マクロスF感想

「クロース・エンカウンター」ふたたび。

 週中に二日休まねばならぬしわ寄せとか,急激に秋化したために衣替えを急がねば,とか、生活がアレでヲタ的なことがろくにできない日々なんですが,忘れる前に「クロース・エンカウンター」のヤック・デカルチャーバジョンの感想とか。

 ああ、最終回のアルトのあれってこのバージョンの冒頭シーンから来てるのか。
 と、DVD見て初めてわかった。作ってる方は最早ヤック・デカルチャーバージョンが一話の基準になってるのかもしれないけど,ネットの環境が今イチで無料ネット配信分が絵飛び音飛びで見る気になれなかった身としては、今になって「そーだったんだー」ですよ。見てない人にはあれやった効果が半減以下なので配慮してください。<DVDも出てたから,好きならちゃんと予習復習しとけということなのでは。

 尺が長いから当たり前ですが,キャラの書き込みがわかりやすい。特にアルトの屈折した心象は、ヤックデカルチャーバージョンの方がよく伝わる。もっとも、見てるこっちも物語の全容がわかってしまってるから振り返ってみればこういうことだったのか、と思えるわけで、初見でどう感じたかは今となってはわかんない。
 EXギアをつけたまま紙飛行機が折れるくらいパイロットしての素質があり、人気沸騰のアイドルになんか全く興味がなく、どうやら家業に反発があり、フロンティアという閉鎖空間に暮らすことを息苦しく思っていて、それは憧れている空が偽物でしかないことへのいらだちとなって現れている。一話分で描写される主人公の情報としては必要十分。初めて見たときは現状に不満があるヒネた子なんだな、という印象だったけど、もうちょっと複雑な気持ちだったんだな、と今にして思ったり。
 シェリルについても、冒頭のフロンティアの外観を見て歓声を上げる女の子っぽいシーンがあるのとないのとでは印象が違う気がする。TV放送版では高慢な女王様だけど、それは実力とプロ根性の裏付けがあってのこと、というシンガー、シェリル・ノームの面が強く打ち出されてる感じがする。あのシーンは、フロンティアが他の移民船団とは違う理念で作られてるんだという説明の意味でも結構大事な気がするけど、尺を考えたら外す候補にされるのもしかたないか。
 二人に比べるとランカのシーンはほとんど落ちてないせいか、これ見て印象が変わることはなかったなあ。とゆーか、このころと後半ではランカのキャラ設定がずれてきてるような気がしますよ…。無邪気で元気でちょっと天然。感情表現がはっきりしてて、一生懸命だけどそれが結果に結びついてなかったり。と書くとそれなりに後半と同じか。でも、性格がうまく美点として伝わらない描写になっちゃってるというか。美点と欠点は同じものの裏表だったりするのでランカも描き方次第だったと思うんだけど、なんかこー。後半は雑だったかなと。

 戦闘シーンは絶対的にヤックデカルチャーバージョンがいい。VF171? 統合軍の発進シーンとか描写が細かくてワクワクします。バジュラがオズマとギリアムの追撃を逃れてアイランド1に侵入する経緯もわかりやすいし。CGモデルが制作しながらどんどんブロウアップされてたんだということもよくわかりました。このころは質感がまだツルテカでCGくささが強い。モデルによっては背景から浮いてる感があったし。最終回のメカ乱れ打ちに至るまでのCG制作スタッフのがんばりを思うと涙です。

 やっぱり当初予定ではキャラ配置はアルトとランカがメインで、シェリルは二人にとっての触媒という位置づけだったのかなあと感じました。シェリルと関わることで、アルトもランカもくすぶっていた思いの方向へ歩き出す。あと、この後の「ミス・マクロス」までの流れで見ると、確かに「トゥルー・ビギン」で言っていた通り「ランカを守ろう」と思ったことがアルトにとってパイロットになって戦おうという決断につながってる。(ので、あの言葉は一面真実ではあると)この時点では、シェリルはアルトにとって突然ふってきた気まぐれな爆弾で、だけどプロの歌手としての実力と肝っ玉は侮れないと評価しているまだまだ外側の存在でしかない。コークスクリューできなくて腐ってたのを「やってみるか」と吹っ切れるきっかけを作ったのがどうもランカらしいという描写とか、日常レベルの共感度の高さは明らかにランカ強めになってる。
 それがなんで、物語でのシェリルのウエイトがだんだん高くなっていったんだか。動かしてみると想像以上におもしろいキャラだったのかもしれん。

 ぶっちゃけを言うと初めて一話を見たとき、シェリルはヤな女分が強くてとっつきにくいなと思ったし、ランカは中島さんの演技がこー。つらいなーという印象が強くて、キャラとしてどうこうとは感じなかった。主人公がパイロットになっていく導入ポイントとしてちゃんと機能してるな、くらいのポジションで。
 アルトの造形はうまいと思ったけど。「女の子みたいにきれい」って、思春期でマッチョい男はちょっと怖いと思ってる年頃の女の子がぱっと好きになるには説得力あるなあと。(ランカはオズマみたいな鉄板男くさいのと暮らしてるから免疫あるだろうけど、だからこそ反対のタイプに惹かれるとこはあるだろう)そんなのが命助けてくれたら、そりゃーどきどき心拍数の恋効果絶大ですよ。よくつき合ってみないとよさがわからない、みたいな主人公って、脚本と演出が下手を打つと最後まで視聴者にもよさがわからなかったりするし。「ラブストーリー」と銘打ちつつ、でも戦闘もちゃんとやっていきますよな話では、恋愛の細々した描写はできんだろうし、だったら設定とビジュアルで「この男ならモテるだろう」という説得力を出すのも手だなあって。
 アルトもまあ。パイロットや役者としての資質はともかく、恋愛の相手と考えるとナニだな、と思わせてしまった点では脚本と演出が下手を打ってしまった典型になってしまいましたが。

 と、懐かしい気持ちで鑑賞しました。このころはまだ、作品の未来に夢が持てたなあ(笑)。

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アナタノオト

 すげー。大圧縮の最終回。OP、EDもかっ飛ばして、ついでにつじつまとか設定のとりこぼしとかも全部吹っ飛ばしていきました。なるほど、バジュラの母星の運命が交錯するラブストーリーだったわけね。グレイスが一時地球? や人類の移民先の星にも干渉していたっぽいので、そこも含めてかもしれませんが。
 大技でしたが、印象としてハッピーエンドの大団円というのは、「マクロスF」という作品には合ってるような気がします。元々眉間にしわ寄せて人類のあるべき姿とは? とか世の無情とか人の業とかを考えさせるタイプの話じゃないし。
 そして、やっぱり恋愛方面のはっきりとした決着はなしで(笑)。どっちのファンの顔も立ったし、以降も妄想し放題というある意味大サービス。というか、むしろ妄想で補完推奨?

 ぎゃーん、アルト機撃墜! シェリルが悲鳴を上げる中、バジュラの主砲がバトルフロンティアに向かって火を噴く!
 直前に、マクロスクォーターが到着し、主砲の攻撃を退ける。ついでに出撃したオズマ機の攻撃でブレラ機が被弾。(と解釈)するとブレラについていた悪の三蔵法師の輪っかが壊れて飛び散ったのでした。という流れなので、ここは義理のお兄ちゃんが血縁のお兄ちゃんを結果的に助けたという絵の方がきれいかなと。(実際にブレラ機に当ったのがクォーターの発するフォールド波か何かだったとしても)
 しかし絶対死亡フラグだよ! と思ってたブレラ、OP代替えバートであっさりフラグなぎ倒しました。残りの尺を考えると華々しく散るシーンは準備しづらげなので、たぶん生き残るものと思われ。<そんな判断。
 オズマに助けられ「遅かったな」と毒づくクァドランのクラン。このやりとりからすると、もしかしたらクランはフロンティアに残るだろう若者組のお目付役も買って出ていたのやもしれず。そして、オズマを隊長と呼べるようになるやいなや、ルカのほっぺのチークが復活。こ。これは。オズマの前ではルカはまだまだ子ども、という記号と解釈すればいいの?
 一方「死ぬわけねーや」と先週高をくくっていたアルトはやはりEXギアで脱出済み(あれ、装着してたら操縦しにくそうなんだけどな)、至近距離ににじり寄った巨大なランカの正体を見抜いてました。それはバトルギャラクシー!
 …なんかここに来て、用意周到というか水面下で暗躍というか、うごめく巨大な悪! といった感じだった敵の皆さんがあっさり馬脚を現していきます。まあ、最終回だからしょうがないけど、この詰めの甘さで皆さんの器が一気に小物化していきますよ。スクリーン越しとはいえキャシーに悪事を直接暴かれ、手中に収めたはずのバトルフロンティアの艦橋で銃を突きつけられるレオン三島は、なんとここで物語から退場です。こここ、こいつ、あれだけやらかしとしてたいしたひどい目にも遭わず終わりかよ! いつの間にかフェードアウトなんて、三島にしてみれば十分屈辱的な扱いかもしれませんが。
 あれはランカじゃない、って、誰も惑星サイズの人間を本物だなんて思ってないはずですが>アルト。本人の意思じゃないという意味だと思いたいですが、なんかこー言葉が足りておらず。ともかく、マクロスクォーターの主砲にランカの衣をはぎ取られたバトルギャラクシーは、偽装などかなぐり捨てて総力戦に突入です。射出された戦闘機と思われるゴーストV9はえらく恐れられてるようだけど前に出たっけ?<記憶力低。
 乗機を失い漂流する戦艦? か何かの残骸の影に身を潜めていたアルトの元に、ルカとクランがメサイアを届けに。って、クランー! それ、ミシェルの機体じゃん。なんでこの人は、この人は、もー(涙)。話数折り返しに入ってから、クランってほんとにいいキャラになったというか、逐一泣かせる。
 再びランカを救い出すべく己の機体に乗り込むアルトは、突然シェリルに歌ってくれと語りかける。ランカの正気を取り戻すためにお前の歌が必要だと。この言い方が、なんかずるいんだよね、いい意味で。ランカを助けるためにっていうより、お前の歌の力を信じてるって聞こえちゃう。だからこそ力つきようとする病の身体に歌手としてのありったけを注ぎ込み、シェリルは立ち上がり歌い出す。その歌声に送り出され、アルトがオズマがルカがクランが戦場を駆ける。
 正直、あまりの乱戦っぷりに戦闘シーンを堪能するどころじゃありません!(笑)
 シェリルから預かったイヤリングのフォールドクォーツが増幅するのか、アルトの呼びかけはなにげにランカに届いてる模様。どんな通信機。アルトの訴えとシェリルの歌がランカの心を揺さぶり、ついにグレイスの作ったくびきを逃れるランカ。しかし、そのころ、グレイスは宿願叶いバジュラクイーンの中枢との同化に成功していたのでした。広がる知覚。バジュラのネットワークを介し、グレイスとその意識に相乗りするものたちは広大な銀河を、宇宙を感じ取る。これこそまさに、プロトカルチャーが夢見、なし得なかった境地。真っ当なSFだったら人類として新たな感覚の獲得、そしてより高次の進化のステージへ、なんて展開になるとこですが、科学者の端くれのはずのグレイスがどうにも俗物で。結局は宇宙の支配とか征服とか、わかりやすい野望に落ち着いちゃうんですよね。
 強力なフォールド波を発し、銀河に散らばるバジュラを中継機として、全宇宙の支配を宣言するグレイス。陳腐極まる征服者の言も、その背後に尋常ならざる武力があると笑い飛ばすこともできないわけで。
 しかし、バジュラのクイーンって、なんであの姿にあの戦闘力。どう考えても平和的な生き物とは考えにくいとこがあるのですが…。

