたいからでした。(ホットケーキが「ケーキ」かを追求しないように)
 おかんが作ってくれるのを待っていたら、次がいつかがわからない! だったら自分で作ればいいのだ、というのが私の発想。それをきっかけにクッキーだ、シュークリームだ、なんだかんだとお菓子を作るようになり、しかしスポンジケーキだけはことごとく負けの出来が続き、15cm型のへしゃげたスポンジを泣く泣く一人で食べたこと数えきれず。子どもが泡立て器で共立ての卵のちょうどいい頃合いを判断するのはむずかしいのであった。
 スポンジケーキだけはその後も全く上達することなく、今日に至るまでも鬼門なのである。
 それにしても、食い意地は料理に対する何よりの推進力であるな。

 ケーキブッフェと聞けば駆けつけてとりあえず味見、がポリシーであったのは、しかし、今は昔。ここのところすっかり食の量が落ち、それとともにケーキに対する貪欲さが急激に薄れて自分でも愕然としています。なんか、生きてる実感が失われていく感じ。老いをしみじみ実感する瞬間です。こんなの私じゃない! とすら思う。思うけれど、身体がついていかないのであった。こうして老後の楽しみが失われていく…。
 何より腹が立つのは、昔ほど食べられなくなってるってのに、それでもやせないどころか太ることだね!(笑)

 ケーキが好きと言っても、私の場合パティシェなる人が作ってるようなちゃんとしたケーキじゃなきゃイヤ! というわけではありません。むしろ凝りまくったケーキよりは素朴系が好みだったり。そして、いわゆるパン屋のケーキでも、あれはあれで好きだったりします。カップケーキに投げやりにデコレーションされた、生クリームではない謎のクリームが使われてるようなのも、それはそれでおっけーです。
 それらはみんなカテゴリが違うケーキなので。デパ地下に入ってる一個400円以上のケーキが目白押し系と二個入りで400円くらいのスーパーで売ってるケーキは、あれは別物としてそれぞれ存在してていただきたい。
 みんな違って、みんないい。勝負の舞台が違うんです。
 でも、最近のケーキはどのカテゴリもレベルが上がってるけども。コンビニのケーキでもそこそこおいしいし。

 なんてことを思ったのは、別にクリスマスだからではなく、職場でとってるお弁当にデサートのケーキがついてきたからなんですね。(クリスマスだから、だけども)これがまた、今時の「甘くなくておいしい」を真逆で行くようなやつで。食べた瞬間、子どもの頃に地域の子供会でもらったカップケーキになげやりデコレーション系の味がしました。ノスタルジックな駄菓子っぽいケーキ。昔々よくあった、バタークリームの白いケーキ、表面がロウみたいな固いナニカでコーティングされていたアレの味です。(ネットで調べたら、昔のバタークリームケーキは、実はショートニングやマーガリンが代用されたクリームでできていたらしい。なので、本当のバタークリームは「あんな味じゃない!」そうです)
「うん、これはこれで、存在に見合ったおいしさである」なんて思っていた矢先、若い同僚が「これはひどいですね…」と苦笑い。なんと彼女はバタークリームのケーキを食べたことがなく、甘さといいべたっと科学的な食感のクリームといい、受けつけないおいしくなさなんだと言う。
 いや、これはこれでこういうものなんでしてね…。
 ってゆーか、バタクリのケーキを知りませんか、あなたは!<驚愕。<大げさとお思いでしょうが、私的にはかなり本気で。
 おばさんはまた、新たなジェネレーションギャップを噛みしめてしまいましたよ…。

 ふと懐かしくなって、あの固いコーティングの量産型白いバターケーキがないものかネットで検索してみましたが、おいしい「本物の」バターケーキしか見つからず、子ども心にも舌触りがちょっと悲しかったロウみたいな食感のケーキは今やすっかり絶滅の気配です。懐かしさのあまり似たようなものを買って帰ったら、子どもにまずーいとしかめっ面をされたというパパの日記など見つかってみたり。
 ホールケーキといえば、基本は生クリームのデコレーション。いつの間にか日本は豊かになったのだった。(今は岐路にあるにせよ)