 ああ、めっちゃ端折ってここまででAパート終了。しかも、ただ筋なぞってるだけって感じですね。ネタの連打についていくのがやっとですよ…。

 かつてプロトカルチャーも憧れ、鳥の人として神格化したバジュラクイーン。その力を得たグレイスはハイテンション、持てる力をあたりに放出して一気に反抗勢力をつぶしにかかる。遠い惑星には配下に置いたバジュラを向かわせ、母星に群がる有象無象にはバジュラを先兵として自ら力を振るう。飛び散るビームの密度ときたら、避けられるのが不思議なくらいなんですが。当然宙域の船は戦艦も居住用ユニットも被弾しまくり。
 そして、弱った身体を奮い立たせ歌い続けてきたシェリルもついに力つきる。床に伏したシェリルのつぶやきは「…ごめんね、ランカちゃん、アルト」。
 もおぉおぉぅっ。こんなときに、こんなときに、シェリルってばアルトより先に「ランカちゃん」ですよ、この人はまったくー(泣)。
 グレイスの有無を言わせぬ攻撃があたりを制圧し始めたとき、バトルギャラクシーの中心からかすかな歌声が響き始める。それは正気を取り戻したランカの「アナタノオト」。グレイスのコントロールを逃れたブレラの励ましを得たランカの歌は次第に戦場に広がり、それはグレイスに支配されていたバジュラの統制すらも乱していく。
 …バトルギャラクシーの人たちはなんでランカを放置してるんですかね? 絵的に人間.vs人間の構図を出さないようにしてるっぽいんですが、バトルギャラクシーってそこから出撃した戦闘機も含めて「人」がいる気配がしない。それはそれで、ちょい不自然な気も…。
 ランカの歌は倒れ伏していたシェリルの元にも届く。なんかこの辺、演出的に仕方ないとは思うけど、幽体離脱な方々が大量に出てきてそれもなんだか。手法なの手法、とむーんな気持ちを脇に押しやり。もう自分の仕事は終わったのだと力なく言うシェリルを、ランカはためらい平手打ち!「シェリルさんが、シェリルさんがいたから私は飛べたの。アルトくんだってそう」。アルトもまた、シェリルに告げる。「お前は言ったじゃないか。絶対にあきらめないって」「お前が、お前たちが俺の翼だ」。ランカが手を差し伸べると、シェリルの脳に巣食っていたウィルスが腹部へと集まり、彼女を侵していた死病は克服されたのでした。二人の歌姫が復活!
 というなかなか感動的なシーンなんですが(で、よかったんですが)、ランカの「ばかっ」にはちょっと違和感が…。これは「ダイヤモンド・クレバス」と対応させての演出だと思うんですが、いちおー、シェリルは病人なわけで。それなりに死力を尽くして漏らした弱気に喝を入れる方法としてはどうなんだかなー? と。シェリルは端から死ぬとは欠片も思ってなかったので病気が治癒するのも予想してましたけど、カナリアさんが廃船から治療方法を拾ってくるというような落とし方をするかなと想像してました。まあ、超常的な浄化の力というのもありですけど。
 ここから終わりまではめまぐるしく歌がメドレーされていってて、ほぼワンフレーズしか使われないものも。お互いの持ち歌とかアレンジ違いとかがてんこもりだったので、最終回のために新しく収録したんだろうなあ。「娘トラ。」の後半にあるメドレーは、これの一部なんですね。
 作品的に最大パワーを発揮するであろうヒロイン二人の歌声の前には、グレイスがどれほど歌を軽んじて吠えてもかなうはずがなく。アルトのメサイアがバトルギャラクシーに突撃し、ランカを救出。(するシーンのBGMはシェリルの「私の彼はパイロット」。おお!)逆上するグレイスの攻撃がフロンティア側の全てを乗せたアイランド1に襲いかかる。そのとき!
 バジュラたちが集まり、アイランド1の盾になる! ランカを介して人間と接触したバジュラはシェリルの歌を通じて自分たちとは異なる生き物の存在を学習し、「ヒト」との共存を許容してくれたようなのです。バジュラもあれだけ個体をやられたのに(しかも人間側が一方的に利用)なんという寛大な措置。個体ひとつひとつが人間ほど重要視されてない生物だからかもしれませんが…。(でも「気持ち」はあるとランカは言ってる。人間とはかなり異なるらしいけど、ランカはそれをどう人間の感覚に置換しているんだろう?)
 バトルフロンティアとマクロスクォーターを舞台としシェリルとランカが歌いまくってクイーンの力を押さえ込んでいく中、バジュラが道を開いて残りの戦力全てがバトルギャラクシーとバジュラクイーンを乗っ取ったグレイスを総攻撃。カナリアさん、死亡フラグぎりぎりでギャラクシーに大打撃を! そしてオズマの、ルカの、クランの、みんなの思いを託されてアルトのメサイアがバジュラクイーンに肉薄。(ミシェルのスナイパーライフルを渡すクランに涙)敵機の追撃を受けるアルトをブレラが支援って、もう全体にお祭りモードですね。こうなったら後はどうしたってグレイスには分がない。バジュラの頭部を狙えとアルトにアドバイスするブレラ。もう妹には近づくな宣言は解除ですか。バジュラはお腹で歌うんだよって、じゃあクイーンの頭のユニットは何のために。
 グレイスの提言する進化の形は一つの理想ではあるけど、強制されるのもなんだかなーという感じです。人類補完計画とある意味同じだし。つまんない個性でもそれを捨てて集合意識の一つになれと言われるのはちょっとなー。個であり続けて近隣の誰かに「気持ち悪い」と言われるとしても、当座の人類は孤独に耐えて「個」でいるしかないでしょう。
 あと、どれほど強制的にネットワークに繋がれてもヒトはどうしたって一人だってことがよくわかって、というブレラの言葉にはうんうんだけど、だからヒトを愛することができるんだって、よりにもよってアルトに言われても説得力がないですよ!(笑)
 ミシェルのライフルに打ち抜かれ、クイーンの頭部と共に散るグレイス。バトルギャラクシーもどうやら落ちたようで、バジュラの母星を巡る戦いはここに終止符を打ったのでした。

 「アイモ」が恋の歌というのは、なんかいいですね。何億年に一度の交配のとき、仲間を求め島宇宙を越えて歌う歌。
 グレイスはバジュラの形態を人間が進むべき究極の進化の形とか言ってましたが、彼らにしても一度築いたネットワークが全てではなくまだつながってない「他者」を求めるってことで、人間の感性から見たらちょっとロマンじゃないですか。
 でも、だとすると、もしかしたらグレイスは遥かな島宇宙に散らばるバジュラともつながっていたやもしれず、この知覚体験が矮小な野望のために使われるのでなければ、ものすごい未知との遭遇になったろうにな…。もったいない。

 生き残った人たちはバジュラの母星に降り立ったようですが、ここでバジュラと共存しつつ新しい生活圏としていくのでしょうか。前途は多難そうだけど。

 最初に書きましたが、細かく振り返れば至らぬ点は数あれど、盛り上がったし見ている間はわくわくしたし、これはこれでいい最終回だったんじゃないかと。
 拾えなかった部分は劇場版でやるかもね、と思っておきます。
 そう言えば、ミスター・ビルラーの会いたかった人はやっぱりミンメイかよ! 会いたかった理由が単なるファンだから、だったらどうしよう。<どうもしません。このネタが映画に持ち越されて、飯島真理を引っ張って来たらすごいぞ!

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ラスト・フロンティア

 うわあぁぁ…。第117調査船団の壊滅理由はランカの歌にあったのか…。これはきっついな…。取り戻した記憶の重さにランカがどう耐えていくのか。そんなことになるとは知らぬ子どものしたことではあるけれど、対バジュラ戦が無事終結したところで彼女の自責の念は続くわけで。
 もちろんオズマや事情を知るものたちはランカを責めたりしないだろうし、責任なんか問えるはずもないけど、人間の弱さはときに理不尽な言動を呼ぶもので。こんな押し迫った話数になって、大きな宿題を課せられちゃったなあ>ランカ。

 フロンティアを出奔したクォーター組は速攻バジュラの母星に行くのかと思えば、その調査船団の破壊された脱出艇を調べに。三島に協力していたのが調査隊に属していたグレイスだったと知ったからなんでしょうが。この船の情報に関しては序盤から三島がいろいろと露出を押さえていたようなので、彼は彼なりにグレイスと出会う前からバジュラの謎に興味があったのかも。(グレイスはギャラクシーに帰れなくなったから協力を仰いだようなことを、22話で言ってたんで)
 グレイスのいう、プロトカルチャーが50万年かけてなし得なかった夢。それはバジュラのタイムラグゼロのフォールド波を利用した宇宙空間を一つに結ぶネットワークの実現。現状の技術では断層に遮られて乗り越えられなかった距離と時間が、インプラントとフォールドクォーツの連携で可能になる。
 でも、それってバジュラと同じ、全体で一つの集合生命体になるってことで。「個」のない、クイーンが生命体として唯一尊重されるあり方は、地球のホモサピエンスには受け入れ難い形態でしょう。めんどくさくても行き違いがあっても、「人間」には一個一個がバラで手間ひまかけて関係を築いていくやり方の方がしっくり来る。だから、自分の研究の正しさを証明するためにバジュラもフロンティアもランカも利用するグレイスを放ってはおけない。
 それはそうなんです。だけど、バジュラにとってはこの形式が自然で正しいあり方だというのも留意しないといかんのです。「地球の人間」にとって正しいことが他の種族にとっても正しいわけじゃない。そして、その事実は種族間の理解と共存をものすごくむずかしいものにする。

 おお、シェリルって本当にマオの血縁だったんだ! あのイヤリングもグレイスの策略で渡されたもので本当の母の形見ではないのかも…と勘ぐっていたので、ちゃんとした出自があってよかったなと。世間でも一目置かれる学者の孫がどうしてギャラクシーであそこまで転落した生活に陥ったのかとも思いますが、その後フェアリー計画の被験者になってるってことは、ぐぐぐ、グレイスが探し出してわざわざV型感染症に罹らせた、とか? ランシェとマオの血が殺し合うとかって言ってるのを見ると、どう考えても意図的選別。ほんとにグレイス、どんだけランシェとマオが憎かったんだろう…。しかも、グレイスの学者としてのプライドと探究心、バジュラに対する憎しみがこの事件の全てだとしたら、それはあまりにも人間的な理由過ぎて。結局一番ひどい存在は人間だってことで。

 クランがミシェルの形見に「お前がいたらよろこばないかもな」とつぶやくのは、アルトやルカとは違うちゃんとした事情の書かれたメールをクォーター組から受け取っているからなんだろうな。バジュラとは戦う関係になるべきではないとわかっていながら、私怨で戦場に立つことをミシェルはよしとしないんじゃないか。クランはでも、「愛する男を殺されて黙っていられないんだ」とクァドランに乗って戦場に赴く。
 根っから軍人気質というだけでなく、クランもしっかりした娘さんだよな。間違ってるかもしれない選択を、それと承知でただ感情的になるでもなく選んだんだから。その結果もたぶん、クランは甘んじて引き受けるんだろう。
 クランとミハエルの関係はそれなりに書かれてたから、そういう解釈でいけるんですが、ルカとナナセはなれそめとかナナセの気持ちとかが全然出て来てないんで、ルカ、どうなのよ…と思ったりもするわけで。尺の割り食いカップルだ。
 で、突然ミスター・ビルラーの本当の「野望」(?)がちょい語られたり。会いたい人って誰? 時間を越えるって過去の人、ってことは今はいない人ですよね。…み、ミンメイ?<さすがにそれはないんじゃ。

 すいません、ココロ弱い私はシェリルにつらい結末が来るのに備えてものすごい頑な見方をしてるんですが、アルトは何考えとんじゃ? と今回改めて悩。前回のクランへの本心語りは「ランカのために戦う自分」を自覚したからじゃなかったんですか? 「守りたい」は、えーと。保護者感覚から来たものだったんですか? それとも、ランカはあくまできっかけであって、今はもっとグローバルな気持ちでパイロットをやってるということですか? でも、それだと「殺す」発言が浮いちゃうんだけど…。いや、本意でなく人を殺める立場になったランカを引き受け、フロンティアをも守りたいという決意の表れかもしらんけど。
 なんて思うのは、いざ出撃の段になってシェリルの元を訪れたアルトの態度に悩、だからで。
 あの決心はあの決心で、私は納得したんだけどな。ああ、こいつようやく自分の立ち位置に気がついたんだって。それはそれで「早乙女アルト」の有り様が決まっていいじゃないかと思ったんだけど、視聴者としての私は解釈間違ってたんでしょうか。制作側の意図がようわからんよ。
 最後まで本命をはっきりさせないためにセリフを曖昧に取らせる仕掛けにしなくちゃいけないのはわかるけど、そのせいでアルトのキャラがぶれまくるのはどうよ? もしかして、後から全話見直したら一貫性があるのかもだけど。(今の私は疑心暗鬼のカタマリだしな(爆)中村さん、芝居しにくそうだな…。<中の人まで心配。
 一貫性が証明できた暁には、アルトは矢三郎兄さんに一言言ってくるがいい。俺は俺なりにちゃんとモノ考えて、それなりに決心して来たんだと。浅はかでも精一杯やってきたんだと。オズマにしても矢三郎さんにしてもアルトには判断決心する主体がない、みたいな責め方をするので、キャラの扱いとしてちょいかわいそうになってくるのですよ。役回りがそういう役回りなんだもんなあ。本人、反論もしないで「がーん」みたいな芝居つけられてることが多いし。

 とはいえ、互いに命がかかってる状態でアルトがシェリルを気にかけてくれるのは、キャラスキーとしては素直にうれしかったりもするのです。
 てゆーか、どこまで強いんだろう、シェリル・ノームは! 恋人ごっこはもうやめましょうと言ってアルトを自分から解放し、その上「ランカちゃんを助けなさい」なんて言い出すんだから。(シェリルはたぶん、アルトにランカを殺させたくなんかないんですよ…)まったく、かなわんというか、これだからシェリルに視点を引っ張られる自分を止められない。ああ、中立地点でアニメ見られないダメ大人ですよ…。
 アルトの真意はシェリルが止めたこともあって次回に持ち越しになりましたが(相変わらず生殺しじゃのう(笑)、生きて帰ると言い残しにくる対象にするくらい彼女を気にかけただけでもアルトとしては上出来です。<設定ハードルひくっ。

 しかし、このフロンティアの戦いはブレラが言う通り、地球人の方が侵略者だからあまり気持ちのよいものではなく。生死がかかって来たフロンティア側にしてみればきれいごとを言ってる場合じゃないのも事実ですが、テリトリーに侵入されたものが異物を排除するのも当然の成り行き。人類が負けたって文句は言えない。でも、そのお膳立てをしてことをここまでこじらせたのはグレイスで、フロンティアが望んだわけじゃないんですよ。って、彼女も人間の一人ではあるんだよな…。
 種の繁栄なんてものは、いくばくかは他の種の浸食の上に成り立ってるものだけど。
 なので、シェリルが決意の元に歌を歌い、それに乗ってフロンティア軍が快進撃を続ける絵には爽快感は得にくい。意図的に人間側ゴーマン! みたいなセリフも入れてあるし。
 もちろん野望の成就に奔走するグレイスがフロンティア軍の優勢を放っておくはずがなく、意識をコントロール化に置いたランカにバジュラの統制をはかる歌を歌わせる。それが。
 「愛、おぼえていますか」ってのがイヤミだな! グレイスの選曲か? かつて人類を守った歌が今度は人類に牙を剥く。その皮肉を噛みしめる間もなくフロンティア軍は劣勢に。むろん本家本元、グレイスのバックアップつきでバジュラに増幅されたランカの歌の前にはシェリルの歌の力はあっけなく消し去られていく。…それもちょっと悔しかったり。
 完全にグレイスに意識を支配されたブレラはアルトと何たび目かの戦闘に入り、例によってアルトはブレラに押されまくる。しかもまたもや「ランカに近寄るな」発言つきで。これは最後まで勝てないライバル関係なのか? アルトは機体が急ごしらえとか言ってましたが、いくら腕を上げても相手はサイボーグだしなあ…。
 といつものアルト負け構図を想定していたら。げげげ、撃墜されてしまいましたよ! いや、それは。まだ最終回じゃないですし。
 シェリルの悲痛な叫びを聞くと心痛みますが、まだ主人公機に乗ってないから大丈夫ですよ!<根拠なく。
 実際、見ててすごい冷静でしたもん、アルトここで死ぬわけないしと。次回はわかんないけど。<鬼。

 ありがとう、ありがとう、最終回まで露骨なくらいいろんなものを引っ張ってくれて。作劇としては泥臭いやり方ですが、実際のところ巻き込まれてどきどきしてる視聴者がいっぱい出てるわけだから成功してると言えるでしょう。謎の取りこぼしとかキャラ造形の難とかいろいろありますけど、なんだかんだと25回最後まで見続ける気にさせられました。次回もよっっっっっぽどのちょんぼがない限り、一応の満足は得られるかなと思ってます。
 …ED終わった後に映画版とかってテロップを見そうな気もしますが(爆)。

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トゥルー・ビギン

 なるほどなー。昔からグレイスはランシェと意見が対立してたのか。それで、ランカにしてもブレラにしても昔から知っていた子たちなのにあの仕打ちができるわけだ。バジュラをそれとして尊重したいと考えていたランシェとその特性を利用することを主張していたグレイス。で、例の調査隊の壊滅はグレイスにとっては渡りに船だったのか? もしかして、ここからグレイスの策略が始まってたとしたら怖い。ただ、彼女に相乗りしている意識たちは何者? グレイスの野望に共感したギャラクシーでの知り合い?
 で、ドクター・マオはどうなったんだろう。

 シェリルの病を知ったアルトは何かと彼女の世話を焼く日々。新たに軍で部下になった若手兵士にも「シェリルさんとつき合ってるんですか?」と突っ込まれたりして、そこになにげにシェリルが出迎えに来てて、さらにどツボ。
 早乙女邸を出たのか、シェリルの住む部屋で夕食など作ってみたりするアルトとシェリル。アルト、シェリルよりも遥かに料理の腕が上って、というか、ぶっちゃけ私よりも格段にプロっぽいって、伝統芸能の家ではそんなことまで勉強するのですか? 単なる趣味? 才能? つたない包丁使いで指を切ったシェリルは、その指をアルトから隠す。…ああ、体液感染だものね>V型感染症。
 死期の迫る恋人たちの、ささやかな夕餉のひととき。と見たいとこですが、先週「こいつは同情してるだけ!」と見切った私には「そうやって傷口広げんなよ、アルト!」としか思えません。本意なくやさしいってのは罪なんですよ、そこんとこ、そろそろ学習してほしいんですよ。アンタ、先週、シェリルに手を出さなかったでしょうね? そこまで軽率だと思いたくないですよ? …体液感染だしね(涙)。
 団らんと縁のない幼少時を過ごしたシェリルが「夢だったの」と言いながら食事するのが切ない。

 自分の存在がバジュラと人間の架け橋になればと願うランカ。それは戦場で歌ったことで、自分とバジュラの間に「感じ合う」ものがあると確信したから。(実際、そういう体質に生まれついたと今回発覚)でも、ご本人の意思とはいえ、絶対的に危険を回避できるというあてもない中、同行してくれたブレラはやっぱり希有な存在なのですよ? いくらランカの歌にこそ俺は感謝していると本人が言っているとしても。
 というか、ここでようやくブレラが兄だとはっきり提示。ブレラ、本当に欠片も記憶なしか…。兄妹と承知してブレラをあの立場に置いたのだとしたら、グレイスほんとに怖い。そんなにランシェが憎かったのか、と思います。お兄ちゃん、ハモニカ置いてグレイスの強制モードに突入ってことは、あれは形見になるってことですかね…。正直、ブレラには全然思い入れはないんですが、なんかちょっとかわいそうすぎですよ。記憶もなく兵器として生き長らえて、やっと人の感覚を取り戻させてくれた女の子が妹だとわかったときには二度と普通の感覚で接することは叶わなくなってる、とか。
 同僚とその子どもを利用し切って、どこまで行くのかグレイス。彼女にとってはバジュラさえも自分の研究成果を実現するための道具に過ぎない。三島が小物にも見えようってもんです。
 さて三島は、フロンティアの今後について政治的にいろいろと突っ込まれている模様。痛みがひどくなり生活圏としてはぎりぎりの状況に置かれたフロンティア住民の生活は苦しくなるばかりで、三島ァ、お前何がしたかったんだ? とまぢ問いかけたいところですが、彼は新統合政府へのSOS発信どころじゃない、新天地到達は目前だとぶち上げる。
 …三島の目的もバジュラの星か。そこが人間の居住に適してるかどうか、情報を得てるんだろうか。グレイスが仲間に引き入れるために情報を小出しにしていた可能性はあるけど。クーデターで政権を取り、移住先を示すことで大衆の支持を確実に取り付け、新天地で権力者としての地位を築くというのが三島のシナリオ? しかし、ここまでひどい事態に追い込んでまでってのはどうなんでしょうか、個人としても政治家としても。