 おばさんは悲しかったので、件の同僚に「タヌキのケーキって知ってる?」と尋ねたところ、やっぱりこれも知りませんでした…。
 タヌキのケーキ、街の小さなケーキ屋さんによく売られていたものだが。今は使われているクリームも「本物」なんだろうな。

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2009.12.22

あきたなあ

 その人は20代後半。ちょっときつめの顔立ちながら、たぶん誰もが美人にカテゴライズすると思う。グラマーではないけどスレンダーで、かわいい服もかっこいい系の服もほどよく着こなします。そして、見た目に反して気さく。ざっくばらんな物言いも取っつきやすさを感じさせます。
 何より既婚(笑)。転勤族ながら固めの職に就くダンナは、ツーショットの写真を見た誰もが「かっこいーじゃん」「美男美女のカップルよねー」と言います。ってことは、世間的には婚活女子がうらやむいわゆる勝ち組。人生には憂うことはない、ってのは人間である以上無理だけど、日々そこそこ安定した気持ちで過ごしていけるはずの人。
 その彼女とたまたま帰宅時間が同じで、職場の出口で一緒になったときのこと。彼女は何気なくこう言ったのです。
「あー、あきたなあ」
 何に飽きたのか、実はすぐにわかってしまいました。その人は重々しく言うと、生きることってゆーか人生に飽きたと言ってたんです。
 女子ロッカーでの会話でそれを感じさせることをちょこちょこ口にしてはいました。「特にこれってやることないんだよねー」「ダンナに何が楽しくて生きてるの? って言われちゃってさ。確かに何もないなと思って。でも、それってお互いさまっていうか」
 別に、だから死んじゃいたいとか、毎日がつらいとか、そんなことはない。日々はそれなりのちょっとした楽しみとともに過ぎてはいるんだと思います。でも、たぶんこっぱずかしい言い方をするとはっきりとした生き甲斐、みたいなものがないんだろうな、と。
 これがあるから人生楽しいよね、っていう趣味がないのかもなあ…。
 いや、私も人様に胸張って言える趣味とかないけどさ。とりあえず老後に読まなきゃならない本とか、見逃したままになってる映画とか、ぼんやりしに行きたい場所とかいろいろあるんだよ。ささやかだけども。

 「年取るとどんどん時間過ぎるの早くなるから。20代より30代はびっくりするほど早く過ぎるから」と彼女に言ったら、「そうですねー、小学生のときとか今考えると六年間ものすごく長かったですしねー」と笑ってました。「あきたなあ」は別に思い詰めてではなくなんとなく言った言葉で、深刻さは欠片もない。
 でも、何気なく人生に飽きることができるってなんだかすごいなあと思いました。<物欲にあふれる命根性の汚い世代のわたくし。

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2009.12.19

ミーハー全開

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 福岡ではこの冬一番と言われる寒波来週中の週末、昼にふらっと思い立ち、来週正式オープンの「サザンメイドドーナツ」の試食販売に並んでみました。
 どうも関東に展開してる「クリスピークリームドーナツ」系のドーナツっぽい。東京に行ったときはまだまだ行列が長くて食べるチャンスがなかったし、代わりにって気持ちもあり、何より好奇心があり。
 12時から開始のところ、ちょい過ぎていたからダメならダメで昼食の買い物して帰ればいいや、というノリでしたが、場所が西新ということもあってか余裕で購入権代わりのアンケート用紙をGET。てゆーか、並んでいた人のほとんどが店舗の入ってるビルの地下にあるスーパーに来てたお客さんですがな(^^;)。なんだかよくわからんけどドーナツ安く買えるみたいよ? ってノリでアンケート用紙もらって並んでいた模様。
 さすがの寒さに対応して、アンケートと一緒にカイロもくれました。
 ちなみに試食販売は三個入りのセットのみ、割引クーポンが一綴り入ってるそう。一つ百円というのはドーナツ一つ、という意味で三個入りだから三百円なんだけど、一箱と誤解を招きかねない書き方になってたような。