 なんとなく小物感の漂う三島くんはグレイスという後ろ盾を切り捨てた(つもり。本人は)時点で次の後ろ盾としてミスター・ビルラーに声をかける。
 のはいいが、なんでさらにアルト? 対ランカ兵器としてミスター・ビルラーはアルトを見込んでるってことですか? 前回のお呼出の中身は露出したあの情報で終了ですか? よくわからんな…。
 さて、バジュラは脳のない生物兵器だと言われてきたのですが、実際にはネットワーク型の集合生命体だった模様。個々の「個体」と認識される部分は実は神経のシナプス一つ一つのようなもので、個体間を結んで一つの「生命」にしているのがタイムラグのないフォールド波による連携。そして、たぶん生物総体の主たる意識が母星にあるはず。それがクイーン? クイーンの意識が一つだとすれば、「マサーズ・ララバイ」のときにランカに語りかけて来たランシェに似た意識はなんだったんだろう?
 いずれにしても、Gたちの意識集合体はインプラントを使って擬似的にバジュラめいた存在になっている感じ。これもグレイスの実験の一つ?
 生まれ落ちてからV型感染症に罹患し治療の時期が遅れるとシェリルのように死病になるけど、母子感染などで耐性ができるとランカのようにバジュラと共感する体質になるっぽい。三島はバジュラがその特性からランカを利用しようとしているというけれど。フォールドクォーツが欲しい大人の皆さんの方がよっぽど怪しいのですが。利用されてるのはアルト、君の方かもしれんですよ。

 病院に通院しているとおぼしきシェリルは、ルカに病気の進行を抑える治療を申し出られるものの拒否。V型感染症が悪化しているからこそ、バジュラに対してより効果のある歌が歌えるのだろうと。道具として利用するならしきらなければダメだと。結局ルカもアルトと同じように現実の厳しさを実感し切ってないところがあって、戦場での兵器としての歌を提案しておきながら個人としてはシェリルによかれと考えてしまう。それが純粋さなのかもしれないけど、一度腹を決めた当事者にしてみれば残酷なだけだったりするのですよ。「やさしいのは罪よ」。それはルカに向けただけのセリフじゃないですね…>シェリル。
 そして。
 病院で嵐蔵氏に付き添った矢三郎兄さんに会ったアルトは、あなたは根っからの役者なのだと、人の思いを読み取ってその役を演じてしまうのだと言われる。パイロットになったのも、それを望む者の気持ちを汲んだだけなのだと。だから、舞台に戻って来てほしいと矢三郎は頼むのだけど、その言葉でアルトが気づいたのは全然別のことでした…。
 空に憧れていたこと。その思いがなぜSMSのパイロットになることにつながったのか。それはランカを守りたいと思ったから。ランカを守る力を得たいと思ったから、SMSに入りパイロットになったのだとアルトはようやく答えを出す。
 あんた、遅いよ! てゆーか、わたしゃ矢三郎兄さんの慧眼に拍手だ(笑)。さすがずっと兄弟子として一緒に過ごした人だけあるな。ふらふらして見えたアルトの行動は役者魂の成した技だったのか!
 …って、「主体がない」ことには変わりないけど。それは役者としては一つの才能だけども、他人と接して生きていく個人としてはどうかと思うの。
 守りたいと思ったほどの存在だからこそ、バジュラがランカを利用して人を害しようとするならば、自らの手でランカを殺す。アルトはクランにそう言い切る。思い故に、その命と罪を自らの手を汚しても引き受けるというのは相当の覚悟のはずで、だからクランは「それがお前の愛か…」とつぶやく。でも、その決意をドア越しに聞いてしまったシェリルの気持ちは。
 …やっぱり同情だと感じ取っていたわけだ。そういうことには聡すぎるシェリルは痛々しすぎる。「もう少しだけ」とドアを離れるシェリルは、自分とアルトの関係はかりそめなんだとあのときから自覚していたんだな…。

 残り話数のカウントダウンが始まって振りまいて来た様々な謎がだいぶ回収されてきたので、最終回を見終わってもんのすごい消化不良ってことはどうにかなしで済みそうです。
 でもなー。正直、ここに至るまでにアルトとランカのキャラの書き込みが足りなかったよなと改めて思う終盤。後半になってランカの視野が広がっていく描写がなかったもんだから、バジュラとわかり合えるかもしれないとフロンティアを出て行ってしまったことが軽卒ちっくに見えてしまうんじゃないかと。宇宙が地球人類のためだけにあるわけじゃないのは当然で、そこで出会った別起源の種と滅ぼし合っていくしかないんだったら外宇宙への進出は修羅の道にしかならない。だから、共存の方法を探るというあり方はけして間違ってない。でも、ランカがバジュラと交感できる自分に気づいて、戦う関係しかないのは変じゃないかと悟り始めるような描写がないから、あいくんとも仲良くできたんだからきっとバジュラ全体ともなんとかできるはず! くらいの気持ちで出かけて行ったようにしか見えないんだよな…。もちろん、出て行った理由の一つは失われた自分の記憶の回復にもあるんだけど。今回もあいくん見つけるなり、いきなりブレラ機から出て行くし…。宇宙空間だし、半ば交戦状態になってるとこで、あの行動はないだろ、と。展開的にグレイスに拉致られなくてはいかんのはわかりますが、他にやり方なかったの? と。
 アルトにしても、空に対する思いの変遷とか父親や家業との葛藤を全体にちょこちょこ入れて行くべきだったよな。思いの出どころとか結論とかが唐突すぎたりあっさりだったりで、「えっ、そんだけですか?>アルト」とTVの前で口ぽかんになりがち。人間、自分の体験にいちいち意味とか重さとかつけてないかもしらんけど、いちおー物語なので見る側がキャラに納得できるそれなりの描写がないとちとつらいのよ。
 アルトの場合、三角関係を最後まで引っ張らねばならない役回りだから、割食ってる部分は明らかにあるんだけど。(その辺絡みのセリフは意図的にぼかされたりするんで、優柔不断度がアップしてしまう)
 今さらのように気になるんだけど、アルトがつけてたちょークラシックなお守りは、あれはなんだったんでしょうか。忘れ去られたアイテム?

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ノーザン・クロス

 ぬか喜びはすまい。先行放送地区でのシェリル好きのこの回の反応をちらと遠目に見て、「次はわからんぞ」と疑心暗鬼なわたくしは三回分も録画を貯めて見始めてますよ。どんだけ弱気なんだ(笑)。
 さすがに来週は最終回なので、いくらなんでも見ないとな。

 あああ、三島バカ決定。要はグレイスにいいように言いくるめられてたのか。ギャラクシーが本当に壊滅したんだか、ブレラの行動がまったくグレイスの予想外のものなんだか、わかったものじゃないというのに。確認のしようがないこととはいえ、権力の座をクーデターで手に入れようってご仁にしては脇が甘い。
 その甘さがせっかく手に入れたフロンティアを余命三ヶ月なんて惨状にしちゃったわけで。内部でバジュラに暴れられたり大群に襲われたりしたら、所詮は宇宙を漂うはかない箱船みたいな宇宙船団がどうなるか、政治家の端くれならちゃんと算段立てとけよ。そろそろ三島もグレイスにとっては用済みになったようで、フロンティアもろとも捨てられる身の上になりそうな。

 アルトとルカの若手二人は、ルカのご実家で開発した新兵器のテストなどに勤しんで打倒バジュラに燃えている。ルカのナナセオンリーな動機は相変わらずどうかなーって気もしますが、彼の心情に近い描写はナナセ絡みしかなかったと言っていい状態なんで、それもキャラとして一貫性があると言えばあるか。バックに製造系の大企業がついてるおぼっちゃまがやる気を出すと困ったもんだ。そして、アルトは寝耳に水のランカの出奔に納得しようもなく、バジュラを倒して連れ帰るという腕力チックな発想しか無い。
 この二人、ほんとにお子様なんだよな…。目の前の戦闘、目の前の出来事以外にはなかなか目がいかない。もっとも、二人ともずっと大人の事情から遠ざけられてる身の上なので、大局を見ろと言われてもなー、と反論されるかもですが。しかし、ルカは掘る気になれば、ご実家に事の次第に近づくネタがいくらでも転がってると思うんだけど、そっち方面に不審を感じることはなかったのか。彼、専門職には向いてるけど、政治的な能力は皆無だな…。会社の経営はお兄ちゃんたちに任せなさいね。

 歌うことから逃れられない自分の性分を知ったシェリルは、壊滅的な状況にあるフロンティアで再び歌い始める。派手な衣装もなく、小さなステージでチャリティのために歌う彼女の姿は、以前の圧倒的なトップアイドルのときとは違う印象を聴衆に与える。そのプロモートをしているのは、ひゃー、予想通り(?)エルモさんじゃん! 結局この人、「歌」が好きで歌の愛を届けるのが芸能プロモーターだと思ってるわけね。御社の徳川さんが前回の戦火でどうなったのか、心配です。(同じ社長の元で働くよしみで、「シェリルの銀河兄弟舟」が生まれたのだと思いたい<思いたい?)
 残りの時間を歌って過ごそうというシェリルの静かな覚悟は、しかしグレイスたちの仕掛けたこの戦乱の中で再び利用されるものに。V型感染症に侵された彼女の歌からも、ランカと同じ、バジュラに影響するフォールド波が出ているというルカの言葉はシェリルにとって福音なのか。
 ただ歌うだけでいいじゃん! そこに変な意味なんかなくていいじゃん! 力なんかなくたって、心のある歌はそれだけで十分なのだとシェリルは知って立ち上がったのに。そこに政治を持ち込まないでくれよ。心穏やかに歌わせてやってくれよ。
 でも、ただ歌への愛だけでなく、プロとしての気骨を持つシェリルは、自分に役割があると思えばそのためにも尽力する。かつて、ギャラクシーの存在を忘れさせないためのプロモーション番組を作るのに協力したように。

 三島の追っ手の目を逃れ瓦礫の街をさまようオズマとキャシーは、やっとこさボビーと再会。ちゅーか、オズマのことをちゃんと気にかけてたの、ボビーくらいじゃないの? ひどいわ、みんな。恋敵のはずのキャシーにも細やかな心遣いができるボビーはほんとにえらいな。今回の出来事でキャシーが本当に泣けたのは、ボビーに気遣ってもらってやっとじゃないかな。
 SMSに帰り着いた二人は三島の野望を艦長に打ち明け、SMSはこれで基本三島と対立する構造に。元々自由な気風が信条っぽい、正規軍でもないSMSが三島と相容れるはずもなく、この流れは自然なものかと。でも、オーナーたるミスター・ビルラーの方針と、それは合致するものなのか。資金の供給なくやっていけるのか、SMS。兵糧は軍事活動ではたいへん重要なものですぞ。

 一方ミシェルを失い傷心のクランは、シェリルの病のことをアルトに打ち明ける。もっと早く素直になっておけばよかった。後悔しても遅かった。お前にはそんな思いはしてほしくない。クランの配慮はその体験故に重くありがたいものだけど…。
 単細胞のアルトなんだから、それを聞いたら自分の気持ちとか細かいことを忖度せずにシェリルを気にかけるに決まってるじゃないか! それがまたまた、どんなに罪作りなものになるか。
 三島とルカに協力を依頼され、疲れ果てて早乙女邸に戻った(いつの間にここに逗留することに決まっちゃったんだ?)シェリルは昏倒し、意識を取り戻してもなお強がる彼女の姿に、アルトは「俺が側にいる」とその身体を抱きしめる。
 ほーらほーら、やらかしちゃったよ…。死を目前にして歌だけを支えにがんばろうとしていた女の子の決心を、あんたは決壊させちゃったんだよ。自分の行動が同情から出たものか、本心から出たものか、深く考えもせずに。こんなことして見放すようなことになったら、その子が二度と立ち上がれなくなるって、あんたわかってやってるの? それがどんなに罪深いことか、後から後悔しても遅いんだから…。
 って、みょーに冷静なわたくしは、ここちょっと感動したり泣けたりするとこかもしれませんが、「ふーん」という気分でした。でないと、今後、シェリルの目の前で「ランカー」とか叫んで平気で彼女の元に走って行きそうなアルトにとほほになること間違いなしなので。

 生き残りを賭けて、バジュラとの戦いをしのぎながら新天地の星を見つけなければならないフロンティア。住民たちを鼓舞しようと全艦放送で演説演説する三島の背後で、SMSの離反行動がついに表に。一方三島は小賢しくグレイスの抹殺をしかけもしてるけど、あんたの器ではこの怪物に叶うはずないって。三島の裏切りなど想定済みのグレイスは、あっさり刺客たちを返り討ちに。
 メンバーたちにフロンティア政府から離れて単独行動をとることを呼びかけた、オズマ以下の中枢メンバー。でも、どうも若手二人にはちょっと違うメールを出したような。確かに打倒バジュラとフロンティアの死守を心に決めたアルトとルカにとって、フロンティアに反旗を翻す行為は受け入れ難いものだろうけど、あまりに彼らの行動に反感が強すぎるので。…やっぱり単細胞は手元に置くのは危険と判断されたのか>アルト。若者を反政府的活動に引き込むのをためらったのか。ミシェルがいたら、どうしただろうなあ。学兵三人組では一番世間を見通せる人だったのに。
 ところでクランもフロンティアに残ることにしたようだけど、敬礼して見送ってたってことはオズマたちの決心に反対しての判断ではない感じ。やっぱりミシェルの気配の近くに残っていたかったのかな…。
 離脱するクォーターを追撃するアルトは、オズマと戦うことに。前回は妹、今回は兄とリー兄妹の行動には翻弄されっぱなしのアルト。彼らの行動の真意がさっぱりわからず、オズマを非難してますが…。
 笑うとこではないんだろうけど、オズマの「お前は状況に流されてるだけなんじゃないのか」には、わはは。視聴者だけじゃなく、制作サイドもそう思っていたのか。もうすでに流されてますから、この人。
 それにしても、CGメカの戦闘には心底燃えねえ…。どうしたら私のメカ心に火がつくのだろうかとちょっと悲しくなる今日この頃。

 11年前の記憶がバジュラの元へランカを導いたのだろうけど、それがわかるのはやはり「兄」のオズマだからこそ。オズマから三島とグレイスの陰謀を聞いたSMSの皆さんも、ランカの行為が「裏切り」ではないことは察しているのかもしれないけど。
 それ以外の皆さんには、ランカの真意などわかるはずもない。その辺の心の距離についてはご了承いただきたい。
 ブレラと共にバジュラの本星へとたどり着いたランカだけど、その進路はグレイスにも伝わっていて。
 まあ、グレイスのことだから、ブレラにしかけたなにがしかの装置でその行動など筒抜けにできるんでしょう。母星の位置を把握したグレイスは快哉を叫ぶ。ついに我らの宝の星にたどり着いたと。これがGたちの目的? バジュラの何がグレイスにここまでさせたのか。
 目のついた星が、なんとなく鳥の人関係を思わせます。

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蒼のエーテル

 なんかものすごい真綾っぽい歌だなあと思ったら、歌詞が真綾でした…>蒼のエーテル。
 てーか、「トライアングラー」からこっちタイトルが歌縛りになってますが、残り四話もこの調子でいくのでしょうか。いや、もう来週の「ノーザンクロス」は決まりなので、残り三話か。だとしたら最終話は「アイモ」と予想!
 「!」つけるほどの予想でもないな…。

 見れば見るほど残り話数で設定や人間関係などなどがちゃんと収拾されるのか不安になる一方の今日この頃。
 ぶっちゃけ、先週ものすごい勢いで盛り上がってしまったので、今週はなんか。見る方はどーっと気が抜けてしまってたんですが、本編の方も作画といい構成といい演出といい、抜けてる感があるのは気のせいでしょうか。ちゅーか、作画がかなりヤバかったような。最終話あたりを充実させるために人力集中でしょうか。残りを考えたら抜けてるバヤイではないと思うんですが…。今回はヒロインの片割れが何やら決心して主人公の元を離れるというドラマ的には結構重要な回だというのに、今イチ盛り上げきれてないというか。そう感じるのは私がシェリル寄りの立場にいるからで、ランカ寄りで見てる人にはぐわーっと来るものがあったのかしら。こういうとき、客観的なポジションをとれてない自分が歯がゆい。

 ついにレオンの野望が花開く。フロンティアの実権掌握、大統領の死はバジュラによるものだと言いやがりましたよ、こいつは。意外と大統領、人望があったようなので(失礼かもしらんが話中ではレオンの言いなりっぽい描写が多くて、大丈夫なのか、この人は? って印象だったもんで。それなのに、意外とバトル・フロンティアの艦長? さんは敬意を払っておられた模様)、レオンはなんとしても真相を闇に葬らねばならぬはず。オズマとキャシーはますますヤバい立場に。
 もちろんフロンティアの持つ戦力が最終目的のはずもないレオン。Gの目的が、たぶんフォールドクォーツによる宇宙空間のより自由な航行法を手に入れることだとすると、レオンはその技術で何をしたい? ままま、まさか全銀河に広がろうとする地球出身の人類の支配? それはちょっと、古典的な悪役過ぎって気がするんだが。<当たってたら大笑い。

 クランは本当にバルキリーの武器でバジュラを掃討。あまり頑丈なアーマーを着用してる風でもなかったんで、いくらやや幼生とはいえバジュラと直接取っ組み合うことになれば危険なはず。こういうとき、曲がりなりでも兵士であったことが、クランにとって幸せなのか、不幸なのか。怒りと悲しみを直接バジュラに叩きつけることができる技能と感情に振り回されてただ闇雲には行動しない精神力。彼女は我を忘れて泣くことができるんだろうか。
 ミハエルの残したヘルメットの中にはクランとの写真が貼ってあったりして…。もう、本当にばかっ。ミシェルのばかっ。
 一方、アルトたちはルカの提案でバジュラを一カ所におびき寄せ、一気に殲滅する作戦を立てる。その舞台がアイランド3というのがなんとも皮肉。そこにはきっと、レオンが始末したい悪事の痕跡があるに違いないですよ…。ルカの作戦でアイランド3が消滅すれば、レオンにとっては渡りに船。当然止めるはずもなく、むしろおおっぴらに支援してた模様。
 しかし…。ルカ、なあ。気持ちはわからんでもないけど、物騒な試作品の爆弾まで持ち出してバジュラを殲滅する理由はナナセだけなんかい。ちゅーか、そういう演出にしちゃったのはなんだかなあ。例えば、「ミシェル先輩が無茶をした気持ちが今の僕にはわかります。誰かを守りたいって、そう思ったら…」とかなんとかってセリフ回しにすれば、ミハエルの死で感情が高ぶってるとか影響されてるとかって部分も出たろうに。
 なんかこー。クラン以外は全般にミハエルがいなくなったことにドライすぎない? って感じが…。それどころじゃない事態だと言われたらそうですが。
 今回はルカに限らず、キャラの感情を多面的に描くのに失敗してる感があるんですよね。

 バジュラをおびき寄せるのは、当然ランカの歌ということになる。すまなそうに囮役を頼むアルトに、苦い思いでそれを引き受けるランカ。
 この辺のランカの「歌いたくない」気持ちの出所が今ひとつわかりにくいのもなんだかなあ。アルトくんには、もう私の歌は届かない、だから歌いたくない、のか。自分の歌の特殊性だけが注目され、戦争の道具にされているから歌いたくない、のか。もちろんいろんな気持ちがごっちゃになって「歌いたくない」という最終的な感情になるのだろうけど、その「いろんな気持ち」の深さが見えてこないからランカのつらさが今ひとつ伝わってこない。(だからこの後、追悼式の場で「もう歌えません」とステージを下りてしまうランカの追いつめられた気持ちも響いてきにくい)
 アルトがすまなそうにするのも、どういう気持ちからそうなるのかがわかんない。利用して申し訳ない? 危険な目に遭わせて済まない? お前のいやがる気持ちがほんとはわかってる? アルトの行動や感情にもやっぱり深さがないんです。
 だから、単刀直入なブレラの言動が一番すっきり理解できる。「いやなら歌わなくていい。歌はお前の心だから」。とにかくランカにつらい思いはさせたくないというシンプルな動機から出た言葉。でも、そうやってランカをひたすらに庇護することが彼女にとっていいことなのか、どうか。