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 そんなわけで、一箱三百円のドーナツです。パン系の生地にグレーズがかかってるタイプ。気持ち小さめのような。ふわふわした食感で甘みはほとんどグレーズのみと思われ。脂ぎってはいないから、その気になれば三個くらいは一人で食べられます。カロリー考えて独り占めはやめたけど。暖かかったらさらにおいしそうだと思わせたのは、クリスピークリームの話を聞いていたからかも。この手のドーナツはコーヒーによく合う…。
 ただ、福岡の物価を考えると長持ちできる店かはびみょー。このプレーンドーナツが本来価格130円以上だったらかなり苦戦すると予想。(ミスドのリッチテイストが115円なんで)首都圏ほど情報収集好きの新し物好きがいるわけじゃないから行列ができるとかの話題を提供して盛り上がる可能性が低だし、何より立地がスタバ史上かなり売り上げ低ランクだった店の跡地だもんなあ。撤退したスタバって初めて見たもん。早く他によさげな立地を見つけて移動するがブランド的には吉かと。
 とか考えると、福岡にドーナツプラントが進出することはまずないな…。一個あたりが高すぎる。

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 中に入ってたクーポンがまたちょっと使いにくい。500円以上で1枚使用可。切り離し使用は無効。9枚全部使ったらドーナツ一個さし上げます、だそうですが、私は9枚使い切る自信ないよ。人にもあげられないしねえ。
 お店が生きてるうちに、今度はトッピングタイプなどを味見してみたいと思います。

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2009.12.11

もう一度やり直せなくていい

 ↓の「マイマイ新子」を見て改めて思ったのだが。
 バラエティとかで「人生やり直せるとしたら、どのくらいからがいいですか?」なんて質問してることがあるけど、わたしゃーもうやり直したくなんかないですよ。特に今小学生とか中学生くらいからやり直させてあげる、なんて言われたら強く固辞したい。
 だって、最近の子ども社会はしんどそうじゃないですか。
 「マイマイ新子」の時代も楽しいばっかじゃないし、ケンカとかいじめとかもあるかありそうなんだけど、なんちゅーか、全体に人間関係が雑なんですよね。いい具合に。いじめとかやってもそのうち飽きるような。引っ張り続ける細かさが無いというか。
 私も子どものころは結構いじめられましたが(^^;)、今ほど深刻に追いつめられずに済んでた気がします。それで死のう、とか、がっこ行かずに家に引きこもろうとまでは思わなかった。あのころは学校に行かないという選択肢があるなんて考えたことも無かった、というのもあるけど。
 女の子のコミュニティは昔から陰湿なとこがあったけど、今はさらに磨きがかかってるように思えます。子どもいない人の気のせいでしょうか。
 なんでこんなふうになっちゃったんでしょう。子どももたいへんだよ。

 いずれにしても、ケータイ電話のある時代の子どもはやりたくない。根がずぼらだからとてもやってけない。30分以内に返事出せとか勘弁してよ、であります。そんなことしてたら、落ち着いて本が読めないじゃないか。