 あれだけの大惨事がAパートだけで事後処理まで行っちゃうとは…。
 「マクロスF」見ててずっとちょい不満だったのは、フロンティア壊滅の危機! みたいな戦闘があった後があまりにあっさり流されること。「ファースト・アタック」の次が「ハイスクール・クイーン」だったのは、序盤だし学園ものが初期の目的だったみたいだからいいとして。「マザーズ・ララバイ」とか「フォールド・フェーム」とかって話では結構フロンティアの命運がかかった大規模戦闘をやったはずなのに、その後がすらっと流されちゃって住民の暮らしぶりや困窮ぶり、政局の取り回しの困難みたいなものが見えてこない。フロンティアは次第に追いつめられていってるんだな、と見る方が固唾をのむ雰囲気にならないんです。
 そういう作風じゃないと言われたら仕方ないけど、人の死の重みや過酷な役割を背負わされるつらさみたいなものが伝わりにくいのは、そういう部分の弱さのせいじゃないかと思ったり。

 そんな作風ですので、ミハエルのことを はっきりと悼んでいるのはクランだけ、というさびしさ。レオンに追われるオズマも行方不明のはずなのに、誰も気にしてない感じ。それどころじゃないくらいフロンティア全体が混乱極まってるってことでしょうか。その割に、SMSの皆さんがぴりぴりしてるみたいな絵もないしなあ。
 しかし、今回のわたくし最大の困惑は、突然行っちゃうランカ、なのでした。
 歌に行き詰まり、人々の受けたくない期待を一身に受け、きついしんどい、恋にも破れてフロンティアにいるのがつらい、ランカがそういう心境にあったとしても、不思議はないです。でも。
 いくらペットとしてかわいがっていたからといって、突如バジュラの幼体を群れに帰してあげたいとか、それについていくとかって切り出されたら、そりゃーアルトでなくても「なんじゃ。そりゃ?」です。例によって変態したあいくんとランカの間に何があったかが伏せてあるので、見てる方にはランカがそう決心したつらくて重くてきつい心の経緯がわかんないのです。わかってるのは、思い入れのあったこの世界の住民がバジュラによって蹂躙されたという今までの出来事だけ。それでいきなりバジュラの側につくと言い出すランカのつらい立場に思い入れろと言われても無理ですってば…。
 せめて、「グッバイ・シスター」で呼び出したアルトに、「笑わないでね? 私、あの子たちが苦しい、苦しいって言ってるのが聞こえる気がするの」とかって、ランカがバジュラと交感しているらしいことを伝えるみたいな場面があったらよかったのに。戦いの道具に使われるからというだけじゃない、バジュラと戦うということ自体になぜだか抵抗を感じるから、歌っていいのか悩んでしまうのだとランカがアルトに告げていれば、アルトだって状況に置いてけぼりにならずに済んだろうに。
 こんなんじゃ「大好きでした、さよなら」って言われても、おきてる事態を飲み込むだけで精一杯ってものです。

 今回改めて思ったけど、アルトってほんとに何も知らないんだなあと。レオンの陰謀もランカの特殊な立場もシェリルの境遇も、本当のところは何も知らない。バジュラとは何ものか、この戦いは変じゃないか、この船はこれからどうなっていくのか、そういう疑問もあんまり持ってない感じ。
 これで主人公はつらいよなー。
 いくらメインテーマがトライアングラーでも、もちょっと大きな事態に噛ませてやれよ、と思う。今更だけど。
 空を飛びたいと思った理由も、病弱な母さんに地球の空の話を聞かされて育ったから、という「えっ? そんだけ?」みたいな種明かしだしなあ…。あと四話しかありませんが、なんとかアルトに主人公としての重みというか内面というか、…そう、箔! 箔をつけてやってくださいよ。このままだと、最終回時点で一番影の薄い人になりかねません。

 というわけで、「えええー?」とわたくしが口ぽかんになっている中を、ブレラに連れられて旅立っていくランカ。ブレラは行き先もわかってるようなので、これもGの計画の範囲内なのか。それとも、ランシェ・メイの縁者であるブレラにも何かしら感じ取るものがあるのか。
 悪の三蔵法師に身体を縛る輪っかをつけられているブレラですが、それでも最後までランカのために生きようとするんだろうなあ。ほんとにもう、「それしかない!」みたいな不器用極まりないブレラの生き様に、この人この先酬われることがあるのかしら? とさすがに気の毒になってきました。

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ダイヤモンド・クレバス

 実はうっかりよそ様のサイトの感想の端っこを見て、気配は察していたので。
 でも。ここ数話、彼と彼女がやたらと出てきてたのはそういうわけか。やっぱりそうだったのか。
 彼にまつわるいろんなことが少しずつケリをつけられてきた。
 でも、まだお姉さんの死の真相がわからないままじゃない? ちょっとくらいは彼女と真っ当なデートしてもよかったんじゃない? …まだ行っちゃうには早すぎるんじゃない?
 ねえ、ミシェル…。

 レオンの目的はフロンティアの実権を握ること。そのために、ついには大統領の暗殺にまで手を伸ばす。
 …ごめん、私にはあんたがそこまでしてフロンフィアのえらい人になりたい理由がわからない。大統領は温厚な感じで、あんたは結構適当に操れてた感じじゃん。Gたちと組んだことで、あんたが権勢を振るうはずのフロンティアはずたずた。今の状態から真っ当に機能するまで復興させるのはけして簡単じゃないはず。
 ぼろぼろになったフロンティアを手に入れて、レオンは何がしたいのか。
 ってーか、グレイスは「まだ」フロンティアに壊滅してもらっては困ると言ってたけど、それっていずれは死滅していただくということなんじゃ?
 レオンとG陣営は完全に利害が一致してるわけじゃなさそうだけど、組んでてお互いWinWinになるような着地点があるのか?
 Gの目的がはっきりしない以上、この辺がすっきり納得できないというか。
 オズマとキャシーはレオンの目論見をほとんど暴いたようなので、これからは二人の視点からも事件の真相が明かされていくのかもしれないけど。…ここまで足を踏み込んでしまうと、この二人の命もかなり瀬戸際な感じになってきました。

 なんだ、アルト! 意外とわかってんじゃん!
 ランカのライブを見に来いと言ったのは、やっぱり「歌うこと」への消せない情熱をシェリルに思い出させるため。ベストなやり方ではなかったかもしれないけど、そこはアルトのやることだから。「俺も舞台に立った人間の端くれだから、本物とそうでない物の区別くらいつく」という言い方に、なんていうのかなあ、もしかしたらアルトは自分の芸を「本物でない」と感じていたのかもしれんと思った。少なくとも、矢三郎さんよりも舞台に対する気持ちに距離があるなあと。
 わかっていたけど口にできない本心をアルトに言い当てられ、「何か」が心に蘇ってきたシェリル。
 でも、そこに告白する決心を胸に息せきって走ってきたランカが飛び込んできて。
 抱き合う二人にショックのあまり逃げ出し、つまづき転んだ床に涙をこぼして「もう、死んじゃいたい…」。

 ちょっと待てー!
 すまんが、今回はいつにも増してランカに厳しいよ、私は。
 簡単に「死ぬ」言うな! 今のフロンティアの状況で簡単に言うな。
 周りにほんとに死んじゃった人も、大事な人を亡くした人もたくさんいるんだぞ。
 ランカだってオズマが瀕死のケガを負ったとき、どんな気持ちになったのか、忘れたわけじゃないだろう。同じ思いをオズマにさせる分にはいいのか?
 ランカが簡単に死を選んだら、複雑な立場にありながら「お前を守る」と言い続けるブレラの気持ちはどうなる?
 あんた一人で生きてるんじゃない、アルトだけが世界じゃない。失恋するたびに死んでたら、命いくつあっても足りないってば!
 それ以前に、あんた、正面から当たって砕けてないじゃんよ! まず本人に当たれ、本心を聞け、話はそれからだ。

 と、大人げなく二次元の、しかも子どもに怒っていた私の目の前で、シェリルがいきなりランカをビンタ。そして、抱擁。
 …シェリル、すげー。すげすぎる。「歌」に対する気持ちを取り戻した直後だからか、彼女のプロの歌手としての腹の据え方が沁みてくる。
 アルトの頼みとシェリルの励ましで、バジュラを鎮めるためにアイモを歌い出すランカ。でも、彼女の歌の効能は世間に知らされたものとは違うわけで。しかも、精神的に落ち込んだ状態で歌うのでは効果はさらに反転の度を増し、フロンティア内には大量のバジュラの群れが。
 こんなにどこで養殖してたんだ。例の研究施設?
 大群を成すバジュラになす術もない学兵たちは武器を求めてSMSへの撤退を決める。その途中でシェリルとナナセが進路を断たれ、別行動をすることに。心配するアルトに「あたしを誰だと思っているの」と先を急ぐよう告げるシェリル。なんだか、彼女の強さには頭が上がらないです。もうシェリルには、グレイスという有能なマネージャーも無条件に熱狂してくれるファンもいないのに。

 レオンとG陣営は、やはり同床異夢の泥舟なのかもしれず。ランカの歌でのバジュラの暴走はグレイスにとってもやや予想外。(と言いながら、可能性は考慮してるあたりが狡猾)協力を申し出る口ぶりで、あてこすりだか恩を売る気だかのグレイスに、レオンは強気で自力での収拾を言い放つ。確かにこの大混乱の中で大統領をどうしようが、ほんとのことが露呈する可能性は少ないですが。
 あんたが欲しいフロンティアってなんなの?
 この惨状では都市機能だってかなりの低下でしょ? 人口も激減、今後の航行にも大きな支障が出るはずなのに。こいつももしかして、アニメによくいる「本人頭がいいつもりだけど、実は視野狭窄のバカ」タイプなんでしょうか。
 というTVの向こうの疑問が聞こえるはずもなく、レオンは再び大統領に引き金を引き、キャシーは父親の無惨な姿と対面することに。

 SMS本部もバジュラの襲撃を受けて壊滅の危機。同僚たちの死に動揺するミハエルをクランが叱咤する。幼ない姿をしていても、兵士としての気骨とキャリアはクランの方が格上の模様。だから、なのか。だから、あんなことを言えるのかな…。
 ルカが生き残ったシステムから情報を収集し、武器とランカの歌を増幅する装置を確保する目処は立つものの、その道のりはけして平坦ではなく。ゼントラーディ本来のサイズに戻り、バルキリーの兵装で戦うつもりのクランはミハエルに問う。誰でも恋をしていたいのさとお前は言う、でも、そういうお前の恋はどこにある? と。この期に及んで逃げ腰のミハエルを殴り、「私はお前が好きだ」とキスをするクラン。「恋するってのは命がけなんだっ」と駆けていく姿は子どものものだけど、中の心根はミハエルよりもずっと大人。
 この話、女ばっかり腹が据わってますよ…。

 ケガをしたナナセと共に避難所に収容されたシェリルは、いったんはバジュラから逃げ切れたと安堵したがために絶望する人々に、一つの決心をする。
 しまったはずのイヤリングをポケットから取り出して。「まだ届くかしら」と語りかけて。
 イヤリングをつけ立ち上がったシェリルは「ダイヤモンド・クレバス」を歌い出す。絶望の淵にあっても、本物の歌は、何の力もない歌は、それでも誰かの心に届くはず。
 …さすがにここで涙腺が緩みました。たぶん、今この瞬間に避難所が崩れ落ちたとしても、シェリルは最期まで歌ってるんだろう。この人はそういう人。

 もうこのあたりからはイヤな予感は実感に変わり、シェリルの「ダイヤモンド・クレバス」が沁みれば沁みるほど話は悲劇に向かっていくのだと覚悟を決めさせられる展開でした。ポッドでゼントラーディの姿に戻るクランを守るアルトとミハエル。その頭上から突入した新たなバジュラの幼体がクランに襲いかかり。
 クランを守ろうと飛び出し、銃撃するミハエルはクランの目の前で。
 …ばかだなあ、ばかだなあ。いつ死ぬかわからないから、本気の女なんか側に置けないと言ったくせに。死が目前になってようやくほんとの気持ちを告げる気になるなんて。だったら同じじゃん。むしろ、ひどい話じゃん。…互いにとって。
 遺体すら残さず逝ってしまったミシェル。救えなかった、どころかその体を引き止めることもできなかったアルト。何より、自分を守っての出来事にクランの衝撃がどれほどひどいものだったか。
 これだけの犠牲を出しても、フロンティアの置かれた状況は未だ好転の気配はなく、むしろ惨状は広がるばかり。政治の中枢はレオンに押さえられ、市中にあふれたバジュラが内部を蹂躙し、その上フォールドしてきた最終形態が押し寄せてくる。この危機をどう乗り越えるのか。

 てゆーか、あと五話で本当に収拾がつくんでしょうか。
 最近はすぐ第二期だの映画だのって話になるようだけど、話には適切な長さというものがあって、それを越えちゃうとただ間延びするばっかりになるんですよね。特に、当初の予定を変更すると締めがしまらなくてぐだぐだになりがち。いくら好きな作品でも、だらだら続かれるよりびしっと決めて終わってほしい派の私としては、その辺心配です。変な商売っけを出さず、25話できれいに着地していただきたいです。

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トライアングラー

 このタイミングでこの展開か。
 てゆーか、作画がかなりもったいないことに…。ちょいぐだぐだ気味なのが気になります。らぶらぶ的にはドラマチックな展開なんですがねー。

 さておき。
 もう残り話数がないので確定オッケーなんですが、ブレラがランカの兄ちゃん(か、記憶を失う前に近しかった者)であることがEDの声優欄ではっきりしました。本人、記憶なくても妹嗅ぎあてられるんだなあ。ブレラの肉親探知能力、恐るべし。ランカの夢に反応したのか、あるいは次なる姿への変体時期を察知したのか、姿を消したあいくんを探して疑似デート状態になるブレラとランカ。ブレラの置かれた状況を考えれば、名乗り合わぬ兄妹が平和なひとときを過ごすのは最初で最後になるかもしれません。知らぬこととはいえ、ランカはもっと人と過ごした時間を大事に思わなきゃだめだよ。振り返ったとき、あなたを支えていたのはアルトだけじゃなかったとわかってほしいです。
 しかし、ブレラは記憶を失ってサイボーグ処置されたときに感情の起伏まで押さえ込まれてしまったんでしょうか。子どものころは普通の男の子だったみたいなのに。育った環境なのかなあ。

 悪巧み組の策の範疇とは知る由もないフロンティアの皆さんは、長距離フォールドでバジュラを振り切れたのだと信じてお祭りの真っ最中。ああ、知らぬこととは言いながら…。言いながら…。
 もちろん彼らが褒め讃えるのは安全な宙域へと彼らを運んだ歌姫、ランカ・リー。成功の記念日の名はアイモ記念日。…長時空シンデレラに続き、いかがかと思うネーミングセンスだ。いろんな意味でものの見事にレオンの書いた筋書き通りなんだろうと。うううう。
 G陣営に手を貸した代わりに当座バジュラに利く武器を提供されたレオンは、また現れたバジュラにいったん人心を惑わせといて颯爽とその武器でフロンティアを守ってみせるのだろうな。歌姫ランカと対になる救世主のように。
 一方グレイスの関心はクイーンの謎の解明? マオ・ノームもランシェ・メイもなし得なかったバジュラの生態を解き明かすのが彼女の目的、のはずないよなあ。フロンティアとバジュラを噛ませ合うことで彼らが得るものの正体が未だによくわからん。進路にも意味があるようなことを言ってたけど、今回の長距離フォールドの出現先も結局は予定通りなんだろうな。なんか悔しいですよ。

 二度とまたがぬと捨て台詞を吐いた早乙女家の敷居を這い進んでシェリルの様子を見に来たアルト。その侵入ルートも、幼少時から一緒だった矢三郎さんにはお見通しだったようですが。
 ああいうお家だから着替えは着物しかなかったのか。それとも母親の面影まで動員してアルトの里心を刺激しようという矢三郎さんの策略なのか。(きっと後者)
 アルトの母の着物を着たシェリルは、案の定強がりと憎まれ口でアルトを寄せ付けない。ええっとね、この子が「歌なんかやめる」って言い出すなんて、何か言うに言えない理由があるに決まってるでしょ? 売り言葉に買い言葉でケンカしてる場合じゃありません。
 ってーか、アルト、何のためにシェリルの様子を見に来たんじゃ! 単に具合悪そうだったのが気になっただけかよ。
 ランカのコンサートを見に来いと言ったのは、どういう真意なの。ライバルの歌を聞き、シェリルにとって忘れ難いステージというものをもう一度見て、歌手としての自分を取り戻せという意味ですかい。…そこまでアルトが考えるかしら。<評価、ひくっ。
 結局何のために来たのだか、ほんとのわからんうちに帰ってしまいましたよ…。
 それにしても、矢三郎さん怖すぎです! 舞台に取り付かれてるのはあなたはんの方や。
 そして、矢三郎さんが語る舞台の魔力みたいなものを一番よくわかっているのはシェリル。たぶん、アルトよりも。

 レオンとグレイスの策謀がひっそり進行中なのもご存じなく、美星学園でのお祝いライブの幕が開きます。なんだかんだ言ってもあいくん捜索はあきらめて、ライブまでには戻ってきたランカ。どうするんですか、あんな危険物放置して! ルカはナナセのイラストで、あいくんがバジュラの幼体だと断言しましたよ!
 例によってパイロットコースの面々がアクロバット飛行を披露するわけですが。この辺は一話のシェリルのコンサートをわざと模してるんでしょうね。
 飛行中に交わすルカとの会話で彼とレオンとの関わりをさりげなく押さえるミハエル。悪気があってしたことじゃないけど、ルカはこれからどうするんだろう。ってーか、ついにレオンはクーデターの意図を露にするんで、ルカに変な指令を出すことはもうないでしょうが。
 一方、ブレラの一言で自分の「歌う」気持ちがどこから出てきたのかを確認したランカは、アルトのアクロバット飛行に胸を弾ませて熱唱。

 えーと。ブレラとのやりとりでランカがそれに気づく場面では、やっぱりアルトのために歌っていたのかと、ぶっちゃけ、ちょっとガッカリしました。
 あなたは聴衆に向かって「みんな抱きしめて、銀河の果てまで」と叫んでいたけど、あれはただのキャッチに過ぎなかったのか。トップシンガーというものは、歌を聞いてくれる全ての人に思いを馳せて歌うものじゃないのか。
 ステージで歌い、電波にメディアに乗せて歌えるのも、たくさんの人が背後にいてこそ。その重さみたいなものをもう少し感じてるのかなあと思ったんだけど。
 架空の人の歌うことへの心構えなんて、そんなにまぢに捉えなくてもいいじゃん! ですが、そこは歌がキモのマクロスですから。「歌う」という行為の重みをヒロインはちゃんと考えてくれなくちゃ。
 まあ、この幼さがランカなんでしょうけど。
 まだ最終話までは間があるので、もうちょいの飛躍を期待したいところです。今のままだと周りの状況に比べてランカはあまりにお子様過ぎる。

 結局ランカのライブを聴きにきてしまったのは、誰に言われるまでもなく歌を捨てられなどしないシェリル。でも、自分を忘れた人々がランカの歌に聞き惚れるのを見るのはやっぱりつらい。誰にも顧みられない自分を再確認するような気分になるよな…。思わず引き返しそうになる彼女を引き止めたのは、なんとクランでした。
 そのころ、アクロバット飛行を終えたアルトを説教しているミハエル。いい加減態度をはっきりせいとアルトに迫るんだけど、たぶんこのヒト、はっきりも何もさせるものが自分でも見極められてないですよ。狼狽しまくりながらも、女は三股・四股は当たり前のお前に女のことであれこれ言われるとはな、と精一杯の当てこすりを言うアルト。それに対して、自分たちはいつ死ぬかわからない身の上だから、本気の女なんか怖くって身近には置けないといつになく弱気を見せるミハエルなのでした。
 うわーっ、だめーっ。イヤなフラグが立っちゃいますよ、そんなこと言うと!
 お姉さんが軍人で、SMSにはアルトより早く在籍していたミハエルは、戦う場にいれば死が避けようもなくやってくることをアルトより身を以てわかっているんだろう。それがクランへの態度を軽くはぐらかしたものにする。クランもまた、戦場に身を置く者だし。でも、この先もずっとそれってのもなんだか…。昔ながらの正義のヒーローならともかく、この話の登場人物はみんなふつーの人なわけだし。
 お取り込み中の二人の元に、クランに背中を押されたシェリルがやってくる。
 早乙女邸でろくなことが言えなかったアルトに、いったい何ができるのか。
 さらにバッドタイミングで、ライブが跳ねた乙女心満載のランカが駆け込んできて。
 タイトル通りのトライアングル状態になったところで、そのままなだれ込むEDが「トライアングラー」。
 こういう演出はほんとに細かいな、この番組は!(笑)

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フォールド・フェーム

 ああ、来るべき時が来たな…。グレイス、本性露出。
 歌手としてのシェリルの価値を否定するのは、まあ予想の範囲内。アイドルのはかなさは、シェリルとてまるでわかっていなかったわけはない。一つ足を踏み外し、ふっと気を抜けばトップの座なんてあっけなく滑り落ちてしまう。だからこそいつだって気を張って、一線であろうとし続け、そのために努力を惜しまなかった。それはたぶん、トップの座を守るためだけじゃなく純粋に歌うことが好きだったからでもあるだろうけど。
 だから、グレイスに捨てられたとしてももう一度這い上がってみせる、そういう気概は彼女の中にあったはず。
 でも、病気のことはちょっとなあ…。V型感染症がどんな病気だかはまだ作中では詳しく出てきてないけど、グレイスがはっきりと死を口にしたってことは、やはり死病なのだろう。それも、シェリル自身が自分の病を知っている。
 治療法の無い病気は、気力だけでは乗り越えられない。
 いろんな支えを失った今のシェリルに、このグレイスの言葉は死の宣告そのもの。
 前半の彼女の華やかさを思うと、打ちひしがれて雨の中を、誰にも気づかれることなくさまよう姿はどうしようもなく痛々しい。
 グレイスにとっては道具に過ぎなかったとはいえここまでひどい目に遭わせなくてもいいじゃんよ! と言いたいところだけど、Gサイドにしてみればシェリルはガリア4ですでに廃棄されていたはずの存在。あら、まだいたのね、ってとこなんでしょう。
 しかも、グレイス陣営はこれからランカをも利用していく満々なわけで、終盤に向けてどちらのファンにとっても憎悪の対象になること間違いなしですな。