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2009.11.29

婚活女子は「ゼロの焦点」を読むといいと思うよ

 通勤時間限定で「ゼロの焦点」を絶賛読書中。ミステリをこんなぶつ切りで読んで大丈夫なのか>自分。(通勤時間は正味で10分程度)
 とりあえず今のところ事態はちゃんと把握できてるけど、風呂敷畳みに入ったらまとめて家で読むと思われ。<をいをい。
 それにしても、未だにドラマ原作として採用され、そのドラマがそこそこの視聴率を上げる松本清張。真っ当に読んだのはもしかしたら初めてかもだけど、しみじみそれも当然かもなあと思う。原作がしっかりしてるから、派生物もそれなりの出来になるんだろう。なんちゅーか、人の描かれ方がすごいリアル。昔、古典な感じのパズラー系ミステリをまとめて読んだ時期があったけど、小説としての満足度とは別に女性の描写が今ひとつ類型的だなあと感じたりして、その点はちょっと食い足りなかった。「ゼロの焦点」はなんたって昭和30年代前半に書かれた小説なんで今時感覚とはずいぶん違う部分もあるけど、ときどきヒロインのカンの働き方や気持ちの揺れに「ああ、わかるわかる」と思わされるとこがあって、そこがおもしろいしちょっと怖い。当然ながら女性の本質は50年100年で変わるものではないから、そこをちゃんと押さえてあれば古い小説でもけっこういける。とはいえ、書いてるのは50才近いおっさんなわけで、それでこれかい! と思うと怖い。

 「ゼロの焦点」のヒロインの禎子さんは26才のOL。会社ではきれいに分類される方で好きになった人の一人や二人はいたけど成就に至らず、タイミングなのか今までお断りしていた見合いをそのときはなんとなく受ける気になって36才の鵜原憲一と結婚する。鵜原と結婚前に会ったのは見合いの席くらいで結婚式を迎え、だから真っ当に話を交わしたのは新婚旅行のときになって。前歴や趣味、人柄もろくにわからないけど、これからおいおいこの人と夫婦になって行くんだろうなと納得している。しかし、そんな夫は結婚一週間で前任地の引き継ぎをするために出張に出たまま行方不明に。彼の細かな生活を知らない禎子さんは失踪の原因が全く思いつかず、彼を探して前任地の金沢を旅することになる。
 今20才前後の娘さんが聞いたら「をいをい?」ってな結婚だけども、当時はこんなのは珍しくなかったんだと思う。そうでないと、通俗的に読まれる小説として読者がついてこない。「んなわけねーだろー」な特殊なヒロインだと、読者は感情移入しにくいし。
 ヒロインは東京の人で時代背景は昭和30年代だから、地方都市ではもっと遅く、昭和40年代くらいまではこういう見合い結婚は結構あったんじゃないか? ちゅーか、知り合いの親世代では実際に聞く話だったりする。結婚するまでろくにデートもない、相手のことをよく知らないままの結婚。それでも、熟年離婚しちゃうケースもなくはないけどうまくいって穏やかな老後を送ってる夫婦も少なくない。結婚は、基本的には長いつき合いだから(離婚もあるけども)、恋人同士の数年がうまくいったからってその後が保証されるわけじゃないしね…。
 つまり婚活女性が言うところの「ふつーに暮らしていて広がる人間関係の中でいいなと思える異性に出会って、自然に結婚に至る」というふつーの結婚、ふつーのしあわせなんてものは昔もなかっただろうと。「なぜ他の人、親世代は手に入れられた普通の結婚ができないの?」って、それはないものだから手に入らないのです。

 作中ヒロインは美人として書かれていて、途中思いを寄せて彼女に協力してくれる人なんかも出てくる。行方不明になったダンナは、だから妻となった女性の容貌の点では大満足で見合いを受けたのかも、と物語的には腑に落ちるけど、現実のろくに会わないまま結婚では見栄えも問わず、誠実だとかよく働くだとか子どもをたくさん産めそうな身体つきだとか育ちがしっかりしてるだとか、お互いそのくらいで納得して成立した見合いもたくさんあった模様。
 よく今時男性は婚活女性を条件多いとかワガママとか身のほど知れ、みたいなことをネットで毒吐きしてるけど、当時の男性も今のあなた方に比べると全然条件ユルかったわけで、お互いさまだと思います。

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