 一方、シェリルの薬の出所を調べるミハエルとクランはグレイスの前世? を発見。マオ・ノームはマクロスゼロのマオ・ノームでいいのだろうか。なんで化学畑に行ったのかな。マヤン島もいつまでも世俗と離れた場所ではいられなかった、その中で巫女ではない生き方として科学を選んだのか。島でも外の文化に興味津々だった彼女だからあり得る選択のようには思えるけど…。
 もしもランシェ・メイがグレイスの同僚だったとして、彼女は同僚の娘すらも道具にできるのだな…。(今はそれと知らないのかもしれないけど、知ったところで変わりない気がする。プロトカルチャー50万年のなし得なかったどーのこーのと言ってるようなMADな方々には、人の命の一つや二つは些末なこと)
 しかし、ランシェが普通の人間だったのなら、ランカもクォーターとはいえ人間ではあるはず。それがなんで、バジュラと同じフォールドクォーツを腹の中に抱えているのか。バジュラって、もしかして元は人間だったりするとか!
 だからGたちのいう作戦名は「オペレーション・カニバル」、つまり共食いなのか。
 バジュラもギャラクシー、もしくはその一部の暗躍する人々が展開する作戦の犠牲なのかもしれず。
 そして、作戦の最初に妖精が必要だったのは、擬似的にクイーンと同じ波長を含む歌を歌わせるため? それはV型感染症がもたらすものなのか、イヤリングという形で与えられたフォールドクォーツの作用なのか。
 残りの話数で、その辺までちゃんと種明かしできるんですかね? やること多いですよ。

 それにしても、ケガをしてから妙にミハエルとクランは出番が多い。アルトを巡るシェリルの気持ちに対してミハエルとクランは別のことを言うんだけど、それは立場の違いが言わせたことで、ほんとは二人ともどうすればいいか、でもそれは本人のプライドのためにもストレートにはできないこともわかってる。
 なんでかなあ、お互い、自分たちのことだって「わかっている」のに本当のことは口にできない。
 だからこそ、シェリルの強がりが二人には痛々しいほど沁みてくる。
 せめてシェリルを探すよう、アルトに情報を流すミハエルなんだけど。

 ケガでベッドに縛られる身のオズマから、ランカを守ってほしいと頼まれてしまったアルトでもあり。
 兄ちゃん、危険を顧みずただアルトのためにガリア4に飛んだランカを知ってるからなあ。自分の危機を知っても最早気を失うこともない妹に、守る座引退を決めたのか。しかし、あなたの頼った相手はその。まだまだお子様でありまして。娘二人の気持ちを持て余して往生してるくらいなのでありまして。
 ランカラバーの皆さんには申し訳ないが、アルトのランカに対する態度はなんとなく保護者ちっくなんですよね。危なっかしくて見てられない。無防備に自分に頼ってくる。強気なことを言ったって、目には涙が浮かんでる。だから目を離せない。そのくせ、保護者としても今イチ頼りにならんアルトくんなんだが。(その点は圧倒的にブレラの方が有能だ)
 どうしたって女二人の面倒を見るなんて荷が勝ちすぎるアルトは、探していたシェリルは矢三郎兄さんに持ってかれ(まさか、あの人、また出てくるとは思わなんだよ)、緊急フォールドという予想外の事態の中でランカを守るどころかバジュラに追われて自分が危険という状態に。
 恋の鞘当てはさておいたとしても、アルト、主役として最終回までにちゃんと立ち位置を確保できるのか?

 そして、フロンティアの状況はどんどん悪くなっていってる…。
 レオン&Gグループの思惑通りに進んでます。政治の内部に食い込んでる人たちとせいぜい軍人や所詮学生傭兵じゃ、できること知れることの範囲が違いすぎる。のはわかってるが、視聴者の立場ではイライラがつのります。こいつら、好き勝手しおってー! どんだけ高邁な目標掲げてるんだかしらんが、一般庶民を大量に巻き込むような連中に正義はねえんだよっ。
 もうもう、終盤ではこいつらをぎったんぎったんにしてやってくださいよう。
 と頼む相手はアルトなのか?
 …うーん、それはちょっと不安だわ。

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グッバイ・シスター

 うーん、うまい。
 冒頭のオズマの回想シーン、うまいなー。
 オズマの作ったパインケーキを「おいしくない」となじるちびランカ。ためらいなく文句を言うのは関係が近いと思っているからで。OP前の短い時間で記憶を失ったランカと家族になろうとしたオズマの日々をうまく表現し切ってて。
 それだけに、個人的にはランカとオズマの「血はつながってないけどちゃんと兄妹」という関係を本編でもっとやってほしかった。口うるさい兄貴とお年頃で反発する妹がすっかりなじみきってる二人。でも、この本人達にとって努力の末に手にした変わらないはずの関係がやがて壊れていく。それは、ランカが成長することで兄を卒業していくという一般的な部分と、ブレラというランカの過去とつながる者の出現により崩れていく部分と二つの面がある。その悲哀がだんだん濃くなっていく雰囲気がもっとあってもいいんじゃないかなと。
 ちょーじくうらぶすとーりーでやるには、わき筋過ぎるか。
 にーちゃんはさみしいな。
 しかし、ランカを引き取ったときのオズマが若くてすごい。ちゅーか、引き取ったときランカまだ4、5才かよ。ということは、オズマもまだ20代? そこそこ? もしかしたら10代だったのか?<設定年齢を知りません。そんな年でいくら保護者を失っているとはいえ幼児引き取る許可がよく出たなあ。パインケーキのレシピを教えたのがキャシーだとすると、その年代でつき合ってて相手が義理の妹べったりだったらちょっと考えますわね(笑)。もっとも、若かったのならオズマの仕事熱心さがキャシーにはつらかったのもしれん。若い娘は仕事よりも私! であってほしいものだからのう。

 君のそのぶっきらぼうなくせに面倒見のいいところが娘たちを惑わしておるのだよ!>アルト。
 変装のためだかしらん、コート着て人目を忍んでビルの間を這い上るなど、ギャグとしか思えないことをしてまでランカの会いたいコールにお答えするとは。前回の体調壊して意識ないシェリルをよりにもよってSMSの宿舎に連れ帰って介抱したことといい、女関係無防備すぎです。
 これで他意が無いんだから、こいつ困りもの。
 てゆーか、話数も進んできたことだし、そろそろもう少し気持ちがどっちかにラブシフトしてこないと終盤でばたばたになりそうな気がするんだが。
 15話の病院で「What 'bout my star?」のシーンで、うっすらなりと二人の気持ちに気づいてはいそうなんだが。それともまだまだ「お前ら、ふざけんな!」なのか? ほんとにもー、こいつが役者としての才能に恵まれてるってのが不思議でなりませんよ。
 もっとも、現実的には17才男子なんてものはこの程度の精神年齢かもですけど。大局とか見渡しようもないアルトだから、ランカの歌がバジュラに利くという前回の実験の結果を信じてしまうし、それを元にランカを励ましてしまうのも仕方のないことではあるが、それはどう考えてもグレイスたちに利することなんだよな。この辺の年と立場による社会的視野の狭さはリアルではあるけど、視聴者サイドから見ると「ちょっと待てー」だったり。
 ああ、あいくんはアルトのことがきらいか(笑)。元の飼い主ゆずりじゃな。

 シェリルの扱いを不審に思い出したミハエル。うーん、ちと動きが遅いです。ケガの療養してたりと、彼なりにいっぱいいっぱいだったんでしょうけど。
 しかし、クランとは長い付き合いなのだし、どういうリアクションをすればご機嫌損ねずにすむか、わかっててもいいんじゃないのか? 毎夜のように女を落とせると豪語するわりに、クランには脇が甘い。その、クランだからこその脇の甘さが、結局はクランに対する甘えでもあるのだろうけど。
 無事医療系の知り合いを紹介してもらえるのか心配です。
 一方、何かとレオンに呼び出され、本人の知らぬうちにやっかいごとを抱えさせられてるっぽいルカ。
 あの、シェリルのイヤリングにも使われている石はバジュラの体内から取れるのかよ! ということは、指輪として持っていたMr.ビルラーもバジュラについてはある程度の情報を得ているのだろうな。知らぬは実際に戦っているSMSのみなさんや民間人ばかりなり。オトナって汚いわっ。
 でも、なんのためにシェリルにあのイヤリングを持たせていたんだろう。彼女が作られた存在であるとしたら記憶も偽物のはずで、となるとイヤリングが母親の形見と言うのもそう刷り込まれた偽記憶になるけど。
 本人自覚無いままレオンの片棒担がされてるルカはなにかと危ないにおいがしてきてますよ…。

 前回、ランカの歌が戦闘で効果を発揮することを見せつけた上で、バジュラが受けた攻撃に対し耐性を得ることを教えるとは、なんちゅーかいやらしい作戦。これで人心がますますランカの歌に頼る方へ誘導してるわけで。やっぱ内部に敵勢力を抱えた組織はもろい。フロンティアはサンドバック状態です。
 この状況をどうやって挽回するのか。キーマンはやはりMr.ビルラー? でも、彼の真意はわからんし。キャシーとオズマの踏ん張りに賭けるしか無いのか? …ちょっと心もとないなあ。

 で。タイトルからして死亡フラグ? と恐れていたオズマの生死ですが、なんかあっさり助かっちゃいました。妹が独り立ちしていくのをさみしくも誇らしく思いながら意識が遠のく…、というあまりに定番な展開でそのままオチるとは思いませんでしたが。ちゅーか、あの出血、誰か気づいてやれよ!
 どさくさに「妹も惚れた女も守れなくて」とかなんとか言ってましたが、まさか惚れた女はボビーじゃないよね? 今のキャシーは最早レオンのことなどどーでもいーモードだし、二人の間には何の障害も無さげですが、二人で陰謀の解明に乗り出していきますとまた別の死亡フラグが立ちそうな。
 …オズマ、今でもパインケーキは焼くのね。

 ランカ・アタックと続けて見たので、エピソードが若干ごっちゃになってますよ。とほほ。

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